新世紀のキャンパス　新札幌キャンパス／札幌学院大学

札幌学院大学新札幌キャンパス

新札幌の地勢：Gateway to Sapporo

　札幌市の東部に位置する新札幌（厚別区）は新千歳空港から快速列車で28分、JR新札幌駅は道内第4位の乗降客数を誇る。地下鉄、バスのターミナルも集積し、まさに「札幌の東の玄関口」と呼ぶにふさわしい交通の結節点である。1971年からの副都心構想のもと団地や商業施設が整備され、2015年に始まった再開発を機に本学は新キャンパスを開設して一部学部（経済経営学部、心理学部）を新設・移転し、2021年から江別キャンパス（人文学部、法学部）との2キャンパス体制に移行することを決めた。折しも沿線では新千歳空港の民営化、国立アイヌ民族博物館を含む民族共生象徴空間「ウポポイ」の開業、北海道日本ハムファイターズの新球場建設といった大型プロジェクトが進む。北海道は今、「札幌の東」が元気だ。

キャンパスコンセプト：Diversity and Collaboration

　新札幌キャンパスのキャンパスコンセプトは「多様なこと・ひと・もの（Di versity）」との「協働（Collaboration）｣。これは1946年の創立時から本学が大切にしてきた、門戸を広く開放して多様な価値観を尊重し、学生・教職員が協働して大学を創り上げるという伝統・校風に根差している。交通の結節点である新札幌に集まる様々な人や組織、地域住民、行政とコラボする。大学を閉じた空間とせず、地域のにぎわい創出に貢献できる「開かれた大学」が本学の目指す姿だ。

キャンパスコンセプトの実現

　キャンパスコンセプトを実現すべく、新キャンパスには様々な工夫がなされている。開かれた大学の実現のため、校舎1、2階にはカフェテリア、図書館、多目的ホール等地域住民に開放する施設が集中する（注1）。また大学・教室を閉じた空間とせず外部との連続性を意識できるよう、吹き抜けやガラス壁を多用することで縦・横方向への空間の拡がりを演出。さらに産学官・地域連携の拠点として社会連携センターを開設した。国内の大学ではまだ珍しい常設の礼拝室は祈りのための場というだけでなく、多様な価値観への気づきというグローバル教育の観点からも活用したい。

カリキュラムの特長

　コロナ禍のため様々な制約が残るなかでの船出だったが、新キャンパスはそのコンセプトを実現すべくカリキュラムのうえでも動き出している。今回の再開発を機に新札幌には複数の医療機関と専門学校が進出するが、相互の学生・教職員交流は既に始まっている。隣接する札幌看護医療専門学校とは2020年に学術交流協定を締結し、2021年にはゼミの共同活動として双方の学生がAEDをテーマに地元でフィールドワークを行っている。また2022年4月に移転予定の心理学部の一部科目では医療機関から講師が派遣される予定である。社会連携センターが開催するビジネスプランコンテストでは学内外の学生チームが地域を元気にするためのアイデアを競い合う。これらはいずれも新札幌を交通のみならず学術交流やビジネスの面でも結節点とする試みである。

今後の展望：社会課題の解決×大学ブランド（One life, Many answers）

　本学は2019年、国内2校目のフェアトレード大学に認定された。一人ひとりが日々の消費行動を少し変えるだけで社会に変革をもたらすことができる、そう信じる学生グループと教職員がタッグを組み、フェアトレード大学の要件を一つひとつクリアしていった。自分達の力で大学を変え、社会を変える、その手応えを感じとれる出来事だった。札幌学院大学ブランドを象徴するタグラインはOne life, Many answers。本学に入学する一人ひとりが新キャンパスに足を踏み入れた瞬間から大学ブランドを体感でき、社会課題の解決を自分ごと（answer）として捉えられる。それを大勢の仲間とできるのが札幌学院大学、そういうワクワク感が伝わる新キャンパスにしていきたい。

注1：2021年11月現在、コロナ禍のためカフェテリアのみ一般開放中

札幌学院大学新札幌キャンパスプロムナード

プロムナードは公開空地となっており、市民が自由に通行できる。

札幌学院大学新札幌キャンパス外観

新札幌キャンパス外観。左は札幌看護医療専門学校。循環バスは約15分で江別キャンパスとの間を結ぶ。