辻先生の、キャリアガイダンス編集部 留学日記
#4「山手線」

静岡県の公立高校から、民間研修でキャリアガイダンス編集部に来られた辻先生。
編集部メンバーとして任務にあたる中で、感じたことや気づいたことを綴っていただきます。

辻先生の、キャリアガイダンス編集部 留学日記

#4「山手線」

 春から研修で民間企業に出向している。すべてがドラマの世界だ。

 早朝の山手線に初めて乗ったのは、4月初旬のことだった。とても混んでいた。進みたい方向に行こうとしたが人の大河になって横切ることができなかった。こんな経験したことがなかった。タクシーに乗って近くのホテルまで移動した。タクシーの運転手さんに「リモートワークが推奨されているけど、出社している人が多いんですね」と世間話をした。「お客さん、タクシー乗り場は並んでいましたか。」と逆に質問される。「並んでいなかったです。」と答えると「じゃ~まだ人は少ないですね。」と返ってきた。本来であれば並ぶのが普通だそうだ。山手線の満員電車はどれくらいなのか恐ろしくなった。

 山手線は、ホームに時刻表がない。電車に乗るとき、時間を確認するが、時刻表を確認することはない。時間帯によるが、3・4分後に必ず電車がやってくる。駅の時計が取り外されている傾向があるのも納得する。それから、電車に乗る際、リュックを背負うのではなく、前にして抱っこするようにもつ人が多い。防犯面も勿論あると思うが、他の人にぶつかったり、迷惑にならないようにする優しさのように私は感じた。よくよく見るとラッコのようで愛らしく見える。

 電車に乗るのに暗黙のルールが複数あるようだ。静岡では自動車通勤だった。自動車は命を守るために厳格なルールがある。思いやりを持って電車を利用できるよう心がけたい。満員電車では窮屈で危険だと思っていたが、少しでも安全に移動できるように優しさで暗黙のルールが作られているのかもしれない。


【Profile】
辻 泰範(つじ やすのり)静岡県出身の現役教師。大学卒業後、私立高校11年、県立高校6年勤務し、現在リクルートで民間研修中。担当教科は商業。商業教育に親しみを持って欲しく、商業の楽しさを伝えられるよう模索している。

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