とれたてデータクリップ

どうなる? 2020年の雇用環境


現在の高校1年生が25歳となる9年後、日本の雇用環境はどうなっているでしょうか。
政府が発表している経済成長率と人口予測値に基づいて予測した雇用状況データから、今後の社会の方向性を探ってみましょう。

1.産業別就業者数の推移

2人に1人が情報・サービス業に従事するように

産業別就業者数の予測によると、20年前は2000万人を超えていた「製造業・建設業」の就業者数が、2020年には半減するかもしれないという。一方、「情報・サービス業」就業者は2010年から2020年までに約270万人増え、2人に1人が従事するようになると予測されている。「情報・サービス業」といっても多岐にわたっており、就業者数が減少する分野もあるが、「医療・福祉」分野は増加が著しい。

2.男女・産業別就業者数の推移

男性が多い製造業は減少、女性が多いサービス業は増加

まず、男性の産業別就業者数の予測データを見ると、「製造業・建設業」の就業者数の減少が目立つ。「製造業・建設業」全体では2010年から2020年にかけて401万人減るが、男性比率の高い産業であるため、男性はその約7割にあたる278万人が減少する見込みだ。一方で「情報・サービス業」は就業者数を増やすが、その伸び幅は同じ10年間で約30万人にとどまる。
また、女性については、「情報・サービス業」の就業者数が10年間で200万人以上増加するという。「情報・サービス業」従事者の男女比は2010年時点でほぼ半々という状況だが、女性比率の高い「医療・福祉」分野が大きく伸びると予測されていることから、男女での違いが生じている。

3.職種別就業者数の推移

専門職・技術職、サービス職が増加、労務職は減少

職種別の就業者数については、これまでも増加傾向にあった「専門職・技術職」「サービス職」が今後も引き続き増えると予測されている。サービス経済化の進展に伴い、情報通信技術者を含む専門職・技術職、サービス職のニーズはいっそう高まりそうだ。一方、減少が目立つのは「労務作業、運輸通信業」で、今後の10年間で300万人以上減るという。

4.完全失業率の推移

完全失業率は過去最悪だった02年を上回る6.6%に

労働力人口は1998年、就業者数は1997年をピークとして減少を続けているが、2010年以降は労働力人口より就業者数の減少カーブが大きくなる見込みだ。それは完全失業率の上昇となって表れ、2020年の完全失業率は6.6%になると予測されている。2%台で推移していた1980年代とは大きな違いがあり、統計が始まって以来、過去最高となった2002年の5.4%をも上回る数字だ。

5.雇用形態別就業者数の推移

正社員比率の低下は緩やかに

雇用者に占める正社員比率は、1990年に初めて8割を切り、2010年には65.6%まで減少。この20年あまりで雇用の多様化が大きく進んだ。今後も「正社員」の数はさらに減少するが、「パート・アルバイト」は横ばいで、「派遣社員」「契約社員・嘱託」はわずかな増加にとどまるため、正社員比率の低下は緩やかになると予測されている。

6.年齢区分別 女性の労働力率

子育て期間の落ち込みは浅くなる方向

女性の労働力率(労働力人口を人口で割った値)を年齢ごとに描いたグラフは「M字カーブ」と呼ばれる。20代半ばと50代前後という2つのピークに挟まれ、30代に子育てのために仕事から離れざるを得ない時期が発生し、グラフにするとM字のような形になるからだ。2020年までに女性の労働力率は20代と50代の2つのピークを含めて上昇するためM字カーブは依然として解消されないものの、カーブの谷は浅くなる傾向が見られる。谷の部分にあたる30~34歳の労働力率に注目すると、2000年からの20年間で14.3ポイントの上昇が見込まれている。

7.関連情報リンク

  • リクルート ワークス研究所 未来予測2020
    • 『2020年の「働く」を展望する 成長期のパラダイムシフト』の予測を実施したワークス研究所の研究活動を紹介
    • http://www.works-i.com/research/2011/

  • リクルート ワークス研究所 2020の人事シナリオ
    • 企業の人事トップとワークス研究所所長・大久保幸夫氏の対談により、人事領域における中長期的な課題を整理し、激動の時代における企業の方向性を探っていく
    • http://www.works-i.com/taidan/index.html

  • 『2020年の「働く」を展望する 成長期のパラダイムシフト』の予測の基礎となったデータ