跡見学園女子大学 理事長 跡見 裕氏

デジタル時代を生き抜くための、
幅広い教養を身につける新カリキュラム

時代に即したプログラムでキャリアデザイン力を磨く
 跡見学園女子大学の歴史は、1875年(明治8年)に創立者・跡見花蹊が跡見学校を開校したことに始まります。1875年といえば学制が制定されて間もない時期。まだまだ女性たちの学びが保障されていないこの時期に、教育理念の根幹に「自律し自立した女性」の育成を置いて、私立の女子教育機関を設立した花蹊の英断は、時代の先駆けとなる画期的なものだったといえます。
 創立者・跡見花蹊が女子教育の新しいステージを切り拓いてから150年。今日ではあらゆる場面で女性の活躍が求められており、同時に、そこにはどのような社会的存在として生涯を送っていくのか、自分自身をキャリアデザインする力を磨くことも必要とされています。跡見学園女子大学では、大きく変化した今の時代を「自律し自立した女性」としてどう生き抜くのか、カリキュラムを再編成し、時代に合った新しい教育プログラムを通して学び、考えていきます。

2025年度より、2つの教育プログラムがスタート
 「自律し自立した女性」の育成。この教育理念のもとに跡見学園女子大学が大切にしていることは、自分をいかに表現するかという『自己表現』する力です。そして自己表現の方法には、人によってさまざまな形があります。自分自身はどのような手段で自己表現していくのか、それを本学の4年間でしっかり学び、見つけてほしいと考えています。
 そのために準備を進めているのが、2025年4月よりスタートさせる2つの新しい教育プログラムです。『AI・データサイエンスを学ぶ』カリキュラムでは、数学・データサイエンス・AIへの関心を高め、適切に理解し、活用する基礎的な能力を育成します。また、『キャリアデザインを学ぶ』カリキュラムでは、職業人として生涯にわたり活躍できる女性を育成するためにキャリア科目を必修化し、学生のキャリア形成を支援していきます。
 跡見学園女子大学ではこれまでも基礎教養科目(全学共通科目)を重視しており、これらの科目を通して幅広い教養を身につけることが自己表現力を高めることに繋がると考えてきました。そして2025年度からはさらに、今のデジタル時代に必要となる教養を身につけるための『AI・データサイエンスを学ぶ』の新しいカリキュラムで、AIやデータサイエンスの基礎を学びます。自分が文系であると思っている人からすれば、AIやデータサイエンスはとてつもなく難しいと感じ、敬遠する人も多いことでしょう。しかし、跡見学園女子大学が目指すのは一流のエンジニアを育てることではありません。誤った情報を鵜呑みにしないように、教養としての基礎を理解することが本学のAIやデータサイエンス教育なのです。
 『キャリアデザインを学ぶ』カリキュラムには、『女性の労働市場』『働く女性史』『ヘルスケア』『ビジネススキル』など多彩な科目を用意し、学生自身が自分のキャリアをどう組み立てていくか、そのきっかけになるような内容のカリキュラム提供を予定しています。また、キャリアを形成するうえで非常に大切であるという考えから、『ヘルスケア』を学ぶのも本学の大きな特徴といえます。
 跡見学園女子大学では、一人ひとりの学生が自分らしい生き方ができるように徹底的なサポートを行っていきます。

本学における5つめの新学部の開設を構想中
 データサイエンスに芸術(デジタルアート)を取り入れた文理融合型の理系学部として情報芸術系の学部開設を目指し、現在、準備を進めています。新学部では、基礎教養科目で開講されるAIやデータサイエンスの基礎的な科目ではなく、学ぶ内容はレベルの高い情報系の科目となります。今日のデジタル社会において喫緊に必要とされている、データサイエンスやデジタルアートの基礎理論を身につけ、応用展開力を発揮する人材および研究者を育成するものです。また、多くの大学がデータサイエンス学部、あるいは情報学部という専門特化を図っているなかで、跡見学園女子大学では情報芸術系の学部となる予定です。
 ここには、学問だけではなく、芸術や書道、さらにはスポーツの学びを通して、豊かな教養と自由な精神をもつ自立した女性を育てようとした、学祖・跡見花蹊からの教育理念を継承する本学の強いこだわりがあります。
 150年もの長い歴史のなかで学祖の想いを脈々と受け継ぎながら、時代に合った教育を取り入れて進化していく。これが跡見学園女子大学ならではの大きな特徴です。

課題解決のための情報交換の場が必要
 勉強の仕方がわからない。将来の目標が見つからない。自己表現は苦手。そのような高校生に対して、一歩踏み出すきっかけをつくるのが教養科目です。そして、跡見学園女子大学には教養を身につけるための環境が十分に整っています。本学へ入学し、ぜひ、基礎教養科目を幅広く学び、自己表現する力を身につけてください。
 高大連携、高大接続への取り組みは難しい問題ではありますが、高校と大学の教員がコミュニケーションを取り、例えばキャリア教育のスタートの部分を高校教育のなかに取り入れていくなど、お互いにさまざまな課題を話し合い、検討しながら解決していくための情報交換の場をつくっていきたいと考えています。

【Profile】
跡見学園女子大学 理事長 跡見 裕(あとみ・ゆたか)氏
1944年(昭和19年)12月5日、愛知県出身。外科医で専門は膵臓、胆道外科。 東京大学医学部卒業後、東京大学病院第一外科を経て、杏林大学教授、杏林大学学長を歴任。 跡見花蹊と遠戚にあたる適塾出身の蘭学者である跡見玄山から4代目。

【跡見学園女子大学(スタディサプリ進路)】



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