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大阪自動車整備専門学校 岡﨑顯誠 校長

(2017年3月17日更新)

非メーカー系の強みを活かし、
自動車整備士として、幅広い進路の可能性を提供

仏教精神に基づき「知識・技術・徳育」に取り組む

 本校の母体である学校法人岡崎学園は、1946(昭和21)年創立の財団法人コンドル洋裁女学校に始まります。創立者で前理事長の故・岡﨑顯道氏は仏教者(浄土宗)で、戦災によって寺を消失しました。寺の復興に取り組むと共に、周囲も一面焼け野原でしたから、地域の復興も考えなければなりませんでした。宗教法人としてどんな貢献ができるのか—検討した結果、当時有望な分野だった洋裁学校を設立することになりました。地域の戦争未亡人に洋裁を教えることで、自立の支援を図ったのです。洋裁学校は非常に人気が高く、出願時には行列ができたと聞いています。ところが昭和50年代には洋裁の需要が衰退し、方向転換の必要に迫られました。そこで中卒者を対象とする男女共学の高等専修学校を設置するなどの改革に着手。その一環として、今後は自動車産業が発展し、整備士が必要になるという前理事長の判断のもと、1999(平成11)年に大阪自動車整備専門学校(OAC)を設立しました。本学園は昨年創立70周年を迎えましたが、時代のニーズに沿って学校の形態を変革しながらの歩みでした。現在は、本校と東朋高等専修学校の2分野にわたる学校を運営しています。

 建学の精神は、仏・法・僧(明るく、正しく、仲良く)の三宝を敬い、「知識・技術・徳育」の三訓を校訓として、社会に貢献できる人材を育成することです。この三訓を本校に置き換えますと、学科・実習・マナー教育ということになります。

オープンキャンパスでも非メーカー系ならではのイベントを開催

 自動車整備専門学校の中でも本校は非メーカー系の学校です。メーカー系の専門学校は、広大な校舎などよい環境を整えて素晴らしい教育をされていると思います。一方、本校のような非メーカー系の専門学校にもすぐれた点がたくさんあります。まず進路の多様さ。メーカーに縛られることなく、一人ひとりの性格を重視した教育を展開しながら、担任も就職担当者も本人の希望と適性に考慮した就職先を見いだすことができます。教員には様々なメーカーやディーラー出身の経験豊富なプロを揃え、二輪・四輪すべてのメーカーに対応できる実践力を養う授業を行っています。実習でもメーカー系と異なり、幅広く各社から実習車を教材として提供いただいております。各社とも本校でセミナーを開いて最新の車両構造を解説してくださる機会もあり、そこで学生たちは進路意識を高めています。

 そうした非メーカー系の強みを周知するため、今年からオープンキャンパスで様々なメーカーのディーラーとコラボレーションする新しい企画を盛り込みます。「OAC×マツダ」「OAC×スズキ」「OAC×ダイハツ」「OAC×スバル」「OAC×トヨタ」など、これまでの学校説明と体験学習に加え、各社オリジナルのイベントを本校で開催するという企画です。例えばそのメーカーに就職した本校の卒業生が来校して整備デモを行ったり、現役のエンジニアと一緒にタイヤ交換をしたり。また、外車に触れる機会もあり、八光自動車工業株式会社がマクラーレンやアバルトを使用し、イベントを開催してくださいます。こうしたオープンキャンパスが開催できるのは、本校ならではだと思います。非メーカー系の特色を理解していただくことで、進学のその先を見据えた学校選びの参考にしてほしいと考えています。

教員だけではなく職員も学生をサポートする「担任制・担当制」

 本校の一貫したモットーは、学生一人ひとりに対する温かみのある教育です。担任制を導入し、35名ずつの小クラスに編成。担任は、例えば欠席した学生には電話でフォローをするほか、保護者との連携、生活指導など、非常にきめ細やかな関わりを行っています。「徳育」という教育方針からマナー教育にも取り組んできました。いま整備士は車両だけを相手にしていればいいという時代ではなく、お客さんに説明できなければなりません。本校ではマナー教育のための教員も配置するなど、挨拶、マナーを徹底させています。その成果として、就職先からはマナー教育がよくできているという評価をいただいています。

 担任制に加えて、担当制があることも本校の特徴です。これは広報の職員で、訪問させていただいた高校出身者の担当となる制度です。広報の職員は高校訪問時に、先生方からそれぞれの生徒さんの特性をお聞きするとともに、オープンキャンパスでも個別に面談し情報を収集。一例をあげますと、この学生は朝が弱いので気をつけてフォローするといったことです。それを入学後、各担任へと引き継ぎます。ほかにも担当者は休み時間に声をかけたり、テストの成績に気を配ったりなど何かと目をかけ、一人の学生に対して教職員が一体となって支援する体制を築いています。

女性自動車整備士の育成にも実績

 いま女子および留学生の入学者が少しずつ増えてきています。自動車整備士は、女性のきめ細やかさや手先の器用さが生きる仕事として、非常に人材ニーズが高いのです。学生を見ていても女子のほうが愛車精神が強い傾向があり、実習後に好きなメーカーの実習車を磨いている姿をよく目にします。

 女性のキャリアという観点からも、国家資格である自動車整備士は有望な仕事です。トヨタに就職した学生の例ですが、整備士として就職した後、結婚後はキャリアアップしてフロントへ回りました。このようにキャリアアップしていけるので将来像が描きやすいのです。今後も女性自動車整備士の育成についても、本校の強みとして手がけていきたいと思います。

技術が進化しても自動車の本質は変わらない

 自動車をめぐる技術は、日々めまぐるしく進歩しています。自動運転の可能性が現実味を帯びてきて、燃料も電気、水素、太陽光、バイオ、天然ガスなど環境にやさしいものが開発されています。しかし、自動車の基本的な構造は変わりません。技術の進展に合わせた実習の導入や、国家試験の内容が変化するならそれに応じた対応は当然していきますが、技術が進化しても自動車整備士の果たす本質的な役割は変わらないと考えています。これからも非メーカー系の強みを活かし、高い技術と愛車精神をもったエンジニアの育成に力を注いでいきたいと思います。





岡﨑顯誠氏



【Profile】

岡﨑顯誠(おかざき・けんじょう)氏
1947(昭和22)年大阪生まれ。関西大学卒業後、学校法人岡崎学園に奉職。法人事務長を経て2002(平成14)年より現職。学園理事も兼務。宗教法人顕祥寺 別院本伝寺 住職。学校法人岡崎学園創立者故・岡﨑顯道氏の次男。


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