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編集長コラム

大学で次世代リーダーを養成する「学内志塾」が続々創設


 1月10日に、リクルートの各事業領域の編集長が、今年のトレンドを予測する「トレンド発表会」が開催されました。進学領域が発表したキーワードは

『学内志塾』~次世代リーダーは私塾で自分を磨く~

です。

 幕末から明治維新の混乱期、社会を変革するリーダーを輩出してきたのは、「適塾」や「松下村塾」といった『私塾』でした。社会が混沌とする昨今、大学の中に少数精鋭でリーダーを養成する『私塾』を設置する動きが盛んになっています。大学がこのような『私塾』を設置する背景にはいくつかの背景があります。

 まず、ひとつは大学進学率が50%を超え、ユニバーサル化が進むなか、大学進学が一般的になったことです。現在の大衆化した大学は、かつてのエリートやリーダーを育成する場ではなく、多様な良き市民を育成する場となっています。だからこそ今、改めて、大学本来の持つ社会のリーダー育成という役割が社会から求められているのです。
 また、企業からは、経済環境が大きく変化するなかで、 座学で知識を詰め込んだ「受動的な学生」ではなく、正解のない時代だからこそ多様な経験を積んだ「チャレンジできる人材」が求められています。

 もともと、大学には建学の精神があり、その教育理念に沿った志のある人材を輩出するのが、本来の役割でした。しかし、1990年代以降に学部学科の多角化を進め、本来の個性が分かりづらくなっている大学も少なくありません。そこで、本来のミッションに沿った人材を少数精鋭の私塾形式で育成しようというわけです。

 一方、 学生サイドにもニーズがあります。以前の詰め込み学習の時代には、授業についていけない「落ちこぼれ」が問題になりました。しかし、ゆとり教育が進んだ現在では、既存の大衆化された教育システムでは満足できない、志の高い「吹きこぼれ」層が問題になりつつあります。
 以上のような背景から、大学の志と学生の志を満たす、少数精鋭で次世代リーダーを育成する、言わば『学内志塾』を創設する動きが活発になっています。

 『学内志塾』の特徴は、いずれも学内選抜があり、少数精鋭で、徹底的なディスカッションやフィールドワークを重視していることです。また、企業や地域の有識者などを巻き込み、社会との接点を強化しながら取り組んでいるのも特徴的です。
 事例としては、早稲田大学の「大隈塾」、慶應義塾大学の「福澤諭吉記念文明塾」、拓殖大学の「桂太郎塾」、創価大学の「グローバル・シティズンシップ・プログラム」などがあり、今後もいくつかの大学がそうした『学内志塾』の創設を予定しています。

 座学の授業で知識はあるけれど受動的学生を育成するのではなく、議論や多様な体験を経た主体的・能動的な学生を、次世代リーダーとして育成する。グローバル化が進み、卒業したら外国人留学生との競争が当たり前になる現代の若者世代では、こうした取り組みが益々重要になってくるのではないでしょうか。
 

(2012/1/11)

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企業から見た大学におけるリーダー育成とは
編集長インタビュー 北城 恪太郎 日本アイ・ビー・エム株式会社 最高顧問


事例[1] 早稲田大学 「大隈塾」
「たくましい知性」をもったリーダーの育成


事例[2] 拓殖大学 「桂太郎塾」
「スーパー拓大生」養成を目指す教養教育


事例[3] 中京大学 経済学部 「EXP」
学部におけるリーダーシッププログラム


事例[4] 京都大学 大学院 「思修館」(構想中)
5年一貫制大学院でのグローバルリーダー養成


リポート
選抜型リーダー育成の最前線を追う


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【profile】

リクルート進学総研 所長
リクルート「カレッジマネジメント」編集長
小林 浩(こばやし ひろし)
 
1964年 生まれ
1988年 早稲田大学法学部卒
株式会社リクルート入社後、大学・専門学校の学生募集広報などを担当。経済同友会に出向し、教育政策提言の策定にかかわる。その後、経営企画室、コーポレートコミュニケーション室、特別顧問政策秘書、進学カンパニー・ソリューション推進室長などを経て2007年より現職。
文部科学省「熟議に基づく教育政策形成の在り方に関する懇談会」委員。
株式会社宣伝会議発行「広報会議」にて、「外から見た大学」連載中。