キャリアガイダンス vol.423 2018.7

生徒の振り返りと
教師の対話で活きるポートフォリオ

学習者中心の評価とポートフォリオの役割/「キャリア・パスポート」が描く生徒の未来/ポートフォリオ活用実践事例/キャリア・カウンセリング実践事例/生徒の主体性を育む日常での会話がカウンセリング/学校と教師はポートフォリオをどうとらえ活用していけばよいか

編集長が語る 特集の見どころ

 「学習記録をポートフォリオにどう残していけばよいか」「うちはAO受験の生徒が多いから、ポートフォリオに早く取り組みたい」「校内のインフラが乏しいため、eポートフォリオは実践ハードルが高い」など、今、関心の高まりを見せている「ポートフォリオ」。ペーパーテストの結果にとどまらない、多面的・多角的な評価への一歩だと思います。しかしながら、これらの声のなかには、新しい入学者選抜に向けて、その対策を不安視する先生方の気持ちが重なって見えてくることもあります。「ポートフォリオ」の果たす役割とは何でしょうか。〝誰のため〞の、〝何のため〞のポートフォリオなのでしょうか。

 「一人一人の学びの多様性に応じて、学習の過程における形成的な評価を行い、子供たちの資質・能力がどのように伸びているかを、例えば、日々の記録やポートフォリオなどを通じて、子供たち自身が把握できるようにしていく」
 これは今年3月に告示された新学習指導要領、その指針となる中央教育審議会答申(平成28年12月)の記述の一部です。生徒自身が日々の学習活動を振り返りながら、次の学びにつないでいくことの大切さが綴られています。
 さらには「学びのプロセスを記述し振り返ることができるポートフォリオ的な教材(「キャリア・パスポート(仮称)」)を作成することが求められる。(中略)主体的な学びに向かう力を育て、自己のキャリア形成に生かすために活用できる」と綴られています。この「キャリア・パスポート(仮称)」にはどのような思いが込められているのでしょうか。
 主体的・対話的で深い学びへ。先生方の熱心な取り組みにより〝豊かな授業〞は今では多くの教室で実践されています。だからこそ、評価も豊かであることが求められているのではないでしょうか。生徒一人ひとりが、自分のよさや可能性に気づき、すべての学びをつなぎ、ストーリーを描いていく。自身のキャリア、自己の在り方生き方を展望していけるように。願いを込めた本特集が、少しでも先生方の取り組みのお役に立てば幸いです。
山下 真司(本誌 編集長)





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