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【特別編】実録!授業Report 「なぜ働くか?」を考える特別授業 /Vol.414 2016.10

キャリアガイダンスVol.414 P38〜39でご紹介した立命館宇治高校の特別授業について、誌面では掲載しきれなかった授業の詳細をご紹介します。
※スマートフォンでご覧いただく場合は、【授業の流れ】【ねらい】が別表示されますので、合わせて確認されたい場合はPC環境でご覧ください。

1時間目:大人たちの働く理由を考える

【授業の流れ】

①ワークシートの問いに答える(1回目)

今日の授業の目標を伝える。その後に、ワークシートに書かれた下記の問いについて考えて、ディスカッション。

◆授業の目標
1)働くことの魅力に気づき、自分はこのように働きたいという思いを持つ。
2)働くことは価値の提供ということに気づき、自分が提供できる(したい)価値を考える。(自分ごとにする)
3)働くことは生きることということから、目の前の学校生活で頑張れることに気づく。(目標を持つ)


◆ワークシートの問い
何のために働きますか? 
どんな職につきたくて、(またはどのように働きたくて)、その仕事で何がしたいですか?
それは何のためですか?


②大人の働く理由を考える

大人が働く理由のアンケート結果を提示し、順位について考える。(1位:家族を支えるため、2位:経済的自立)

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③働く大人の事例から考える

航空会社の3つの現場(パイロット、キャビンアテンダント、整備)の働く大人の事例をスライドで紹介。この人たちが、「何をしているか、なぜそうしているか?」を考えさせる。

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上記の航空会社での勉強会の風景を見せ、何をしているか考えさせる。

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※③の教材は、立命館大学稲盛経営哲学研究センターと日本航空株式会社の協力による。

④エジプトの労働者の話から仕事の意義を考える

以下の、エジプトの労働者に仕事について尋ねた話から気づいたことをワークシートに記入。

同じ仕事をしている4人の労働者に「何をしているか」尋ねた。
●疲れきった労働者(答えなし)
●元気な労働者「ピラミッドを建てている」
●もっと元気な労働者「尊敬するファラオの墓を建てている」
●さらに元気な労働者「エジプトの歴史を創っている」

働く意味には「生活+α」があることを説明し、「+α」を考えることを伝える。


⑤大人の働く思いを考える

「好きなことを仕事にしている人」「働きたくない人」「何事も続かなかったが、あるきっかけで仕事に意欲を持った人」という、3人の大人の例を見る。

【好きなことを仕事にしている人の例】
●プロ野球の黒田投手(広島カープ)の野球人生⇒黒田投手の働く理由や、気づいたこと、感想を考える。

【働きたくない人の例】
●『「働きたくない」というあなたへ』(山田ズーニー著)から「働きたくない」人の意見を引用⇒どう思うかを考える。

【あるきっかけで仕事に意欲を持った人の例】
●レジうちの女性の事例映像(https://www.youtube.com/watch?v=2M08p9leBio)⇒感想や気づき、この人がなぜ変わったかを考える。

⑥身近な大人の働く思いを考える

授業を担当する教員自身の仕事に対する思いを語る。


⑦ワークシートの問いに答える(2回目)

①と同じ問いに対してもう一度考える。

◆ワークシートの問い
何のために働きますか? 
どんな職につきたくて、(またはどのように働きたくて)、その仕事で何がしたいですか?
それは何のためですか?

