進路環境データ

高校生はどのように進路選択しているか

小社では、高校生がどのようなプロセスを経て進路を決定しているかについて、高校卒業時点の生徒を対象に2年ごとに調査しています。その最新結果の一部をご紹介します。
2011年の調査は、青森、秋田、山形、岩手、宮城、福島の全エリアと茨城一部エリアを除く全国の高校に在籍する2011年3月高校卒業の男女を調査対象としています。

1.進学者の進学・将来に対する考え方

「みっちり勉強したい」が2年前より10ポイント増加

進学先・将来に対する14の考え方をあげ、それぞれについて高校生が「あてはまる」と回答した割合を見てみる。進学先に対してのトップは「学生生活を楽しみたい」だが、「仕事に役立つ知識・技術を身につけたい」と卒業後を意識した項目も高い。また、将来に対しては、多くが「自分の夢」「趣味や好きなこと」を軸に将来の仕事を考えているようだ。
これらを過去の調査結果と比較すると、これまで3割にも満たなかった「進学したらみっちり勉強・研究したい」が10ポイントもアップしている点が目を引く。

2.受けた進路指導内容

「やりたいこと・向いていることを探しなさい」が79%

高校の先生から受けた進路指導については、「自分のやりたいこと・向いていることを探しなさい」「将来のことや職業のことを考えなさい」の2項目の回答率が突出して高く、7割を超える。進路別に見てもこの2項目がそれぞれのトップ2を占めるが、3番目にあがったのは大学進学者では「少しでも偏差値の高い大学に入れるよう努力すべきだ」、短大進学者と専門学校進学者では「専門学校より大学に行った方が良い」となっている。

3.進学先検討時の地元選択志向

「地元に残りたい」は5割弱、「地元を離れたい」は2割強

進学者(浪人含)に、志望校検討の際、地元に残る意向がどの程度あったかをたずねると、「地元に残りたい」は約46%、「地元を離れたい」は約21%だった。進路別に見ると、短大進学者で「残りたい」が5割を超え、地元志向の強さがうかがえる。また、高校所在エリアによる差が大きく、南関東と関西では「残りたい」が半数を超えるが、北海道、北陸、中国・四国、九州・沖縄では、「離れたい」が「残りたい」を上回っている。

4.進学することのメリット

将来の選択肢が広がる大学、早く社会に出られる短大、専門性を高められる専門学校

大学進学者が感じている「大学に進学するメリット」として回答率の高かった項目を見ると、将来の選択肢が広がり、楽しい学校生活が送れることへの期待がうかがえる。
短大進学者が感じている「短大に進学するメリット」では、「早く社会に出られる」が突出して高い。専門学校進学者が感じている「専門学校に進学するメリット」では、専門性の高さに関する項目が上位に並んだ。

●大学・短大・専門学校に進学することのそれぞれのメリット(複数回答)/上位15項目

順位大学進学者:大学に進学するメリット(n=7502)(%)順位短大進学者:短大に進学するメリット(n=700)(%)順位専門学校進学者:専門学校に進学するメリット(n=1479)(%)
1 将来の選択肢が広がる 83.7 1 早く社会に出られる(2年で卒業できる) 84.1 1 自分のやりたい専門分野の勉強に集中できる 89.2
2 学生生活が楽しめる 83.6 2 自分の目指す仕事・職種につける 64.1 2 自分の目指す仕事・職種につける 88.0
3 クラブ・サークル活動を楽しめる 81.6 3 自分のやりたい専門分野の勉強に集中できる 62.1 3 手に職をつけられる 85.3
4 幅広い教養を身につけられる 80.8 4 やりがいのある仕事ができる 61.6 4 特定の業種・業界に就職しやすい 84.4
5 有名企業や大手企業に就職できる可能性が高くなる 78.8 5 学生生活が楽しめる 60.1 5 そこでしか学べない内容がある 82.4
6 研究や教育レベルが高いところで学べる 77.8 6 少なくともどこかに就職できる可能性が高くなる 59.9 6 やりがいのある仕事ができる 79.4
7 少なくともどこかに就職できる可能性が高くなる 75.8 7 そこでしか学べない内容がある 57.6 7 社会に出てから、現場で即戦力になれる 78.0
8 将来、高収入を得られるようになる 73.4 きれいなキャンパス・校舎で勉強できる 57.6 8 少なくともどこかに就職できる可能性が高くなる 76.1
9 カリキュラムや教育方法がすぐれている 73.3 9 卒業するまでの学費が安くてすむ 56.3 9 就職してから活躍できる実力を身につけられる 74.9
10 出世に有利である 72.9 10 就職してから活躍できる実力を身につけられる 54.1 10 実習時間が豊富 74.4
11 周囲に認めてもらえる 67.5 11 手に職をつけられる 53.1 11 資格試験に有利(合格率が高い) 72.8
12 優秀な先生が多い 66.5 12 カリキュラムや教育方法がすぐれている 51.1 12 そこを卒業しないと取得できない資格がある 64.1
13 OB・OGの人脈を活用できる 66.3 13 そこを卒業しないと取得できない資格がある 50.9 13 早く社会に出られる(2年で卒業できる) 60.9
14 優秀な学生が多い 65.6 14 資格試験に有利(合格率が高い) 50.7 14 最新の機器・機材や設備が整っている 60.1
15 公務員試験に有利(合格率が高い) 64.9 15 面倒見がよい 50.4 15 受験勉強をしなくても入学できる 56.4
きれいなキャンパス・校舎で勉強できる 64.9

