世界を変える、半径5mの身近な気づき_#02「アントレプレナーシップって、何? 」

 リクルートが新しく学校向けに提供を始めた、アントレプレナーシップ・プログラム『高校生Ring』。
この連載では、『高校生Ring』を通じて生まれるすべての高校生の気づきを応援することを目的に、プログラム全体を解説していきます。

高校生Ring 2023 取り組みが進んでいます!

 1学期も終わりが近づき、連日厳しい暑さが続いていますが、高校生の取り組みにも熱が入り始めています。

 『高校生Ring 2023』のエントリー数は、昨年度のエントリー数6,186人の約4倍となる、合計2万5,827人となりました。全国から参加している高校生が、10月のPlan sheet提出に向け、今まさにプランの作成を進めています。

現時点では、『スタディサプリ』高校講座または探究講座を導入いただいている高校様のご参加が可能です。
プログラム参加にあたり提出したエントリーシートの著作権その他一切の権利は、生徒に帰属します。

 高校生Ringで高校生が取り組むのは、プランシートの作成です。サービスを誰に届けるのか、どんな課題を解決するのか、など、ビジネスプランの骨格となる項目について検討を重ねなくてはなりません。そこで役立つのが、アイデアの種をビジネスに変えるヒントをまとめた教材「高校生Ring NOTE」。プランを磨き込み、整理をサポートする様々なワークが収録されており、またワークの進め方を解説する補助動画も掲載しているので、場面を問わず取り組みを進めることができます。

お申し込みをいただいた学校様には、参加生徒数分の高校生Ring NOTEを無料で配布しております。

どうしてアントレプレナーシップ教育が必要なのか

 2022年8月、リクルートが全国の高校を対象に実施した「高校教育改革に関する調査2022」のなかで、アントレプレナーシップ教育についてたずねたところ、「アントレプレナーシップ教育を導入・活用している/検討している」と回答した割合は全体の約18%となっており、導入・活用する予定がない高校が多数でした。

 それでもなお、「アントレプレナーシップは人生を切り拓いていくために役立つもの」だと、神戸大学大学院でアントレプレナーシップを専門とする忽那憲治先生は話します。

イノベーションも発明も、発端は「こんなもの・サービスがあればいいな」というビジョンです。そして、それを実現するにはどうしたらいいかを考え、試行錯誤を重ねることが、アントレプレナーシップです。一方、子どもがやりたいことを見つけたときに、「~がないからできない」と諦めるのではなく、「どうしたらできるか」を自ら考え、失敗しながらもチャレンジを続けることも、まさにアントレプレナーシップです。そう考えると、アントレプレナーシップ教育は一部の人に必要な専門科目ではなく、より良く生きるための「一般教養」であると言えるでしょう。想像力、発想力が豊かで思考が柔軟な若いうちにアントレプレナーシップを身につけておくことは、自分の人生を自分で切り拓いていくために有効なのです。
キャリアガイダンス Vol.445 11ページより抜粋)

 『高校生Ring』は、リクルートの社内新規事業提案制度である「Ring」のノウハウを活かしていますが、起業を目的とした起業コンテストではありません。参加する高校生はお題もない状態で、自分の半径5mに目を向け、そのなかで解消したい「不」はないか探します。プログラムを通じ、新しいビジネスを考えるまでのプロセスを学ぶ過程で重ねるであろう試行錯誤や他者との協働は、まさしくアントレプレナーシップと言えるのではないでしょうか。

 RingNOTEを手にした高校生たちは、リクルートから学校に送付されるガイダンス動画を視聴して取り組みを始めます。総合的な探究の時間やロングホームルームなど、授業コマを活用する学校もあれば、1次審査となる学校内審査までは生徒の自主性に任せて宿題として取り組んでもらう学校も。高校生たちがどんな問いを見つけ、どんなプランへとつなげるのか、今からとても楽しみです。

 次回は、プランの磨き込みをサポートする夏の特別イベント『高校生RingWEEK』『サマーキャンプ』の様子について、それぞれお伝えいたします。