 

【ねらい】


まっさらな状態で「働くこと」について考えを書き留める。授業後の気づきとの比較対象となる。
*ここではあまり書けなくても良い。









 

大人が働く理由の1位が「家族を支える」であることから、お金以外の理由で働く大人が多数いることを知る。
また、「宝くじに当たっても仕事を辞めない人が半数いる」アンケート結果も提示して、お金がたくさんあっても働きたい理由を考えさせる。

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働くことの具体を知り、これまでの"働く"イメージが変わる。社会人になっても学び、考えることの重要性を再認識する。






同じ仕事でも、自分のやっていることの意味や意義を知ることで、仕事に対する意欲が変わってくることや、その大切さを認識。

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働くことに対する大人の思いもさまざまで、それぞれの背景や理由を想像させる。








身近な先生も、実は「働く人」であることを気づかせ、視点をひろげる。



授業の最初に書いた答えとどう変化があるか、自ら意識する。

2時間目:「働く意味」を自分ごとにする

【授業の流れ】

①1時間目の振り返り

隣の生徒とペアになって、1時間目の気づきをシェア。
2時間目のテーマ「自分ごとにする」ことを伝える。








②4人の大人の仕事への思いについて、共感するものを選ぶ

4人の大人の仕事への思い(以下のA〜D)について、共感できるものをひとつ選び、理由をワークシートに記入。

●A 「日本一のパパになる」
●B 「超つらいけど超楽しい」
●C 「仕事をしながら専門性を磨き、価値を高める。仕事を通して社会を変える」
●D 「仕事って自分を表現するもの」








③同じ選択肢を分担した仲間とグループになってディスカッション

ジグソー法で内容を深める。②のA〜D の中で内容を深める分担を決め、同じ担当同士でグループに分かれ、詳しい資料を読み込んで各内容について意見交換する。

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※A〜Dの資料の参考文献
A:『仕事が夢と感動であふれる5つの物語』(福島正伸著)
B:「専業主婦から1万人を束ねるブックオフ社長へ」(リクナビNEXTジャーナル)http://next.rikunabi.com/journal/entry/20150714
C:NPO法人フローレンス代表理事 駒崎弘樹氏の資料
D:『プロ論。』日比野克彦氏部分(B-ing編集部)





④元のグループに戻って、自分が担当した選択肢についてプレゼンする

③で同じ選択肢同士で共有した内容をもとに、元のグループの他の仲間に、それぞれの担当選択肢の魅力を語る。


⑤再度選択肢を選ぶ

友だちの意見を聞いて②と変わったか確認する。


⑥働く意味のタネを学校生活の中に見出す

「働く意味=生活+α」を改めて解説し、+αのタネは今日のみんなの中にあることを伝える。 学校生活の中の6つの局面から、自分のやりたいこと、できることを選んで理由をワークシートに記入。

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生徒に考えさせた後で、+αのタネと将来の仕事のつながりを説明。

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⑦先生からまとめの説明を聞いて、ワークシートの問いに答える(3回目)

働くことと学校生活のつながりについて先生から説明。1時間目の①⑦と同じ問いに対して最後にまた考える。


【ねらい】


仲間の考えを聞いて、多様な考えがあることに気づく。




多様にある仕事に対する思いに触れて、自分の志向性を顕在化させる。


生徒たちが選んだもの
A ⇒ 3人
B ⇒ 19人
C ⇒ 2人
D ⇒ 2人



複数人で同じ資料を読みこみ言語化し合うことで、複眼的な見方や論理的な考え方が深まる。元の班に戻ったときに、共感者を増やせるようにポイントを考えさせる。






自分が担当した選択肢がなぜ魅力があるのかを仲間に対して説明することで、仕事に対する自分の考えが浮き彫りになってくる。










人の価値観に触れて、自分の考えをより深める。

生徒たちが選んだもの
A⇒8人
B⇒3人
C⇒4人
D⇒6人





ここまでは未来のことを考えてきたが、「働くこと」は、実は目の前の現実=学校生活とつながっていることを意識させる。
















他者の事実や意見を聞きながら、同じ問いに何度も答えることで、深めた考えをまとめていく。

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ダウンロード可立命館宇治高校 特別授業 指導案( word DL 0.1MB)

ダウンロード可立命館宇治高校 特別授業 ワークシート( word DL 0.1MB)




取材・文/長島佳子、撮影/平野 愛