牧野先生の、キャリアガイダンス編集部 留学日記#7
「大きく変わったこと」

大好評連載の第2弾!今年度の民間研修でキャリアガイダンス編集部に来られた牧野先生。
編集部メンバーとして任務にあたる中で、感じたことや気づいたことを綴っていただきます。

(先日取材で訪れた大学では、イチョウ並木が色づき、秋から冬への移り変わりを感じることができました)

この半年、私の中で考えが大きく変わってきたことに「キャリア観」があります。
学校現場では、大学卒業後に教員となり、定年退職を迎えるまで教員一筋の方が多く、キャリアチェンジをする方はあまりおりません。また、従来のキャリア形成に関する考え方からも、同じ企業に長く勤めることを良しとする考えを持つ先生も多いのではないでしょうか。私もそう考える一人でした 。

しかし、この会社では、長く勤める人の方の方が少数派で、早ければ1~2年 でキャリアチェンジをする方もおります。こういう仕事に興味が出てきたからこの仕事してみたい、ここでつけた力を新たな舞台で試したい、こんな取り組みをして社会に貢献したいなど、目的は様々ですが、キャリアチェンジは自然という共通認識があり 、新しい世界に進み挑戦する人を応援する雰囲気が会社全体に浸透しています。こういった雰囲気に包まれた職場に身を置くと、今までの自分の価値観や考え方がまるで変っていくことに気づかされます。

今までは、会社を“辞める”という行為は、後ろめたいものという考えがあり、“辞める”という事象だけに目が行きがちでした。しかし、なぜ辞めたのか、その後どうしたのか、という背景や退職後に目を向けてみると、その見方がまるで変わり、視野も広くなるように感じます。

もちろん、キャリアの築き方に正解不正解はないので、長く勤めるのが良いのか、キャリアチェンジを重ねるのが良いのか、どちらが正しいというのはありません。ただ確実に言えることは、皆さんの働き方や考え方に触れられたことで、こういうキャリアの築き方もあるんだ、こういう生き方もあるんだ、と新しい価値観に出会うことができました。そして、違いや異なる考え方を知り受け入れること、視野を広く持つことがとても大切だということに気づかされました。こういったことを目の当たりにできたことは、自分の考え方をアップデートさせることに繋がり、今後の生徒指導や進路指導に大きな影響を与えてくれるものと強く感じております。

実は先日、編集部のメンバーの一人も新しい道へ進む決断をしました。リクルートでは、退職する方を“卒業”という言葉で表現し送り出します。教員にとって、とても馴染みのある言葉です。新しいスタートや輝かしい未来を想像させる言葉をはなむけの言葉として用い、背中を押して新しい道への挑戦を応援する。職場のステキな一面を見ることもできました。

【Profile】 牧野雄貴(まきのゆうき)●静岡県の高校教員で、担当教科は商業。2023年4月より1年間、民間企業研修生としてキャリアガイダンス編集部に。学校と企業との違いに日々驚きながらも、学校現場のことを伝えたり、この経験を今後に生かせるよう勉強中。 

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