進路指導ケーススタディ

クラスになじめない様子の生徒の場合/回答のご紹介

キャリアガイダンスVol.417(2017年5月発行号)より、
『校内研修で使える 誌上進路指導ケーススタディ 「この生徒とどう向き合う?」 』の連載を始めました。
先生方の回答を募集したところ、生徒さんへ日頃どのようなお考えでどう接していらっしゃるかがにじむご回答をたくさんお寄せいただきました。
このページでは、本誌でご紹介しきれなかった先生方のご意見、対応方法からさらに一部を掲載させていただきます。
本誌と合わせて、日頃の生徒さんとの会話や校内研修などに、是非お役立てください。

5月発行号のテーマ:クラスになじめない生徒の場合

4月下旬の面談週間。気になった生徒がいたので呼び出し面談を行った。

<やりとり>
教師:最近、少し元気がないね。どうしたの? 何か心配ごとがあるのかな?
生徒:ん~、そうですか? 元気なさそうですか?
教師:そうだね。少し心配していたんだけど。
生徒:はあ、なんか、クラスの雰囲気になじめないっていうか・・・。
教師:なじめない感じがあるんだ。その感じ、もう少し教えてくれる?
生徒:みんなそれぞれのグループっていうか、そんなものがあって入りづらいって感じで。
教師:なんでだろうね?
生徒:・・・・・・・。


教師:最近、少し元気がないね。どうしたの? 何か心配ごとがあるのかな?
 (→「いつもと雰囲気が違うように感じるんだけど」と問います。「元気がない」は決めつけ、こちらの判断、と考えます)
生徒:ん~、そうですか? 元気なさそうですか?
教師:そうだね。少し心配していたんだけど。
生徒:はあ、なんか、クラスの雰囲気になじめないっていうか・・・。
教師:なじめない感じがあるんだ。その感じ、もう少し教えてくれる?
生徒:みんなそれぞれのグループっていうか、そんなものがあって入りづらいって感じで。
教師:なんでだろうね?
 (→「もう少し詳しく教えて」「あって欲しい姿は」、とチャンクダウン(詳細に 聞き)し、現実と理想のギャップを聞きます)
生徒:・・・・・・・。
 (「解決策」も大事ですが、その生徒の「気持ち」にコミットしたいと考えます。 そうすると、人は勝手に動き出します)
 教師:現実と理想にギャップがあるのかな。 どんな気持ちになるの。
生徒:モヤモヤというか、イライラというか。
教師:そうかぁ。 そのモヤモヤをしっかりと感じてみようか。 目を閉じてもいいよ。
生徒:…感じています。
教師:じっくりとね。
生徒:はい。
教師:どんな自分がいる?
生徒:何もできない自分がいます。 逃げ出したいです。
教師:そうかぁ、逃げ出さずに頑張ってきたんだね。 そんな自分が大事にしたいものは何だろう?
生徒:クラスが一つになること、だと思います。
教師:それは、○○にとってどんな意味があるの?
生徒:充実した高校生活。これからの自分の生き方にもプラスになる。
教師:そのためにできることは?
生徒:友達に相談をして、なんかみんなでやってみる。
教師:その時にキーになるものがあるとしたら、何?
生徒:気持ちをみんなに伝えること。
教師:そうかぁ。私も何だかワクワクしてきたなぁ。
生徒:まずは、△△と相談してみます。
教師:よし、私も○○たちのことを応援してるよ。また何かあったら、来いよ。
生徒:はい、分かりました。ありがとうございました。
「気持ち」にコミット、現実と理想のギャップから導く「解決策」、「フォロー」です。

 (三重県・石田正寿先生)

新入生を想定したケースあるいは進級しクラス替え等が行われた場合かと思います。まず、教師が心配に思っていることを率直に生徒に伝えるというのは、生徒からすれば気にかけてもらっているという信号を受け取る形になります。逆効果の場合もあり得ますが、本当に思い悩んでいる場合は呼び出した面談に応じない場合もあるでしょう。この場合は今回よりも赤信号かと考えます。まず、ポイントとしてこの面談を機に関係を作ること。そして、定期的に話を聞くよという優しいシグナルを贈るのも良いでしょう。最後の問いに………とありますが、無理に回答を引き出さないのも要となります。
次回の面談日程を約束し、レールに乗ってくれて来た頃相を見計らって相談室(各学校にあれば)へつなぐことも選択肢に入れます。
以上のように関係を築くきっかけとなる場合が多い面談。定期的に行うことこそ自殺予防や何か事件の抑止となることでしょう。

 (愛知県・匿名)

ケース1  新入生の場合
その生徒の中学時代の事情を鑑ての指導となりますね。中学時代、不登校あるいは不登校傾向にあった生徒とそうでない生徒との対応は当然違ってきます。不登校傾向にあった子にはカウンセリング等を積極的に行いながら、焦らず(焦らせず)に指導することを心掛けます。
そのような傾向のない子にはホームルームにおいて様々な子と触れあえるような工夫や早めに席替えをするなどの対応をしたいと考えています。
ケース2  2,3年生でクラス替えとなった場合
前年度の状況をクラス担任などからリサーチした上で、前年度のクラスメイトへの働きかけや上記同様に席替えやホームルームでの工夫を試みます。
ただし、不登校傾向を示していた(示している)生徒には焦らず(焦らせず)に指導することを心掛けます。

 (宮城県・及川俊浩先生)

たぶん、なんでだろうねと考えさせないで、そうか、それぞれのグループができているって思ったんだね、それで、入りづらかったんだ。
と聞いたまま、繰り返し、気持ちのどこで引っかかっていたのかを、言語化させて、小さくてもできている事をできているんだね、頑張ってたんだね、とクラスの中に入れることをほめる
こちらから心配しているを連発すると
→ 心配させないように、頑張りすぎる。自分だけがそう見られたくないとさける。
→ 人恋しい、関わってもらいたいと思うと、無意識にそのまま高校生同士のグループの中に入ることをせずに、教師側に1人なのでとそのままできない自分を演じる可能性があるので。
心配していたんだと言ったとしても、そのあとで本人の気持ちを聞いて、「ああ、安心した。話してくれてありがとう(聞いてよかったではない)。」そのあとで、小さくても本人ができている事、得意なことなどをほめて、終わる。というのがいいかもしれません。

 (宮城県・匿名)

いかがでしたでしょうか。 この連載では読者の先生方のご回答と、実際のお悩み例をとりあげていきます。実際に先生がお困りになられた生徒さんのケースをお寄せいただければ幸いです。自由にお書きください。

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