楠木先生の、キャリアガイダンス編集部 留学日記#8
「どんな仕事がしたいか」

2024年は、「仕事」について深く考える一年だった。

今回の民間企業研修で学んだのは、仕事は「創り出す」ものという考え方だ。リクルートでは、多くの人が交わり、アイデアが生まれ、生活をより良くするためのコンテンツが常に生まれている。また、編集部や高校生Ringでの仕事を通じて、アントレプレナーシップに関する理解も深まり、変化の激しい時代において、決まった仕事は存在しないということを痛感した。

これまでの教員生活を振り返ると、私は「任される」仕事に慣れきっていたように思う。もちろん、授業については、「より楽しく」という一心で、試行錯誤を繰り返してきた。一方で、学年・分掌・部活動などの仕事に関しては、それぞれの役割の中で、ある程度やるべきことが決まっており、引継ぎ資料などを参考に業務をすすめていた。私自身も、効率化を求めてルーティンワークを重視していた。

ただ、教員としてのキャリアを重ね、中堅者研修も経て、「ミドルリーダー」として学校を動かす立場になろうと、仕事への向き合い方を見直しつつもあった。できることが増えたからこそ、「これ、やっておきますよ!」と、仕事を「もらいに行く」姿勢がこれからは大切だと考えていた。

そんな中での、リクルートでの民間企業研修。
自分が見直しつつあった仕事の姿勢や考え方も、まるで餌を与えられることを待つ魚であったと実感させられた。

「自分は、どんな仕事をしたいのか?」

この問いを、学校の仕事に置き換えて考えてみよう。教科会議や分掌会議、部活動など、あらゆる場面で、私は本当に仕事を創り 出せていただろうか?受け身になっていなかっただろうか?学校に求められるものが変わる中、現状維持ではダメなことを改めて自覚し、今一番「やりたい」仕事を、年末年始に考えてみようと思う。

綺麗なイルミネーションの裏側には、どんな仕事があったのだろう?


【Profile】
楠木 翔(くすきしょう) ●静岡県公立高等学校教諭。専門は理科(化学)。
2024年4月より民間企業等長期派遣研修生としてキャリアガイダンス編集部に出向中。  

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