NSGグループのアセットを活かし、専門職大学の総合大学を目指す/開志専門職大学

開志専門職大学キャンパス


北畑隆生 学長

 新潟県に拠点を置くNSGグループが運営する学校法人新潟総合学院は、2020年4月に開志専門職大学を開学した。34の専門学校、2つの大学、1つの大学院大学を擁するNSGグループに、専門職大学という新しい学校種が誕生したことになる。開学の経緯や育成したい人材像、教育の特徴などを、北畑隆生学長にうかがった。

2大学、1大学院、34専門学校の実績を活かす

 2020年7月現在で認可されている9校の専門職大学は、開志専門職大学を除きいずれも単科大学だ。しかし池田弘ひろむNSGグループ会長が目指したのは「専門職大学の総合大学を作りたい」というものだった。

 なぜ専門職大学なのか。この問いに北畑学長は、「即戦力を育てる専門学校には、本業の実技に加え体系的な知識・理論を学ぶのに、2~3年では時間が足りないという課題がある。専門職大学は、専門学校の実践的教育の良さを取り入れた新しい4年制大学であり、専門学校、大学、大学院大学を持つNSGにぴったりの制度だった」と語る。「専門職大学の総合大学」とは、これまで専門学校で多くの即戦力を輩出してきた実績を活かし、新たな社会のニーズに合致する、高度なプロフェッショナル人材を育成しようという、NSGグループの総合力を結集した挑戦なのである。

 この新設大学を率いるのが、元経済産業事務次官を経て、兵庫県の中高一貫校三田学園で理事長、校長の経験を持つ北畑学長だ。経済産業省(以下、経産省)時代には、経済産業政策局長として社会人基礎力を提唱、その後の大学教育改革に与えた影響は言うまでもない。三田学園では、高大接続改革で育成の必要性が謳われる「学力の3要素」のうち、特に思考力の育成に注力し、全生徒と教職員に一人1台タブレットを配布、総合商社丸紅でのワークショップ等、実践的な教育改革を推進してきた。そんな北畑学長だからこそ、池田会長から学長の要請を受けた時、「経産省時代からの問題意識を現場で実現できる機会が与えられた」と快諾したという。

 建学の精神「自学、挑戦、創造、貢献」は学長自らが起草。自ら学び、一歩前に踏み出す勇気と、独創性、創造性を武器に、高い志を開花させ誇りを持つ専門職を養成する。「50年間発展し続ける産業や職業はそうはない。新型コロナの問題で非接触型ビジネスが台頭したように、今後10年、20年スパンで起こる変化で失業するのではなく、より良い職業への転職のチャンスと前向きに捉える人材でありたい。50年の職業人生を力強く生き抜く力として、応用力と展開力を兼ね備えた人材を育てたい」と北畑学長は語る。

NSGグループが提供する学びの場

「5つのポイント」と「4つの圧倒的成長プログラム」

 それを実現するために、既存の4年制大学にはない実践 的で特色ある教育を展開する。

 まず学部構成だが、専門学校の中の成長分野から4つの学部を構想した。20年4月に事業創造学部と情報学部の2学部をスタートし、21年4月に国際観光学部とアニメ・マンガ学部を設置認可申請中だ。いずれもサービス系で、あくまで目的は成長分野での人材育成である。

 事業創造学部は、既存の経営・商学部とは異なるアントレプレナー養成に焦点を当て、ベンチャー起業や企業内起業を目指す人、地元新潟の事業承継者等を育成する。情報学部はまさに成長分野の高度ICTに特化した人材を養成する学部である。「起業時には最先端のICTが必須で、ICTの分野でも新事業が生まれる。2学部の連携で学問が横に広がり、教員の相互交流で経営効率も上がる等、総合大学のメリットがここにも活きる」と北畑学長は語る。

 そして教育の特徴に「5つのポイント」として、①「4つの圧倒的成長プログラム」、②600時間以上の超・長期の企業内実習、③オンライン英会話レッスン・語学留学プログラム、④オリジナルキャリアサポート、⑤実務家教員17名を含む専任教員と世界トップランナーの特別講師陣(76名)を掲げている。

実践的な4 つの圧倒的成長プログラム

 中でも同大学独自の取り組みとなる①「4つの圧倒的成長プログラム」は、1「クラウドファンディング」、2「クラウドソーシング」、3「海外ビジネス武者修行」、4「ビジネスプランコンテスト」から構成される。1と2はこれから流行る最新のビジネスを学生が体感する場で、1はクラウドファンディング企業Readyforと連携し、インターネットを通じて自分のアイデアを発信し事業資金を募るビジネス、2はオンライン仕事マッチングプラットフォーム企業Lancersと連携し、学生が企業や官公庁から実際に仕事を受注するものだ。3は海外研修・インターン企業の旅武者と連携し、ベトナムで2週間のインターンシップを体験する学習プログラムである。4は今、社内ベンチャー支援として企業内で盛んなビジネスコンテストを大学にも取り入れ、学生が作ったビジネスモデルを表彰し、実現のための賞金も出す。さらに1~4で学んだ成果を、ビジネス特化型SNSのLリンクトインinkedInで世界に発信することもできる。

入学者の手応えと新設学部への期待

 さて、専門職大学といえば設置認可の厳しさで知られるが、同大学も認可されたのは11月11日と、予定の8月を大きくずれ込んだ。11月といえば高校進路指導も終わった後だが、初年度の2学部(各定員80名)の募集結果は、「受験者総数は両学部とも定員を上回り、入学者は情報学部は定員通り、事業創造学部は数名の未充足で済んだ。新しい制度に挑戦してみようという人がこれだけ集まったことは、認可が遅れたハンディを考慮すると大きな成果だった」と語る。さらに社会人や外国人の応募もあった。募集エリアも新潟県内が7〜8割を占める中、意外に多かったのが首都圏だった。「社会人、留学生、首都圏と、まさに目指す層からの応募があったことは心強く思った」と振り返る。

 現在、国際観光学部とアニメ・マンガ学部の21年4月設置に向けた認可申請中だ。国際観光学部は新潟でも増えてきたインバウンドに応える学部であり、アニメ・マンガ学部は日本が最も競争力を持つ成長分野なので、外国人の応募も増えるはずと北畑学長。開学してオープンキャンパスもできるので、昨年よりはPRもしやすいと期待を募らせる。

 今後も34の専門学校のアンテナを活かし、時代の要請と産業界のニーズに応える学部を増設していく。と同時に「まずは4年後の就職が照準。これから4年間のわれわれの教育に学生がどのくらいの問題意識を持ってついてきてくれるかにかかっている」と気概をにじませた。



(文 浅田夕香)



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