学校法人勝浦学園 徳島医療福祉専門学校 校長 廣田茂美氏

(2017年9月20日更新)

豊かな人間性を育むのは、豊かな人間関係。
医療人の自覚が自然と芽生える環境がここにある。


充実した支援制度の下、優秀な学生が集結。最短(3年制)で質の高い医療人を地域社会に輩出。
 平成5年に勝浦町が推進する学園都市構想により誕生した本校は、作業療法士(OT)および理学療法士(PT)を養成する3年制の医療系専修学校です。OT・PTを目指すには、3年制もしくは4年制の専修学校か、大学または短大のいずれかに進学しなければなりません。そのうちOT・PTを養成する短大は全国6校しか存在しないので、実際のところ3年制の専修学校が社会に出る最短の道筋と考えても差し支えないでしょう。しかも、年数が短いからといって、本校の教育内容は大学や4年制と比較しても決して遜色ない。それどころか、かなり質が高いと自負しております。将来、責任ある医療現場で働く人材ですから、我々も教育内容は内外から専門的意見を募り、自信をもったカリキュラムを提供しています。
 また、勝浦町の第3セクターからスタートした本校は堅実な経営を誇っており、盤石な財政基盤を基に思い切った学生支援を展開しております。特に私が現職に就任してからは、経済的事情を抱える学生や優秀な学生に対する支援を倍増させ、学生たちの「学びたい」という思いを徹底的にサポートしています。ちなみに平成29年度には80人の入学者のうち、実に30人が支援制度を利用して入学してきた学生(あくまでも29年度実績。該当者がない場合はゼロのこともある)であります。こうした支援制度の影響もあり、本校に優秀かつ学習意欲の高い学生が数多く集まってきているのは本当に喜ばしいことであります。

先輩も、恩師も、同じ土俵に立つ仲間。固い絆の中で医療人としての豊かな人間性を育む。
 先ほども申し上げたように本校は将来の医療人を育てる場であり、学生たちはいずれ命と向き合う現場で働かねばなりません。そこではまず患者さんに信頼してもらい、安心していただくことが何よりも大切です。だからこそ、本校では「質の高い教育の提供」とともに、「豊かな人間性を育む」こともとても重要視しております。例えば挨拶ひとつとっても、それは患者さんとの大切なコミュニケーション。本校を訪れるお客さまは学生たちのくどいほどの挨拶(笑)に皆さん感心されますが、入学と同時に学生たちが知らず知らずのうちに“医療人としての自覚”に目覚め、人を尊重するような行いを身に付けていくのは、教える側としても目を見張るものがあります。  
 これは教員間で話題になったことなのですが、毎年学内のトイレのスリッパを見ていると、学生たちが自然発生的に変わっていく様子が手に取るようにわかるというのです。入学当初は乱れていたスリッパがしばらくするときっちり整頓されていく…。おそらく先輩たちが整理している姿を見て、「自分もやらねば!」という意識が芽生えてくるのでしょうね。小さなことのようですが、医療の現場が雑然としていると、それがミスにつながることだってあり得ます。白衣の着こなし、掃除・整理整頓…など、本校の学生は先輩たちの姿を見ながら、細やかな気遣いを身に付けているわけです。
 すぐ上の先輩がお手本となり後輩を教え導く…そんな固い絆のような関係が、本校では連綿と続いているわけですが、考えてみればOT・PTを目指す彼らにとって、すべての先輩・教員(教員も国家資格をもつ臨床経験者なので)は、ある意味、同じ土俵に立つ仲間です。同じ方向を向いてがんばる仲間だからこそ、自然と絆が深まるのでしょう。学園祭では学生と一緒に教員がバンドや仮装を楽しんだり、国家試験を控えた先輩に後輩が手作りのお守りを渡したり、先輩たちの門出を祝う卒業式に花を添えるため熱心に企画する後輩の姿を見ていると彼らの絆がどれほど深いかがよくわかります。特に卒業式は涙ぐむ後輩や保護者、来賓の方からも感動したとお褒めの言葉を頂いて私どもも胸が熱くなることがあります。

教員たちの献身的なサポートと信頼関係によって、ほぼ100%とも言える高い国家試験合格率を実現。
 本校は作業療法学科・理学療法学科共に、毎年高い国家試験合格率を誇っており、直近5年間の 合格率の平均は作業療法学科が93.8%、理学療法学科が99.0%と、全国平均をはるかに上回る成果を上 げています。こうした合格率の背景には、放課後行われている「国家試験対策講座」や学生の習熟度 を判断して行われる「個別指導」などの取り組みがあるわけですが、私はこれも本校ならではの固い 絆が生み出した成果ではないかと密かに思っております。
 と申しますのも、本校の教員たちが“全員合格”という強い意識をもって、とても熱心に試験対策を指導しており、放っておくと時間を忘れて対策講義に没頭するような有り様です。もし、その年の試験に落ちたとしても、1年間利用し放題の「聴講制度」(費用は2万円のみ)を設けて、学生の再チャレンジを全力でバックアップしています。また、臨床実習が始まると学生が調べものをするのに、土・日も学校を開けているのですが、対策講義同様、教員は勤務外にもかかわらず出勤してくれています。
 先ほど申し上げたように、単に教員と学生という関係だけでなく、学生にとって教員はOT・PTの大先輩。一生超えられない存在なのでしょうね。臨床実習で凹んでいるとき、学生たちは教員たちの訪問を心待ちにしており、彼らの言葉に心底励まされているようです。不思議なもので普段は厳しく指導している教員ですが、この時ばかりは学生たちのグチをうんうんと聞いてやり、優しく慰めます。自分も初めての臨床で自信を失った経験があるから、学生たちの気持ちがよくわかるのでしょう。こうした学校の性格上、本校では教師と学生の距離がことさら近い。卒業後も頻繁に恩師を訪ねてくるのは、“超えられない先輩”としての教員を心から慕っている証拠ですね。本校の卒業生は徳島県だけでなく、他県においても活躍しており、各職場で高い評価を得ています。おかげで今年は県外から18名もの学生が入学してくれました。なかには和歌山県から入学した学生もいます。今後もこうした評価を全国に広げていきたいですね。


廣田 茂美氏


【Profile】

廣田 茂美(ひろた・しげみ)氏
徳島医療福祉専門学校 校長


【学校法人 勝浦学園 徳島医療福祉専門学校の情報(スタディサプリ進路)】


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