Z世代トレンド大全 #3_TapNow


これからの社会を築いていく、Z世代。
「Z世代トレンド大全」では、ティーンエイジャーから、20代前半までをZ世代と定義します。
本企画では、彼らのトレンドや注目キーワードをピックアップ。
Z世代への理解を深め、彼らとのコミュニケーションに役立つような情報を発信していきます!

#3_TapNow(タップナウ)…… 日本企業が展開する、相手のホーム画面上に写真が共有できる次世代SNS。

 TapNow(タップナウ)では、スマートフォンのホーム画面上にあるウィジェット(ショートカット機能)に、写真や動画を送ることができます。

より詳しく!

 インターネット上ではなく、直接ホーム画面上で画像をシェアするので、他人の目を気にすることなく、自分が共有したい相手とコミュニケーションをとることができるSNSです。

 TapNowは、2022年4月に提供がスタートし、2023年6月末日現在、70万ダウンロードを突破しています。従来のSNSとの違いは、「ホーム画面に送り合いたい」と思えるような本当に仲の良い友達、カップルなど「身近な人同士だけで」楽しむ点です。

 TapNowを展開するサンゴテクノロジーズ株式会社 代表取締役 野間悠磨氏は、Z世代に支持される理由について次のように分析します。

「コロナ禍は、完全リモート授業やマスク着用により、リアルな関係が希薄化した時代だったと思います。

 そのため、従来のSNSよりも、よりバーチャルグラフ(バーチャルな繋がり)を作ることができるSNSに居場所を求めるZ世代が多かった印象です。学校で仲の良い友達を作りにくい、外出の頻度が少なく、リアルな毎日を投稿しても代わり映えしない…といったことも要因として挙げられます。また、顔出しせずに自宅で発信することができる『音声SNS』、『アバター系SNS』がトレンドになりました。

 しかし、コロナが5類感染症に移行して日常が少しずつ戻ってくると、学校内の友達との繋がりや、外出先での日々を投稿し合えるようになりました。リアルグラフ(リアルな繋がり)を主軸としたSNSの需要が高まり、TapNowがマッチしたのだと思います。

 TapNow以外では、写真を加工するためのフィルターやエフェクトをかけない海外のSNS『BeReal(ビーリアル)』も、リアルグラフを主軸としています」。

シーンは?

 LINEやInstagramに送るほどではない、日常的で“映えない”写真を送り合ったり、プリクラのように落書きをした何気ない写真を送り合ったり、といった使われ方をしています。

 また、「仲の良い相手からの、唐突な自撮り」や「デート中に隠し撮りした、手をつないでいる写真」が不意に送られてくるといった、遊び心のある使い方もあるようです。

(取材・文/小竹美沙 写真・取材協力/サンゴテクノロジーズ株式会社)