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新増設複合分野の志願者増加ランキング

 本誌179号特集では、18歳人口ピーク時の1992年から20年間の学部・学科トレンドを追った。ここでは、2008年から2012年の4年間で、志願者数が増加した複合分野の傾向をさらに深掘りしたい。

 リクルートが独自に分類した76の分野にぴったり分類できた学科を単独分野、分類できなかった分野を複合分野と定義しているが、志願者数比率で見ると、1992年の13.3%から2012年の24.9%へと、複合分野を志願する割合が11.6ポイント増えてきている。(179号特集、図表4)

 そうした中、直近の4年間で志願者数を増やした複合分野の上位20位が下表である。もともとその学科が持っていた分野をA分野、新たに追加された分野がB〜F分野である。表中の色分けは、オレンジが4年間で志願者数を伸ばした単独分野上位20学科系統、ブルーが同じく志願者数を減らした単独分野下位20位であることを示している。(179号特集、図表3)

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新増設複合分野の志願者増加ランキング(全国)

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  複合分野の設置の狙いとしては、まず、単独では募集に苦しむようになった学科に、人気の系統を組み合わせて再起を図る例が考えられる。そこでA分野のブルーに着目すると、6つのうち、社会学が4つも存在する。特に、大規模大学の新増設で志願者数を集めたものではなく、学科数が多い組み合わせに着目すると、7位の「社会学+国際関係学」(7学科)、11位の「社会学+情報学」(16学科)という組み合わせが、社会学の新分野のマーケットを作っていることが分かる。新設学科数からも、特に新増設が急増している分野ではない。むしろ「社会学+国際関係学」は志願者減同士、「社会学+情報学」も情報学は志願者増の分野ではないが、近年のグローバル化やICTの進展から、志願者を集めているようだ。

 また、リーマンショック以降、人気の低い経済系だが、10位に「経済学+経営学」(18学科)と、志願者減同士でも複合分野なら志願者を集めている。

 反対に、過去4年間に単独で志願者を集めている分野に、さらにテコ入れを行う策もある。1位の「スポーツ学+健康科学」がそうで、29学科中、新設学科数が17と約6割を占める急成長の分野である。なお、健康科学との組み合わせが多く、9位の「栄養・食物学+健康科学」、14位の「人間科学+健康科学」、16位の「健康科学+栄養・食物学」などが挙げられる。特に9位の「栄養・食物学+健康科学」は34学科と多く、7学科が新設されている。人気のスポーツや栄養と健康科学を組み合わせることで、予防医学へのニーズにより対応した学科への組み替えが行われている。

 もう一つの人気の系統が教育だ。リーマンショック以降の資格志向から、保育士、幼稚園教諭、小学校教諭への女子の人気が高まった。3位の「教育学+保育・児童学」は、学科数41のうち新設が21と約半数を占めている。

 19位の「情報工学+情報学」と20位の「情報学+情報工学」も、合わせて31学科が存在する一つのマーケットを形成している。ICT化による情報工学へのニーズが高まっているためだろう。

 また4位の「建築学+環境工学」も、環境工学単独では志願者が集まらないが、建築環境工学という組み合わせなら、建築学単独の2842人より志願者数が高くなっている。

カレッジマネジメント編集室 能地泰代 (2013/04/23)

 

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