専門学校 日産・自動車大学校 学長 本廣好枝氏
どんな時代にあっても人間力・技術力を兼ね備えた
社会に貢献できる真の自動車エンジニアを育成する
日産自動車と連携して、全力でメカニックへの目標をバックアップ
専門学校 日産・自動車大学校は、日産直系の自動車整備専門学校です。日本国内に5つ(栃木校、横浜校、愛知校、京都校、愛媛校)の日産整備専門学校を置き、『つねに時代をリードする人間力・技術力を兼ね備えた自動車エンジニアを育成し、自動車業界および社会の発展に貢献する』を教育理念に、技術だけではなく、豊かな人間性を備えた整備士の育成に力を入れています。
文部科学省により一級自動車工学科・自動車整備科ほか、各校の車体系の学科が「職業実践専門課程」設置校として認定されている日産・自動車大学校では、演習・実習や教育研修などを通してより実践的に最新の知識・技術を身につけられるように日産と連携してカリキュラムを編成。4年制の一級自動車工学科では、自動車整備業界における最高峰の資格と言われる「国家一級自動車整備士(小型)」*の受験資格、また、自動車整備科では2年間の学びを通して「国家二級自動車整備士(ガソリン・ジーゼル)」*の受験資格が取得できます。また、京都校および愛知校では板金、塗装、ボディフレーム修正において高い技術が要求される「国家自動車車体整備士」*資格の取得が目指せるほか、日産資格を在学中に取得し、就職後の早期キャリアアップへとつなげることも可能です。
*自動車整備士資格制度は2023年12月時点での名称。2027年実施の試験より名称・内容が変更になります。
社会貢献には、技術力だけでなく適応力や人間力も必要
日産・自動車大学校へ入学してきたすべての学生を、クルマの最先端が学べる学習環境で整備士に育て、自動車業界へと輩出していくことが本校の最大の使命であり社会貢献であると考えます。そして卒業後、多くの卒業生が自動車業界で整備士として全国で活躍しています。また、留学生の場合は母国に帰ってグローバルに活躍することも社会貢献といえます。
本校は自動車技術がどんどん発展するなかで、アフターセールスのネットワークを支えるための整備士が必要であるという考えから、日産自動車により設立された学校です。卒業生が、日産自動車が発展していくうえでの支えになっていることも、もちろん大きな社会貢献です。
ただし本校のいう社会貢献とは、単に高度な技術を身につけただけの整備士を送り出し、クルマのメンテナンスを行うということをいっているのではありません。特に今、自動運転などを含め自動車業界は変革期の真っ只中です。そんな中で求められているのはどんな人財なのか。学生に常々伝えているのは、国家資格を取得しているということはプロフェッショナルであり、高い技術力はあって当然のこと。そして、どんどん変化していく技術力についていくには、社会への適応力や人間力、コミュニケーション力が必要であり、これらの力を身につけてはじめて社会貢献ができるということです。
6週間のインターンシップで、現場を通してお客さま対応力を養う
例えば4年制の学科では、全国の日産販売会社でインターンシップを体験します。本校の学生は2年生の段階で、二級整備士の国家資格取得を目指しており、このインターンシップでは学校の実習で学び、身につけた自分自身の知識・技術を、販売会社の整備士の方々の指導の下で試すとともに、実社会の厳しさや楽しさを通してお客さま対応力や人間力を磨き、職業意識の高揚を図ります。
もちろん、お客さまの車を一人で整備・点検することはできません。しかし、実習車とは大きく異なり、実際に長距離を走っているコンディションの実車に触れることで、2つの車の違いを感覚で体験することができます。
なお、1・2年生には販売会社研修も用意されており、企業組織やビジネスの実務を理解するなど、早いうちに社会を知ることができる絶好のチャンスとなっています。
課外活動「日産メカニックチャレンジ」でお客さま対応力を養う
2012年から取り組んできた「日産メカニックチャレンジ」も、学生が体験を通してお客さま対応力を養うことを目的とした課外活動です。
人財育成プロジェクトと銘打ったこの活動は、レースのカテゴリー〈スーパー耐久〉にKONDO RACINGのチームの一員として参戦。7年もの間、本校の学生のべ1万人以上がレース車両の整備やお客さまのおもてなしなどの活動を通じて、チームワーク・コミュニケーションワーク力を培ってきました。
