牧野先生の、キャリアガイダンス編集部 留学日記#11
「圧倒的当事者意識を持って」
昨年4月から静岡県教育委員会が実施する民間企業等長期派遣型研修生として
キャリアガイダンス編集部でお世話になり、はや1年が経ちました。
最近、社員の方々に、この1年で1番印象に残っていることは何ですか?と
問いかけられる場面が何度かありました。
正直、これだ!という一番を決めきれず、
ハッキリとした答えを出すことができていませんでした。
改めてこの問いを自分に投げかけてみると、
私にとって、編集部での経験全てが刺激的で印象的で
学校とは異なるおもしろさ、ワクワク、緊張感を与えてくれ
出会えたこと、経験できたこと、見えたもの、考えることなど、
たくさん心揺さぶられることばかりの日々だったから
1番を決められないんだよな、と気がつきました。
そんな経験を重ねたなかで、自分の心に刻まれたのが
“圧倒的当事者意識”です。
これは、この会社を代表する言葉で、
意思を伝えること、周囲を巻き込むことが大切とされています。
学校にいたときは業務に追われるばかりだったり、遠慮があったりで
自分がどう思うか、どうしたいか、を考えることも少なければ
それを発信したり共有したりすることも、ほとんどありませんでした。
今思えば、教員でありながら、教員として自分がどうしたいのか?といった
当事者意識が足りなかったのではとも感じています。
しかし、この1年間、社員の皆さんが常に
“自分はこう思う”を発信し続ける姿勢、
ときには部署を越えて協力しながら、みんなで良いものを作っていこうとする様子、
すべての仕事に当事者意識をもって取り組む姿などに触れるうちに、
自分のなかにもだんだんと“圧倒的当事者意識”の精神が宿っていったように感じています。
私の場合は、キャリアガイダンスでの取材等を通して、
様々な学校に伺い、先生方、生徒の皆さんにお会いするなかで、
自分だったらどうするだろうか?自分が学校現場に戻ったどうしたいだろうか?と、
自分事に捉え、考えながら、先を見つめるようになっていました。
取材以外でも、より良い授業にするには、より良い学校にしていくには、
どう思う?どうしたい?と考えを巡らせるようになり、
学校現場に戻ったらこの思いを先生方と共有し、
学校をより良い方向へ進めていきたいと強く思えるようにもなりました。
“圧倒的当事者意識”が自分の中に形作られていったことこそ、
この会社での学びであり、1番の経験だったのだと感じています。
来週には再び学校の勤務が始まります。
ここでの学びを存分に発揮できるよう努めるとともに
自分の心に従いながら、常に当事者意識を持って、
自らの思いを伝えながら、周囲の先生方を巻き込みながら、
・よりよい授業づくりに励むこと
・よりよい学校づくりに寄与すること
・生徒の成長を支えながら、ともに成長していくこと
を目指したいと思います。
最後になりましたが、この1年間、私を温かく受け入れてくださり、
素晴らしい経験と学び、気付きを与えてくださったキャリアガイダンスの皆さんに、
他の業務で一緒にお仕事をさせていただいた皆さんに、心から感謝申し上げます。
ここでの1年がなければ、今の私もいないし、これから先こうありたいと願う自分もいなかったと思います。
それほどかけがえのない経験をさせていただきました。本当にありがとうございました。
読者のみなさまも、1年間お付き合いいただき、ありがとうございました。
またどこかでお会いできる日がくることを願っております。
【Profile】
牧野雄貴(まきのゆうき)●静岡県の高校教員で、担当教科は商業。2023年4月より1年間、民間企業研修生としてキャリアガイダンス編集部に。
編集部留学日記に戻る