静岡理工科大学 学長 木村雅和氏

学生の成長にさらに寄り添う教育・研究を目指し、
常に進化を続ける静岡県唯一の私立理工系総合大学

臆することなく挑戦する「やらまいか精神」が人を成長させる
 本学は静岡県袋井市との公私協力方式により、1991年4月に開学した静岡県唯一の私立理工系総合大学です。基本理念は「豊かな人間性を基に、『やらまいか精神と創造性』で地域社会に貢献する技術者を育成する」ことにあります。

 「やらまいか」というのは「一緒にやってみよう」という意味をもつ遠州地域(静岡県西部)の方言で、チャレンジ精神が旺盛なこのエリアの人々の気質を表現しています。
 成長するためにはいろいろなことに積極的に挑戦することが重要です。この「やらまいか」という気持ち、臆することなく「やってやろう」という強い意思をもつことが大切であると本学は考えています。

 また、本学は研究に取り組むことにより、「自らを“研”ぎすまし」、「学びを“究”め」、「人としての“力”をつける」ことを大切にしています。本学ではこれを「研究力」と呼んでいます。
 研究は学びの大切なプロセスです。課題解決に挑むことにより、論理的思考力が鍛えられます。失敗を恐れる必要はありません。たとえ失敗したとしても、何度でも挑戦することで成功に近づいていけますし、その過程で粘り強く取り組む忍耐力も身につきます。

 そのことからも想像していただける通り、「研究力」により、研究そのものによって高めていく「専門力」に加え、研究を通じて身につけていく「人間力」も磨いていくことができます。この「研究力」が学生の可能性を広げ、彼らの未来を、そして地域社会の未来を変えていくと本学は確信しています。

「研究力」を高める教育環境が静岡県西部のものづくりを支える
 静岡県西部地域には世界に名を轟かせる企業からその一次下請け、二次下請けの企業まで、大小さまざまなものづくりの企業があります。1万人以上を誇る本学の卒業生は8割近くが地元の企業や自治体に就職しており、中でも特に中小のものづくり企業の技術者として現場の最前線で活躍している人が目立ちます。このことの礎となっているのが「研究力」を高める本学の教育環境です。

 自然が豊かな本学の敷地内には最先端レベルの研究施設・設備を整備しています。学生は時間に縛られることなくそれらを使うことができるため、研究や実験科目のレポート作成などを効率良く進めることができるのはもちろん、そこに備わる機器の操作スキルや分析データの読み取りスキルを身につけることもできます。

 また、本学の施設・設備は研究拠点として地域の企業に開放しています。共同研究や相互の技術相談などを行うこの産学連携活動により、この地域ならではの新しい製品や新しい技術の創出に携わることができます。社会人になった本学の卒業生やその先輩社員の方々と交流する機会の中でコミュニケーション力、協調性、積極性、リーダーシップなどが身につき、地域社会と関わることの意義についての理解も深まります。

 さらには、集中して研究に打ち込めるよう、研究室を少人数体制としています。本学の教員はさまざまな分野の専門家としての経験と実績をもつ者ばかりです。それら教員と学生の距離が近いことにより、コミュニケーションが取りやすく、学生一人ひとりが着実に現場力を身につけていきます。
 少人数体制には仲間とともに学び合えるというメリットもあります。ここでも社会で必要とされる主体性や協調性を磨くことができます。

 加えて2024年4月にはJR静岡駅前に「御幸町キャンパス」が誕生しました。この新キャンパス内では、VR(バーチャルリアリティ)やメタバースなど、新しいタイプの情報の扱い方について学ぶことができます。このキャンパスも研究開発の場として開放し、地域社会といっしょに取組を進められる拠点にしていきたいと考えています。

さらに学生の成長に寄り添うため、学部学科体制を再編予定
 本学では2026年4月より、現在の2学部7学科から「理工学部 理工学科」、「建築・都市デザイン学部 建築・都市デザイン学科」、「情報学部 情報学科」の3学部3学科へと体制を再編する予定です。
※設置認可構想中。名称や内容は予定であり、変更となる場合があります。

 学生の成長にさらに寄り添う教育・研究を目指し、これまでの本学の強みである「地域特性を活かした教育研究活動」、「産学連携活動」、「少人数制教育」などに加え、複数分野の知識・技術を習得するための「分野横断型教育」、学びながら(体験しながら)専門分野を選択することや新しい価値の創出・チャレンジ精神の醸成に役立つ「アントレプレナーシップ教育」、社会ニーズに合わせた研究を推進する「アドバンスト教育」などを教育体制の新しいポイントに掲げ、学生の「やりたい」「なりたい」と向き合い、支援を続けます。

 施設・設備の環境もさらに充実させていきます。
 私が所長を兼任している静岡大学の電子工学研究所には半導体についての研究ができる最先端の設備が備わっています。静岡大学と協定を結び、本学の学生がこの貴重な設備を使い、研究できるようにしました。
 同様の協定を浜松医科大学との間でも結びたいと考えています。浜松医科大学は医学部と工学部が連携して研究する「医工連携」に力を入れており、病院のすぐそばにラボ(研究室)を作ろうとしています。その浜松医科大学に本学の学生が常駐し、研究に携わることで、学生にとって身につくことが多いと考えています。
 このように本学は静岡大学・浜松医科大学の両大学と連携し、半導体に強い人材や医療・介護の担い手を育成することに注力していきます。

 本学に入学する皆さんには社会が抱えるさまざまな課題に対し、臆することなく挑戦する人材になっていただきたいと願っています。自らの進む道を自ら選択できる人。自分がやりたいことを一生掛けてやり遂げていくような生き方ができる人。そういう気概をもつ学生が地域社会の、そして日本の未来を変えていくと確信し、本学は今後も教育改革を進めていきます。

【Profile】
静岡理工科大学 学長 木村雅和(きむらまさかず)氏
静岡大学電子工学研究所 所長
工学博士(東北大学)

1960年、静岡県清水市(現:静岡市清水区)生まれ。
1983年に東北大学工学部電子工学科を卒業、1985年に東北大学大学院工学研究科博士前期課程を修了。
1985年、静岡大学電子工学研究所に入所。
1992年6月から1993年11月、ヴィクトリア大学(カナダ)機械工学科客員助教授。
その後、静岡大学イノベーション共同研究センターセンター長、静岡大学イノベーション社会連携機構機構長、静岡大学理事、はままつ次世代光・健康医療産業創出拠点拠点長などを歴任。
2022年4月に静岡理工科大学第6代学長に就任し、静岡大学電子工学研究所所長を兼任。
2025年4月より静岡理工科大学第6代学長専任。
専門分野は電子工学・半導体工学。


【静岡理工科大学(スタディサプリ進路)】

TOPインタビューに戻る