高校教育改革に関する調査

高校の「教育改革の実態」を明らかにするため、全国の全日制高校を対象に、新しい学習指導要領、入学者選抜、ICT活用、キャリア教育、進路指導、学校改革などに関する調査を実施しています。

高校教育改革に関する調査2022 「新学習指導要領・ICT活用」編

新学習指導要領、課題感のある教科1位は「情報」
探究は約6割が生徒の変化を感じつつも、教員の負担が課題に

【新学習指導要領への対応の進捗度】

  • 「授業」「教材」「評価」いずれも「計画通り(計画以上)に進んだ」が7割を超える。
  • 課題感のある教科は、1位「情報」(46.3%)、2位「地理歴史」(37.2%)、3位「国語」(32.7%)。

【「総合的な探究の時間」への取り組み状況】

  • 取り組みによる生徒の変化として「そう思う」割合が最も高いのは、「主体性・多様性・協働性が向上した」(12.4%)。
    • 「ややそう思う」まで含めると合計61.3%
  • 課題は「教員の負担の大きさ」が78.8%でトップ。以下、「教員間の共通認識不足」(53.6%)、「教員の知識・理解不足」(43.9%)が続く。

【ICT活用について】

  • 生徒の変化として「そう思う・計」の割合が高いのは、「学びに向かう姿勢・意欲が向上した」(42.5%)、「主体性・多様性・協働性が向上した」(41.6%)。
  • 今後の教育活動におけるICTの活用方法は「宿題・課題等をオンラインで配布」が74.3%で突出。

高校教育改革に関する調査2022 「進路指導 ・キャリア教育」編

高校教員が思う「特に必要な社会人基礎力」
【課題発見力】 が過去最高スコアに。1位は前回同様【 主体性 】。
アントレプレナーシップ教育の導入・検討は約2割

【キャリア教育と探究活動について】

  • キャリア教育を実施する時間は「総合的な探究(学習)の時間」が77.6%でトップ。
  • 「探究活動」の生徒の進路選択へのつながりとして、「志望校や志望分野選びにつながる」が前回比+2.7ポイント。
  • キャリア教育を進めていく上での今後の課題は「教員の負担の大きさ」が67.8%がトップ(前回比+4.8ポイント)。
    ー「実施時間の不足」(前回比+5.3ポイント)とともに前回よりスコアが上昇。

【進路指導上の課題とこれからの社会について】

  • 進路指導上の課題は、「教員が進路指導を行うための時間の不足」がトップ。
    ー以下、「入学者選抜の多様化」「進路選択・決定能力の不足」が5割台で続く。
  • 「これからの社会の好ましさ」について、全体の42.8%が、生徒にとってこれからの社会が「とても好ましい社会だ」「まあまあ好ましい社会だ」と回答。
    ー「あまり好ましい社会ではない」「非常に好ましくない社会だ」が55.5%と、前回の36.4%から19.1ポイントと大きく上昇した。

【社会人基礎力とアントレプレナーシップ教育について】

  • 「特に必要とされる」と思う社会人基礎力の1位は「主体性」(50.6%)、2位「課題発見力」(47.4%)。「課題発見力」は前回から5.0ポイント上昇。
  • 「生徒が現在持っている」と思う社会人基礎力は、「規律性」が55.1%と突出。
    ー「傾聴力」(34.0%)、「柔軟性」(22.5%)と続き、上位3つの順位は前々回から変わらず。
  • 「アントレプレナーシップ教育」について、「導入・活用している」「導入・活用を検討している」を合わせると18.1%。「導入・活用をしていないし、する予定もない」が過半数を占める。
    ー課題や不安として「学校体制」「生徒への必要性」などのコメントが挙がっている。

高校教育改革に関する調査2022 「オープンキャンパス」編

94.2%の高校教員が生徒のオープンキャンパスへの参加を推奨
「比較検討する場」から「出願意欲を高める場」へ

【オープンキャンパス参加推奨度】

  • 「推奨している」と回答したうち、「強く推奨している」と回答した高校教員は約6割で半数を超える。
  • 大短進学率別に見ても、70%未満層・70%以上層共に「推奨している・計」は9割を超えており、進学率にかかわらず推奨されている。

【オープンキャンパス参加推奨理由】

  • 1位は「雰囲気を知り具体的なイメージを形成するため」23.3%、続いて「志望校への意欲・モチベーション維持・向上のため」21.7%、「入学後のミスマッチの防止・齟齬の解消」19.9%。
  • 大短進学率別に見ると、70%以上層の1位は「志望校への意欲・モチベーション維持・向上のため」28.7%で、70%未満層の同項目 16.3%より10ポイント以上高い。
    一方、70%未満層は 1位「雰囲気を知り具体的なイメージを形成するため」24.6%、2位「入学後のミスマッチの防止・齟齬の解消」21.0%で、共に70%以上層よりポイントが高い。進学率によって推奨理由に違いが見られる結果となった。

調査概要
調査目的
全日制高校で行われている教育改革(新しい学習指導要領、入学者選抜、ICT活用、キャリア教育、進路指導、学校改革に関する取り組みなど)の実態を明らかにする
調査時期
2022年8月4日(木)~9月9日(金)
調査方法
郵送調査+インターネット調査
調査対象者
全国の全日制高等学校

注)前回調査は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)影響により当初予定2020年を2021年に変更し実施。

Contents関連記事・動画