出典:リクルート「進学センサス2011-高校生の進路選択に関する調査」

5.受験勉強時の悩みごと

4割超が苦手科目の克服や成績アップに苦慮

受験勉強時、4割の高校生が「苦手科目を克服できないこと」や「なかなか成績があがらないこと」で悩んでいるという。このほか、「勉強する気がわかない・続かない」といった意欲面、「勉強の仕方がわからない」「どのようなスケジュールで勉強すればよいのかわからない」など勉強方法に関する悩みをもつ高校生も少なくない。

6.進学先検討時に重視したこと

約8割が「学びたい学部・学科・コースがあること」を重視

進学者(浪人含)に志望校を検討する際に重視した項目をたずねたところ、進学先によらずトップは「学びたい学部・学科・コースがあること」で共通している。しかし、2位にあがったのが大学進学者では「校風や雰囲気がよいこと」、短大進学者では「資格取得に有利であること」、専門学校進学者では「就職に有利であること」という具合に、それ以降のランキングには大きな違いが見られる。

●進学先検討時の重視項目(複数回答)/上位15項目

順位大学進学者
(n=7502)
(%)順位短大進学者
(n=700)
(%)順位専門学校進学者
(n=1479)
(%)
1 学びたい学部・学科・コースがあること 75.3 1 学びたい学部・学科・コースがあること 80.4 1 学びたい学部・学科・コースがあること 71.9
2 校風や雰囲気がよいこと 49.0 2 資格取得に有利であること 59.9 2 就職に有利であること 60.1
3 自分の興味や可能性が広げられること 45.7 3 校風や雰囲気がよいこと 56.4 3 資格取得に有利であること 58.1
4 就職に有利であること 44.0 4 就職に有利であること 55.3 4 専門分野を深く学べること 58.0
5 自宅から通えること 40.5 5 自宅から通えること 49.4 5 校風や雰囲気がよいこと 48.9
6 学生生活が楽しめること 37.7 6 自分の興味や可能性が広げられること 47.3 6 自分の興味や可能性が広げられること 45.6
7 資格取得に有利であること 37.0 7 学生生活が楽しめること 41.3 7 自宅から通えること 41.6
8 学習設備や環境が整っていること 34.4 8 教育方針・カリキュラムが魅力的であること 36.3 8 卒業後に社会で活躍できること 40.2
9 偏差値が自分に合っていること 33.6 9 学習設備や環境が整っていること 34.9 9 学習設備や環境が整っていること 38.8
10 将来の選択肢が増えること 32.6 10 卒業後に社会で活躍できること 34.7 10 学生生活が楽しめること 33.6
11 伝統や実績があること 32.0 11 キャンパスがきれいであること 33.7 11 教育方針・カリキュラムが魅力的であること 32.6
12 勉強するのに良い環境であること 30.8 12 専門分野を深く学べること 33.1 12 社会で役立つ力が身につくこと 32.4
13 教育方針・カリキュラムが魅力的であること 30.5 13 将来の選択肢が増えること 29.9 13 交通の便が良いこと 30.0
14 キャンパスがきれいであること 30.0 14 勉強するのに良い環境であること 28.6 14 勉強するのに良い環境であること 27.3
15 卒業後に社会で活躍できること 27.4 15 交通の便が良いこと 28.4 学費が高くないこと 27.3

出典:リクルート「進学センサス2011-高校生の進路選択に関する調査」

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