専門学校トップインタビュー

学校法人鈴木学園 副理事長 鈴木 啓之氏

(2015年6月1日更新)

静岡中東部地区に密着した専門学校だから
卒業生の幸せを「約束」する思いを大切に

7つの分野でプロを育てる

 本学園の創設は、私が生まれる前年、1959年のことでした。当時、花嫁修業の一環としてブームだったクッキングスクールを県内に10教室展開したことが始まりです。そして昭和40年代、外食産業の成長によって食の専門家が社会的に求められたことを受け、1969年に三島調理師専門学校(現・中央歯科衛生士調理製菓専門学校)を開学。その後は1973年に三島市内にしらゆり幼稚園、1980年に静岡市内に静岡調理師専門学校静岡校(現・中央調理製菓専門学校静岡校)、2002年には駿東郡小山町に富士メカニック専門学校、2014年に静岡市駿河区に専門学校中央医療健康大学校と、時代のニーズにこたえてさまざまな学校を開設してきました。そして今日では、調理・製菓・歯科・医療(理学療法・鍼灸健康・柔道整復)・メカニックという7つの分野を備えた学園となり、静岡県東部地区の人々の生活を支える力となっています。これまでの40余年に本学園が社会に送り出したプロの職業人はおよそ7300名を数えます。

「約束」の言葉に込めた思い

 創設以来、本学園が最も大切にしてきたのは、社会で役立つプロのスキルをすべての学生にきちんと身につけさせるということでした。そして全員が一人の社会人として幸せな人生を送ることができるよう、スタートラインに立つための手助けをしたい。そして将来、鈴木学園で学んで良かったと全員に思ってもらえるような学校でありたい。そんな思いを教職員全員で共有するため、10年ほど前に「卒業生の幸せを約束する」という学園全体のスローガンを設けました。

 私たちは、ただ卒業生の幸せを「願う」だけではありません。卒業生の幸せを「約束する」と明言したこのスローガンには、全員で力を合わせて教育に真剣に取り組むという、私たちの強い思いと覚悟が込められています。

 そのために、これまで本学園では徹底した少人数教育と放課後の補習や夏休みなどに行われる特別講習、入学時からの緻密な就職指導を通して、学生一人ひとりが必要な知識・技術を身につけ、正しい社会常識や生活態度を養うことができるよう配慮してきました。例えば歯科衛生士の実習では、指導する先生はもちろんティーチングアシスタントやサポートスタッフにも歯科衛生士を配置。また一人の教員が少人数グループを担当し、学生一人ひとりの個性を重視し、面倒見の良い教育を行ってきました。

 2014年には、中央調理製菓専門学校静岡校の調理経営学科と製菓衛生師科、中央歯科衛生士調理製菓専門学校の調理経営学科と歯科衛生士科が、文部科学省の『職業実践専門課程』の認定を受けました。静岡県内で調理関連学科、製菓関係学科と歯科衛生関連学科で同課程の認定を受けたのは本学のみ。これは長年にわたる本学園の教育への取り組みと、質の高い教育内容が評価されたものと自負しています。

多面的な教育改革に挑む

 その一方、ここ数年、少子化の影響によって専門学校をとりまく状況は大きく変わりつつあります。本学園でも、2018年から日本の18歳人口が減り始める、いわゆる「2018年問題」に対処するために、多面的な教育改革に取り組んでいます。

 なかでも最も重要な取り組みは、一人ひとりの教職員の意識改革です。いわゆる「最新技術」がすぐに陳腐化する現代、教員は常に最先端の技術を敏感にキャッチして学生に伝える一方、普遍的な基礎技術を学生に伝達していくために、国内外の研修への積極的な参加を奨励しています。また彼らの教育スキルを持続的に向上させるため、学内の教員同士が相互評価するシステムも整備中です。今後はこのシステムを学内だけでなく、学園全体で活用できるような仕組みにしていきたいと考えています。

 教育方法そのものに関しても、従来のような「知識伝達」型の教育から、授業の中で学生同士、学生と教員がディスカッションを行い、自分で考えて共有することで理解を深め、自発的に取り組む力を養うアクティブ・ラーニングを積極的に取り入れていきます。現在、アクティブ・ラーニング導入に向けて学内の教職員が宿泊研修を行うなど、本格的な準備が始まりつつあります。

 また近年、学生の地元志向の高まりを受け、本学で学んだ学生が地元地域で活躍できるよう、静岡県東部地区の企業や医療機関などで実践的なテーマに即した実習を行う産学連携教育にも力を入れています。

 さらに2016年4月、中央調理製菓専門学校静岡校が静岡市葵区七間町の静岡市庁舎内に移転することが決定しました。ここは静岡市の中心市街地であり、学生がビジネスを実践的に学んだり、学生生活を楽しんだりする上で最適な環境となるに違いありません。もちろん近隣の商店街にとっても、本学園が刺激となって良い相乗効果が生まれることを期待しています。このように、さまざまな形で地元との教育連携を進めていきます。

 ここで紹介したほかにも、中国・韓国からだけでなく、世界のさまざまな地域からの留学生や、学び直しを望んでいる社会人の受け入れなど、専門教育に対する数多くのニーズにフレキシブルに対応し、静岡東部地区を代表する専門学校となる体制づくりを進めます。

全員で教育改革を目指す

 ここで紹介した、教育改革によって本学が目指す姿を全員で共有するために、また、誰かが迷った時にすぐに立ち返るべき道標となるように、全員で検討を重ね、2015年の春には本学の基本的な理念と行動指針を明文化した「クレド」を作成しました。これもただ作ったという自己満足で終わらせないよう、クレドを活用するための勉強会を定期的に開催するなど、教職員の間での有効活用と理念の定着を図ります。

 そして今後は、職業実践専門課程の認定を取得していない学科でも認定取得できるように教育の充実を図ると同時に、文部科学省が提唱する『専門職大学(仮称)』の取得にも積極的にチャレンジしていきます。そしてこれからも、私たちはいつでも一人ひとりの「学生の幸せ」を実現するという本学園の「約束」を果たすために、全員で力を合わせて取り組んでいこうと考えています。


鈴木啓之氏


【Profile】

鈴木啓之(すずき・ひろゆき)氏
1960年2月生まれ。静岡県立沼津東高校、同志社大学法学部、服部栄養専門学校栄養士科卒。1984年、学校法人鈴木学園に就職。1988年、中央歯科衛生士調理製菓専門学校(三島校)副校長に就任。2004年、同学園副理事長に就任。2008年、中央歯科衛生士調理製菓専門学校(三島校)校長に就任。




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