学校法人片柳学園 日本工学院専門学校 日本工学院八王子専門学校 校長 中村英詞氏

「好き」を仕事にするための理想的な教育環境。
高い専門性と豊かな人間性を育み、コンテンツ産業の未来を支える

 学校法人片柳学園は、絵画科と洋裁科を擁する「創美学園」として、1947年東京・蒲田の地に誕生しました。1953年にはテレビ本放送開始に合わせて「日本テレビ技術学校」を設立し、「日本電子工学院」に改称後は電子計算機教育をいち早く開始。1976年に現在の「日本工学院専門学校」となり、1987年には東京工科大学を開学するなど、常に新たな分野に挑戦し、時代に先駆ける学びの提供で総合学園として発展してまいりました。

 本校ではさらに専門性を追求するために、2007年よりカレッジ制が導入されました。現在は蒲田・八王子の両キャンパスで、「クリエイターズ」「デザイン」「ミュージック」「IT」「テクノロジー」「スポーツ・医療」の6カレッジ、35学科107専門分野に及ぶ多彩な学科を設置し、“好きなことを仕事にしたい”という学生たちの気持ちに応えています。

創立から約80年にわたりプロフェッショナルを輩出
 2027年の学園創立80周年に向け、日本工学院は新しい挑戦を続けています。2026年4月には、デザインカレッジに「ゲームクリエイター科三年制」と「ゲームプログラミング科(2年制)」を、ITカレッジに「ホテル・観光科」を新たに開設し、より高度な専門技術を習得したクリエイターやプロフェッショナルの育成を目指します。時代の変化やニーズに合わせ、開拓者精神をもって、創意工夫で社会が求める人材を輩出していくことは、本校の建学の精神でもあります。

 2025年度より校長に就任するにあたり、教職員に向けてこれからの教育目標を発信しました。自ら考えて行動できる力、最後までやり抜く力、そして日本工学院の看板を背負う自覚と責任。この3つの軸をしっかりと育ててほしい、ということを呼びかけています。これらは在学中に学ぶうえでも、社会に出てからも必要とされるものばかりであり、学生だけでなく、私たち教職員も強く意識すべきものでもあります。

学ぶ意欲を刺激する、業界のトップランナー企業や卒業生たち
 プロから学びプロを育てる、という本校の伝統的な教育をさらに推進するために、今後も企業との連携をより強化していきたいと考えています。各カレッジが企業や団体と連携し、学内外で実践的な授業を展開する産学連携プロジェクトや、プロの現場を体験するインターンシップは、学生が大きく成長する重要な機会です。また、“好き”を仕事にしたいと考える学生にとって、業界の第一線で活躍する著名人を迎えた講義や、音楽フェスやスポーツイベントへのサポート参加は、学生たちの心を大いに刺激し、その後のモチベーションの高まりにもつながっているようです。

 社会や企業とつながるうえで大きな役割を果たしているのが、卒業生の存在です。卒業生からの紹介をきっかけに企業のPRポスターを作成し、駅や街なかに掲出されるといった実績は年々増えています。卒業生が現場のリアルを語る場や、在校生と卒業生が対話できる機会も頻繁に設けるようにしており、そのときにはいつも以上に熱心に耳を傾ける学生たちの姿が見られます。約26万人もの学園の卒業生は、私たちにとってまさに大きな財産です。

広大な2つのキャンパスで叶える理想的な教育環境
 「理想的学びは理想的環境にあり」の理念の下、充実した学習とキャンパスライフを送るための環境を整えてまいりました。都心型の蒲田キャンパスと、自然豊かな八王子キャンパス、いずれも先進の実習設備や施設を備えた理想的な教育環境が学生の学びを支えています。蒲田キャンパスは、アクセス良好な立地に約4000名収容のアリーナやライブハウス、多彩なスタジオを備え、八王子キャンパスはスポーツ施設や研究施設が充実しているほか、東京ドーム8個分もの広大な敷地でドローンの飛行もできるなど、キャンパスはそれぞれにできることや強みが異なります。そのため2キャンパスが相互に乗り入れ、どちらのキャンパスも存分に活かして学べる仕組みづくりを進めています。

プロによる現場直結の授業と、担任制による親身なサポート
 各業界を牽引するプロフェッショナルな講師・教員陣が揃っていることも本校の誇りです。高い技術力はもちろん、ハイレベルなものづくりやヒットへ導くための理論をもった各業界のプロを講師に迎え、直接指導や実践的な実習を行っています。一流のプロに直接学べる教育環境こそが、次世代のプロを育成するための土壌になると私たちは考えます。高い専門力と人間力を兼ね備えた講師・教員陣は、各業界や企業とのネットワークを活かし、産業連携プロジェクトや就職指導など、学生と社会をつなぐパイプ役としても尽力してくださっています。

