静岡県の公立高校から、民間研修でキャリアガイダンス編集部に来られた辻先生。
編集部メンバーとして任務にあたる中で、感じたことや気づいたことを綴っていただきます。

#7「新規事業提案制度『Ring』」

　春から研修で民間企業に出向している。すべてがドラマの世界だ。

　この会社には「Ring」という新規事業提案制度がある。新しいビジネスのアイデアを発表する場だ。「カーセンサー」「ゼクシィ」「スタディサプリ」などはRingから生まれたそうだ。
　去年の発表動画を見させていただいたが発想力、アイデアすべてが凄いとしか思えなかった。圧倒された。

　半年間働いて気付いたことは、スタッフの探究力の凄さだ。視点を変え、考え方を変え、時代にあっているか、競合との差別化ができているのかなど様々な視点で物事を考えることができる。勿論うまくいかない点もあるが、その際は続けるか、続けないかを慎重に判断する。止めるか続けるかを話していて驚いた。
　私が「こんなに良いサービスを止めてしまうのか」と質問したところ。「止めたとしても、もしかしたら数年後花開くことがあるかもしれないし、同じことをやりたい、やって欲しいなど要望が上がった際に土台ができていればすぐに実践することができる」。こんな柔軟な考え方があるのだと驚かされる。

　私の考え方は、新しいことを導入すると、ずっとやり続けなければならない。やり続けることが大切だと思っている点がある。先生方にとって行事は負担が多いが、必ず必要な行事であれば、続ける。実施したいが、職員の人数等でできかねるものは精査する必要があるのかもしれない。教育に無駄がないからこそ精査するのは、かなり難しい。

【Profile】

辻　泰範（つじ　やすのり）●静岡県出身の現役教師。大学卒業後、私立高校11年、県立高校６年勤務し、現在リクルートで民間研修中。担当教科は商業。商業教育に親しみを持って欲しく、商業の楽しさを伝えられるよう模索している。

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