2019年度には〈スーパー耐久〉から、国内最高峰と言われるレース〈SUPER GT(GT300)〉へ活動の場をステージアップし、日産販売会社のテクニカルスタッフと本校の学生がKONDO RACINGと一緒になって活動するプロジェクトへと拡大。さらに、2022年より再び〈スーパー耐久〉にも参戦するなど、活動の幅が広がっています。
学生の活動の場の一つ、レース中にタイヤ交換や給油、修理などを行うピットでは、日産販売会社のスタッフと共に、KONDO RACINGのメカニックの方々のサポートを行います。また別の場では、レース観戦に訪れた多くのスポンサーの方々に対しておもてなしを提供するなどさまざまな活動や経験を通して、技術力以外のお客さま対応力や人間力を身につけます。
さらに2023年からはじめたレースに関する広報物の制作についても、監督やメカニックへのインタビューや記事の作成、撮影や編集作業などさまざまな場面に多くの学生が参加することができ、グループ活動を通してリーダーシップやコミュニケーション力、自ら考えて行動する力などが身につけられる良い機会となっています。
地域経済の活性化にも貢献。八丈島プロジェクトがいよいよ本格始動
日本の自動車の保有数に大きな減少は見られないものの、若者の自動車整備士への志願者激減、整備士の高齢化問題はますます深刻化しており、この先、クルマが故障してもメンテナンスの人財がいなくなるのではないかと思うほど、自動車業界は危機感をもっています。そこで自動車整備士の輩出を使命とする本校としては、人の命を守る社会的意義のある整備士の仕事について、もっと多くの人に知っていただきたい。そんな思いから、学校として何かできることはないかと考え、本校の最大の資産「整備の技術を身につけた学生」を生かして社会貢献できるプロジェクトを立ち上げました。
そのプロジェクトは、2年生で二級整備士の国家資格を取得した本校の3年生が、塩害の影響でメンテナンスに苦労している八丈島の方々の車を無償で点検し、不具合が見つかれば整備業者へ引き渡すという活動です。八丈島の方々も協力的で、まずは教員だけで実施した9月のトライアルは大好評。2024年2月には30名の学生が実際に八丈島に渡り、民宿で共同生活を経験しながら活動をスタートさせる予定です。
1回目のプロジェクトは、栃木校、愛知校、京都校の3校が参加を予定。他校の学生と交流することで、自分にはない価値観や物事の考え方を知ることができ、視野を広げる機会になることを期待するとともに、八丈島経済の活性化への貢献も期待します。学生からの人気も高く、楽しいプロジェクトとしてこの活動を広げていきたいと考えています。
文字だけでは見えにくい魅力いっぱいの専門学校
私がこの学校へ就任して5年目。以来、入学したからにはすべての学生を整備士として大切に育て、卒業させることを第一に考えてきました。また、就任当初より感じている本校の特長の一つが、先生と学生との距離が近く、アットホームな雰囲気の中で先生は一人ひとりの学生と向きあい、卒業へと導いているところです。お昼休みや放課後の時間帯に職員室を訪れる学生も多く、わからないことはその日のうちに解決するという文化が根づいています。
先生方もICTを活用しながら小テスト等を集計するなど、一人ひとりの学生の強みや弱点を把握し、個別指導に役立てています。
全国に学校は5つあります。本校を理解していただくためにも、実際にキャンパスへ来てください。おそらく、皆さんがイメージされているメカニックと、本校の教育内容はまったく違うという印象をもたれるでしょう。また、レース観戦の機会もなかなかないのではないでしょうか。ぜひ、レースを観戦し、これまでにない経験をしてください。
【Profile】
本廣好枝(もとひろ・よしえ)氏1985年、日産自動車株式会社入社。アジア太平洋地域を中心に海外営業を担当し、2005年、インド日産株式会社社長に就任。2019年、専門学校 日産自動車大学校学長に就任。 現在に至る。
【専門学校 日産栃木自動車大学校(スタディサプリ進路)】
【専門学校 日産横浜自動車大学校(スタディサプリ進路)】
【専門学校 日産愛知自動車大学校(スタディサプリ進路)】
【専門学校 日産京都自動車大学校(スタディサプリ進路)】
【専門学校 日産愛媛自動車大学校(スタディサプリ進路)】