 また、本校はクラス担任制を採用し、学生一人ひとりとじっくり向き合い、日々の学習や進路のサポートを行ってきました。近年は通信制高校から本校へ入学する生徒が大幅に増えたこともあり、毎日の通学や学校生活に対するより丁寧なサポートが求められています。初年次は特にきめ細かな面談を何度も実施し、一人ひとりの個性や事情を把握しながら親身に支えることも、本校のクラス担任の役割であると考えています。

カレッジや学科の枠を越え、広がる創造性
 多彩なジャンルの学科を有する総合学園だからこそのコラボレーション学習も、日本工学院ならではの教育と自負しています。例えば、マンガ・アニメーション科やゲームクリエイター科が制作したアニメーション・ゲームの声を声優・演劇科の学生が担当する。アニメーションのなかのキャラクターの動きをスポーツやダンスを学ぶ学生がモーションキャプチャーで取り込み。あるいは、スポーツチームのTシャツデザインをデザイン科の学生が考案し、スポーツビジネスを学ぶ学生が試合会場で販売するなど、多数の作品制作やプロダクト開発、イベントの開催を、カレッジや学科を越えた協働で実現しています。

 こうしたコラボレーションの多くは、教員間のコミュニケーションから生まれてきました。そのきっかけの一つとなるのは、キャンパスを挙げて行われる学園祭や体育祭です。それぞれが専門分野をもち寄り、教員や学生が協力して大規模なイベントをつくり上げることで横のつながりが生まれ、いくつもの専門性を融合させたコラボ学習が自然発生していくのです。

 自分が所属する学科のなかだけで学びや作品制作を完結しようとすると、教員も学生も必ず疑問や壁にぶつかります。行き詰まったときには、ほかのカレッジや学科の教員に相談するよう促しています。異なる視点から意見をもらうことで得た新しい気づきは、より良いカリキュラムやものづくりにつながっていくと確信しています。

高度な専門性と豊かな人間性を育み、地域社会や未来の産業に貢献する
 学内や企業との連携はもちろん、高校や地域との連携も年々充実してきました。多数の高校と教育連携協定を締結し、スポーツ・音楽・ダンス・ゲームなどの部活動や、体育祭・学園祭などイベントのサポート、高等学校DX加速化推進事業(DXハイスクール)における出前授業など、教育活動を積極的に支援しています。

 キャンパスのある大田区・八王子市では、地元のお祭りのポスターデザインや、まちづくりのアイデア提案など、学生のスキルや感性を活かした地域連携活動も継続して実施してきました。学園創立の地である蒲田エリアでは、現在も“テレビ学校”や“日本電子学校”といったかつての愛称で呼んでくださる地域住民の方も多く、長らく地域に根差した学校であることを実感しています。これからもさまざまな地域連携を通じて、日本工学院の魅力を広く伝え、地域社会に貢献ができればと思います。

 音楽やアニメ、ゲーム、デザインに関わるエンターテインメント業界は、本校でも学生に人気のある業界です。国は2033 年までにコンテンツ産業の海外売上高を20 兆円とする目標を打ち出しました。これらの産業の未来を支える上で、今後ITやAIのスキルは不可欠であり、進化し続けるテクノロジー分野を担う人材の育成が急務であると捉えています。その一方で、技術や知識だけにとどまらない人間的な魅力をもち、社会でしっかりと活躍できる人材を、本校は創立以来育成し、輩出し続けてきました。それはこれまでも、これからも変わらない、日本工学院の教育の理念です。“好き”を仕事にしたい、という学生の夢や希望を実現するため、あらゆることに挑戦ができる環境や教育体制を整備し、全力でサポートしてまいります。

【Profile】
中村英詞(なかむら・えいじ)氏

国際武道大学体育学部体育学科卒業。中学校・高等学校教諭一種免許状【保健体育】<国>取得。
山梨県立石和高等学校、石和町立石和中学校勤務を経て、2000年日本工学院専門学校 芸術学部コンサート・イベント科教員として入職。
同校のミュージックカレッジ長、学校法人片柳学園評議員、日本工学院専門学校副校長を経て、2025年4月日本工学院専門学校・日本工学院八王子専門学校 校長に就任。


【日本工学院専門学校(スタディサプリ進路)】
【日本工学院八王子専門学校(スタディサプリ進路)】

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