進路環境データ2015

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『クラス担任のためのキャリアガイダンス』vol.26 掲載紙面

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Data Index

進路環境DATA[1]大学進学者に知らせておきたいことは?

 

進路環境DATA[2]専門学校進学、その後が心配…

 

進路環境DATA[3]これからの教育の方向性が気になる!

 

進路環境DATA[4]就職環境は改善しているか?

 

進路環境DATA[5]社会の現実をどう伝える?

 

進路環境DATA[6]奨学金の基礎をおさえておきたい!

 

進路環境DATA[7]進学にかかる費用は?

 

進路環境DATA[1] 大学進学者に知らせておきたいことは?

入学後まで見通せることで後悔のない進路選択を

生徒は大学の「入口」に気を取られやすいが、その先まで見通した進路選択が不可欠だ。
大学入学経路をみると、一般入試利用が最も多い。推薦・AO入試利用者に、入学後は一般入試に挑んだ人と共に学んでいくことを伝えたい。→[1]-1
大学進学後のデータで注目したいのが、中途退学者や休学者が増加傾向にあること。2012年度は全学生数の2.3%にあたる約7万人近くが休学、2.65%にあたる8万人近くが中途退学した。理由は「経済的理由」「海外留学」などさまざまだが、「学業不振」や「学校生活不適合」も少なくない。高校時代の学校や分野選びの大切さがうかがえる。→[1]-2
大学・短大卒業後の進路は、学部系統によって傾向が異なる。文系は就職者が7割を超える学部が多い。一方で、理学や工学などの学部では大学院等に進学する割合も大きく、進学の可能性も視野に入れて検討する必要がありそうだ。→[1]-3

[1]-1 入試方式別に見た入学者の割合

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[1]-2 大学の中途退学・休学者の数

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[1]-3 大学・短大卒業者の進路状況

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進路環境DATA[2] 専門学校進学、その後が心配…

8割近くご関係分野に就職 特に医療関係は高い水準

2013年度間の専門学校卒業者に占める就職者の割合は81.2%で、前年(79.7%)より上昇。関係分野への就職者に絞ってみても、8割近い。こうした就職率の高さは、仕事に直結する知識やスキルを学ぶ専門学校ならではの特徴ともいえる。ただし、状況は分野によって異なる。医療関係、教育・社会福祉関係、衛生関係は就職率と関連分野就職率がともに9割前後で、仕事につながる人がきわめて多い。進路指導では、こうしたデータをもとに、卒業後就職しやすいかどうかまで考えたうえでの進路選択を促したい。

[2]-1 専門学校卒業者の就職状況

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進路環境DATA[3] これからの教育の方向性が気になる!

大学入試、大学教育との一体的改革で高校現場にも変化が

現在、文部科学省が進めている高大接続改革は、大学入試、大学教育、高校教育の一体的な改革により、思考力、判断力、表現力、主体性、多様性、協調性などの真の学力の育成・評価を目指すもの。そうした動きの一例として、「アクティブラーニング型授業」が注目されている。これは、教員による一方向的な講義形式ではなく、問題解決学習や体験学習、教室内でのディスカッションやグループ・ワークなどを取りいれた、生徒が能動的に参加する学習法のこと。すでに半数近い学校でアクティブラーニング型などへの授業改善を実施しているが、学校全体として取り組んでいる割合は8.7%とまだ少ない。新しい学び方が急速に広がっていきそうだ。

[3]-1 高校でのアクティブラーニングなど授業改善の実施

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進路環境DATA[4] 就職環境は改善しているか?

高卒就職、大卒就職ともに前年より好調

まず、過去10年間における高卒就職者の内定・就職状況をみてみる。リーマン・ショック後の不況の影響により低調な時期もあったが、この数年は上昇傾向にある。2014年度は12月末時点で88.8%と、前年を上回るペースで内定者が出ており、最終的な3月末就職率も堅調に推移しそうだ。→[4]-1
また、大卒終章の求人倍率(求人総数民間企業就職希望者数)をみても、15年3月卒業者の数値は1.61倍と、前年の1.28倍から大幅に上昇している。ただし、状況は業種によって大きく異なる。建設業や流通業の15年求人倍率は5倍を超えているが、金融業やサービス・情報業は1倍にも満たない。就職環境全体は改善の方向にあるものの、生徒が希望する業種ごとに傾向をみる必要がある。→[4]-2

[4]-1 高卒者の就職内定状況

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[4]-2 大卒求人倍率の推移

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進路環境DATA[5] 社会の現実をどう伝える?

変化の激しい社会でしなやかに生きるためには
コミュニケーション能力や主体性が重要

企業が新卒採用の選考で重視していることの上位は、「コミュニケーション能力」「主体性」「チャレンジ精神」など。指示されたことをこなせばいいのではなく、チームで連携してより大きな仕事に取り組んだり、自ら新しい商品・サービスを創造していくことが求められているようだ。→[5」-1
このように人間性が大事だからといって、学習面が軽視されているわけではない。半数以上の企業は、先行において学業成績を重視している。→[5]-2
また、変化の激しい社会にあって、「定年まで1つの会社に勤務」とはいかないケースも少なくない。調査によると、全体で約6割、正社員でも5割が転職を経験。希望にかなう転職をするためには、専門性を高めたり、手に職をつけたりと、自分で市場価値を高める努力をし続けることが今後ますます重要だ。→[5]-3

[5]-1 大学生の採用選考で企業が重視した点

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[5]-2 選考における学業成績の重視

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[5]-3 働く人の退職経験

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進路環境DATA[6] 奨学金の基礎をおさえておきたい!

返還が必要な貸与型、優秀者への給付型など種類豊富

奨学金には、返還の必要がある貸与型と、返還の必要がない給付型がある。最も利用者が多い日本学生支援機構奨学金は貸与型。例えば、大学4年間で第二種を利用して月5万円を借りると、貸与総額は240万円。年利3%の場合、約302万円を15年間で返還する。返還を延滞すると延滞金を取られるが、返還が困難な人のための救済措置もある。採用は入学前にもあり(予約採用)、高校3年春に高校を通じて申し込む。このほか、大学や専門学校、地方自治体や民間団体が設ける奨学金もあり、成績優秀者に対する給付型奨学金が少なくない。

[6]-1 日本学生支援機構奨学金制度の概要

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進路環境DATA[7] 進学にかかる費用は?

分野によって大きな差 初年度納付金は100万円弱~

大学の初年度納付金は、国立で82万円。私立は学部系統による差が大きく、設備や実習等に費用がかかる理科系は、文科系に比べると高額になる。卒業までにかかる総額目安を比較すると、例えば私立文科系と私立理・工では100万円以上の差が出る。→[7]-1
専門学校の初年度納付金も、学科系統によって100万未満から200万円近くまで幅がある。就業年限が3年以上の学科もあり、卒業までに4年制大学並みの費用がかかる場合も。また、学校による違いも大きい。→[7]-2

[7]-1 大学の初年度納付金

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[7]-2 専門学校の初年度納付金

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※掲載データは『クラス担任のためのCareer Guidance』Vol.26(2015年4月発行)に掲載されたものです。