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山陽学園大学・山陽学園短期大学 学長 齊藤育子氏

“働くこと”と“学ぶこと”をつなぎ
人に必要とされる人材を育成

“出会い”を通して自らを知り『愛と奉仕』を体現する人材に
 山陽学園大学・山陽学園短期大学を擁する「学校法人 山陽学園」は、女子教育を求める祈りのなか、岡山基督教会に集う人々の熱意と献身によって1886年(明治19年)に設立された「山陽英和女学校」を淵源としています。その教育理念である『愛と奉仕』は、世代を超えて受け継がれ、2020年に創立134周年を迎えました。
 今日では、幼稚園・中学校・高等学校・短期大学・大学・助産学専攻科・大学院から成る総合学園として『愛と奉仕』を体現する人材を輩出しています。
 学長として大切にしているのは“人と人の出会い”です。
 教育の基礎を築いた上代淑(かじろ・よし)先生は、国内外の秀でた人々との交流を通じて自身の生き方、在り方を知り、人間性を高めることで愛と奉仕の実践者となりました。“出会い”は偶然の産物かもしれません。しかし、それを自身の意志で選び、関わりを維持することで、真なる「人格的な関わり」は成立するものです。私たちは、学生をはじめ教職員それぞれの「人格的出会い」を大切にすることを教育における指針としています。それは、実習やインターンシップなど、地域の皆様との関わりを通じた学びを重視していることに特に色濃く、本学の特徴として表れています。
 実習・インターンシップ先は幼稚園・保育園をはじめ、老人保健施設や福祉施設、病院やケアセンター、企業・団体など多岐にわたり、地域のさまざまな人々の協力を得ることで、多くの実践機会の創出を実現しています。特に、地域マネジメント学部(山陽学園大学)においては「地域マネジメント実習」として、3年次の前期をそのままインターンシップ期間に充て、約300時間という長期にわたり実習に取り組みます。
 学生たちは実習・インターンシップを通して、働く現場と学びをつなぎ“自分に何が足りないのか”を理解します。そして、足りない部分を補うために必要な知識・技能を身に付け、理論と実践を融合させながら、“働く”という最終目標に向けて学びをさらに深めるのです。
 しかし、実習・インターンシップの本質とは、学生たちが“人間としての出会い”を経験し、出会った方々が「どんな姿勢で、それぞれの仕事に臨んでいるか」そして「何を目的に生きているのか」を知る。そうした“人間としての新しい価値観との出会い”を果たすことにあるのではないでしょうか。
 こうした人間的成長の機会の創出を目的に、本学では毎週水曜日の3時限終了後は授業を設けず、部活動やボランティア、また将来に備えて、学生が自由に使える時間として設定しています。これもまた本学の大きな特徴の一つであると考えます。

“学ぶ”と“働く”をさらに有機的につなぐ「3年コース」の創設
 山陽学園短期大学では、2020年4月より既存2学科に新たに「3年コース」を設置しています。
 通常2年間のカリキュラムを、ゆとりをもって3年間かけて学び、専門職としての知識・技能を修得します。健康栄養学科では希望者は課外に受ける支援によりダブルライセンス(栄養士と調理師国家資格あるいは製菓衛生士国家資格)の取得を目指すことも可能で、将来の活躍の幅を拡げることができます。
 また、こども育成学科では附属幼稚園や協力保育所などで「保育補助」として、学びに役立つアルバイトやボランティアを行うためのサポートも行っています。
 授業で学んだ理論や実技を、現場での実践を通して身に付ける―“学ぶ”と“働く”がつながることで、専門分野への理解が深まるとともに将来に向けての大きな糧となることでしょう。
 同様の考え方で、山陽学園大学においてもPBL(課題解決)型の取組を行っています。岡山県内のさまざまな企業で、管理職を務める方々を講師として招聘し、学生とディスカッションを実施。早期より職業理解を深め、自身の目指す業界や職種を見極めることは、プロフェッショナルとして生涯勤め続けられる場所を見つけることにつながるのではないかと考えています。

教員・職員が「教育共同体」として一つになる学校運営
 学校運営において、教員と職員はまさに「車の両輪」です。私たちは「教職協働」を方針として、みんなが一体となって取り組んでいます。日々の会議や幹部会、委員会には、教員と職員をバランスよく起用し、機会を設けて学友会との意見交換も行っています。
学生の育成について、自分の仕事がどのように関わっているのかを一人ひとりが理解し、教員・職員が一体となって教育のための共同体をつくるということが大事だと考えています。
 小規模大学であることは時に困難を伴いますが、しかし人同士の距離が近くアットホームで、何かあれば互いに助け合える環境は、教員・職員の意志統一を図るとともに、学生たちが自ら考え、行動する人間性を育むにはとても良い環境です。
 一つの例を挙げますと、オープンキャンパスで最後、参加者を乗せたバスが本学を出発するとき、私たちは教職員・学生スタッフ全員で揃って、感謝の気持ちをもってお見送りをしています。
 これは、あらかじめプログラムなどで決められたものではありません。
 ある日、その場にいた一人がお見送りをしたところ、共感した者が一人増え、二人増え…やがて現在のように全員でお見送りをするようになりました。
 教職一体となって、学生たちと常に心を通わせながら学校運営を行える、ちょうど良い規模感であると自負しています。また、小規模大学であるからこそできることを今後も増やし、教育共同体として確固たるものにしていきたいと考えています。

「ここに来てよかった」と思える大学・短期大学に
 「知る」ということは、とても大切です。
 すべての高校生が、入学したときに「ここに来てよかった」と思える進路選びをしてほしいと私たちは考えています。そのためにも、ぜひオープンキャンパスや学校見学など、さまざまな形で本学のことを知っていただきたいのです。
 ニーズを頂ければ、本学からも出前講義をはじめ、専門分野の学びを体験できるプログラムを準備して、高等学校へお伺いしたいと考えています。
 教育方針や学習内容、学校の雰囲気などを互いに知り合い、コミュニケーションをとりたいですね。「話をする」ということは、相手を知る第一歩。それは人も学校も変わらないと思います。ぜひ、オープンキャンパスにお越しください。
 本学は、学生にとってより良い環境を目指し努力し続けます。


齊藤育子氏

【Profile】

齊藤育子(さいとう・いくこ)氏

京都府出身。専門は教育学、教育人間学、キリスト教教育。甲南女子大学文学部を卒業後、同大学院文学研究科・教育学専攻博士後期課程単位取得後、満期退学。神戸女子大学大学院文学研究科・教育学専攻博士後期課程修了。博士(教育学)。山梨英和短期大学、西南女学院大学等で教鞭を執る。2008年より学校法人山陽学園理事、2016年より山陽学園大学・山陽学園短期大学学長、2019年より山陽学園短期大学附属幼稚園園長に就任。現在に至る。日本教育学会、日本キリスト教教育学会、日本保育学会に所属。

【山陽学園大学の情報(スタディサプリ進路)】

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