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東北福祉大学 大谷哲夫 学長

(2017年2月6日更新)

『行学一如』を実践できる場として
国際社会、地域社会の発展に貢献できる人材育成を目指す

時代の変化に合わせた、建学の精神・教育理念に基づく能動的変革

 本学は『行学一如』を建学の精神に掲げ、その教育理念は「自利・利他円満」の哲学を基調とし、人間力、社会力をもつ人材を輩出しています。それは、本学が目指すところの「人間は凡て生かされつつ、生かしつつ」を信条とし、「それぞれの人間のもてる力を出し合い、互いに支え合いながら生き甲斐を感ぜられるような社会」を実現することであり、人類の幸福の追求と国際社会並びに地域社会の発展に貢献できる人材育成を目的としています。
 その建学の精神、教育理念の基、現在の4学部9学科2研究科に至る約半世紀の間、社会の急速な構造変化を背景に、福祉の世界は激動の時代にあって、「福祉」という概念自体、変化と幾度にもわたる制度の根幹にかかわる改変がなされてきました。特に学部・学科の増設および実践の提供と社会貢献は、本学の掲げる使命を常に未来へ向けて具現化し、新たな任務を自らに課すという、時代変化への能動的な対応だと考えています。

実践の場の提供と社会貢献

 学生には建学の精神を体得しうる実践の場を提供し、一方では21世紀の新しい社会福祉学の創出を模索しつつ、時代が求める「開かれた大学」「地域社会に密着し、共に歩む大学」を実現するために、その一環として1996年に大学所有地内に関連社会福祉法人 東北福祉会を、また、2000年には、同じく関連の医療法人社団 東北福祉会を設立し、これら経営にかかる老人福祉施設5カ所の他、認知症介護研究・研修仙台センター、児童福祉施設などを開設しました。さらに、2003年には、本学が標榜する「予防福祉・健康増進の拠点」としてウェルコム21を竣工し、多角的福祉関連事業を展開。2008年には多様化する現代社会において大きな課題となっている「こころのケア」に対し、大学のもつ各種の福祉研究の成果を生かし保健や福祉と融合した医療の提供をできる東北福祉大学 せんだんホスピタルを開業しています。
 新世紀が求める福祉の理想像、すなわち、人間のもつ可能性をさらに深く探求しつつ、従来の「モノやカネ、あるいは施設や行政に偏りがちであった社会福祉」を変革し、社会のシステムがどのように複雑化しようとも、人間一人ひとりが生きがいと自立を見出し、一層の「生活の質(QOL)を高め合う社会が実現できるように」との願いから1998年、文部科学省が進める学術フロンティア推進事業の拠点校としての指定を受け感性福祉研究所を設置し、生命科学、環境、心理、福祉、感性情報、学術情報の6部門にわたり「生命科学を基礎とする感性と環境の相互作用に関する学術研究」を推進し、その成果を全世界に向けて発信、福祉の増進に役立てようと試みています。

ボランティア活動とスポーツ

 本学は、「福祉の対象は人間である。従って社会福祉事業に携わらんとする者はもちろんのこと、社会のあらゆる分野で活躍せんとする者は、簡単に、学業のみを積み重ねるだけでなく、他人との関わりを大切にし、他人と協力し合う気質を養うことが肝要である」との認識をもち、その方策の大きな柱として、文化活動をはじめとするボランティア活動やスポーツなどの振興についても全学挙げて取り組んでいます。特にボランティア活動においては、学内サークルだけでも67団体、所属人数3200名余りが活動しており、子どもや障がいのある方、高齢者や国際、環境とジャンルも多岐にわたっています。また、野球部やゴルフ部などの体育会や吹奏楽部、混声合唱団などの文化会もボランティア活動をしています。
 災害時における災害復旧支援ボランティア活動も各地で実践しています。先の東日本大震災後に発足した、災害復興支援ボランティアには延べ約6000名が参加しており、その活動は現在も継続しています。

学生が身心ともに成長できる、様々な機会を創出

 今、私たちが生きている現代社会は、地球規模での協調と共生が叫ばれる一方で、国際紛争の熾烈化が進み、国内的には少子高齢化、経済の停滞と雇用状況の激変等、我々がかつて経験したことのない事態が到来しており、時代の先行きは不透明です。そのような時代のなかにおける本学の教育とは、「他を生かし、自らが生きる」ことであり、自らの「利福」は同時に他人の「利福」である―とする「自利・利他円満」。自他は不可分にして一体であるとする、グローバルな世界観・人生観に由来しています。このような世界観は現代社会に見られるようなエゴイズムや闘争のための闘争ではなく、人間の真なる幸福の実現を目指すエネルギーへと転換するものだと考えます。
 学生の皆さんには、ぜひ本学で建学の精神を基に、豊かな人間関係を通して未来を先取りし、強い精神力と行動力を身に付けていただきたい。本学はそのような未来を生きようとし、実現に目を向ける学生にとって絶好の学び舎であると自負しています。
 その理由として、
1/実学臨床教育、附属病院・関連福祉施設での実習を通し『行学一如』(理論と実践の融合)を体験する。
2/福祉実習、関連保育所・幼稚園での実習、子ども支援プロジェクトなどを通じて、子どもや支援が必要な人に触れる。
3/福祉実習、認知症サポーター養成講座などで超高齢社会に触れる。
4/地域共創実学教育、ボランティア活動を通じて、地方・地域に生きる人に触れる。
5/学生防災士養成研修講座や社会貢献活動支援士との活動を体験し、防災・減災を学ぶ。
6/インターンシップや奉仕団体レオクラブで活動することにより、企業に触れる。
7/朴木山校地内の自然環境フィールドを生かした活動を通じて、自然に学ぶ。
8/体育会、文化会、芹沢銈介美術工芸館、けやきホールなど様々な文化教育で、スポーツ・芸術・音楽に触れる。
9/ゼミやクラブ、サークル活動で、仲間と学ぶ。
10/留学経験や、留学生との交流、海外インターンシップで、世界に飛び出す。
 学生の皆さんが成長できる様々な機会(メニュー)が本学には揃っています。成長の鍵のひとつは「感動」でありますが、その場面は個々によって様々です。本学では、今までにない体験ができる機会を、自由に選択でき、それをサポートする体制も整っています。その機会に臆することなく、果敢にチャレンジしてほしいと切に願います。



大谷哲夫氏

【Profile】

大谷哲夫(おおたに・てつお)氏
1939年東京都新宿区生まれ、1963年早稲田大学第一文学部哲学科東洋哲学卒業、1965年早稲田大学大学院文学研究科東洋哲学専攻修了、1969年駒澤大学大学院人文研博士課程仏教学専攻満期退学、1988年駒澤大学仏教学部教授、1998年駒澤大学副学長就任、2002年駒澤大学学長第29代就任、2006年学校法人駒澤大学総長第28代就任、2012年國際(日中)禅文化交流協会会長就任、北京大学客員教授、2013年都留文科大学理事長就任、曹洞宗総合研究センター所長就任を経て、2015年12月東北福祉大学学長第7代就任
著書に『祖山本 永平広録 考注集成』(全2巻・一穂社)、『道元禅師 おりおりの法話』(曹洞宗宗務庁)、『永平の風 道元の生涯』(文芸社)、『道元 読み解き事典』(柏書房)など。『永平の風 道元の生涯』を原作とした映画『禅 ZEN』では製作総指揮も務めた。

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