楠木先生の、キャリアガイダンス編集部 留学日記#3
「夏休み、だれと出会いたいですか?」
北海道上川郡東川町で開催された「LIPフェス~「自分の未来」を想像する、学びと対話の2日間~」の運営に携わった。LIPとは「Learning Inter-Person」、人と人とが交わり、互いに自分の「なぜ?」に向き合う学びの場を意味している。町内外の企業や大学生、高校生など、約40組が登壇し、仕事や活動にかける想いを語り、登壇者と来場者が一緒になり、将来について議論を重ねた。
「なぜ勉強するのか?」
「なぜ働くのか?」
「自分は何を実現したいのか?」
「自分にとっての幸せって何か?」
近年、学校でも企業人講話や卒業生講話など、他者の価値観から、自分を見つめる時間が多くなった。先が見通しにくい社会だからこそ、様々な価値観を学ぶ中で、「自分は何を大切にしたいのか」、「やりがいや幸せって何だろうか」と考える機会の重要性は高まっている。
私は、今回の講演を通じて、「出会い」の大切さを学ばせていただいた。自分のやりたいことや夢を言語化して表現すれば、支えてくれる・応援してくれる人が必ずどこかにいる。「どうせ、無理だ!」と決めつけるのではなく、勇気を出して発信し続ければ、必ず仲間が現れる。今は一人かもしれないが、「自分のやりたい!」は必ず他人を動かし、協業してくれる企業や人と出会える教えていただいた。
学校は、これまで以上に、出会いの場としての機能が重要視される。だれと出会い、どのような人と一緒に学びを深めるのかで、子どもたちの可能性や選択肢は大きく変わる。教員として、教科書をわかりやすく教える以上に、交流の場としての環境整備に尽力する必要がありそうだ。一方で、私自身なかなか新しい出会いを求めて、外に出る機会が少なかったと痛感している。自分がどんな人と出会っているかが、教員として求められる一つの指標かもしれない。
『まだ、ここにない、出会い。』
夏休み、お忙しいかもしれませんが、新しい出会いを求めて、出かけてみてはいかがでしょうか?
【Profile】
楠木 翔(くすきしょう) ●静岡県公立高等学校教諭。専門は理科(化学)。
2024年4月より民間企業等長期派遣研修生としてキャリアガイダンス編集部に出向中。
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