【進路指導・私の工夫】志望理由書が書けない!という生徒に対するアドバイスや、指導法

まずは箇条書きで書き出す

[1]志望する学部・学科で何をどのように学びたいか、[2]そう考えるようになったきっかけは何か、[3]それを将来の職業とどう結び付けたいか、というようなことを箇条書きさせ、生徒と面談をしながら膨らませていく。(北海道・公立)

今までに一番想い出に残ること周りの働く人で興味を持った事など、客観的に俯瞰したことを列挙させ、志望動機に反映させる。(大阪府・公立)

チャート図を利用しています。まずは箇条書きから始めます。(青森県・公立)

できるだけ具体的に「なぜ志望するのか」を挙げさせて糸口をつかむ。(神奈川県・私立)

1)内容を増やすよりも削る方が簡単なので(その方が良い文章が書けるので)、まずは分量にとらわれず、また、最初は文章の形でなくても良いので、思いつくままに関係するトピックを書かせる。最初はマインドマップのように項目名だけで書かせ、次のステップとして、それぞれの項目をある程度のまとまりの文章で書く。(箇条書きでも良い)
2)先に文章で書かせた方が書ける生徒もいれば、先に面接練習のような形で口頭で話をさせてから文章化した方が書ける生徒もいる。
3)志望先と自分との関係という短期的・局所的な視点になりがちなので、現在だけでなく過去や未来という時間軸や、自分だけでなく家族や友人や先生といった人間関係、志望先以外の学校/会社と比較する視点など、多角的な視点を提供する
4)「自分はこうしたい」という観点だけでなく、「相手がこれを読んで、自分に来てほしいと思うか(相手はどういう人材を求めているか)」をもっとも強調して意識させる。 (東京都・私立)

話を聞いて引き出す・整理する

書けない生徒には話をします。その際生徒にメモを取らせます。会話を記録させ、あとでふりかえるとそれが文章になる生徒は多いです。(京都府・私立)

面談を重ねて、やりたい気持ちを引き出します。(大阪府・公立)

「メモリーツリー」を会話しながら作らせる。添削では限界があり、短時間で発想を広げやすい。(静岡県・公立)

今まで取り組んできたことはなにか、これからやりたいことは何か、なぜ○○の部活に入ったのか、その部活で何を頑張ったのか、など、産婆術ではないが、一つ一つ具体的な質問をしながら、自分のことを振り返らせると同時に、これからのことを考えるきっかけを与えられるようにする。数分で終わる生徒もいれば、数時間、数日かかる生徒もいる。自分の考えをある程度整理できたところで、志望理由をあらためて記入させる。(神奈川県・公立)

とにかく丁寧に面談する。すぐに文章化できないので、面談を通じて生徒の発言をまとめて報告する。その言葉をもとに文章にしてみようと伝える。(埼玉県・公立)

志望理由書が書けない生徒を呼んで、「この会社は何を作っているの?」「あなたはこの会社でどんな仕事を担当してみたいの?」「あなたの得意なことは何?」などの質問をして、その内容を箇条書きさせます。それを文章に整え直すことから始めました。(山形県・公立)

その大学学部学科系統について、気軽な会話をすることで生徒の考えを知り、考えを固めていく。結構この方法は使える。生徒は初めから「きちんとした堅い志望理由」を考えようとしてフリーズしてしまう。そこで雑談みたいな会話の延長で、生徒自身にそもそも志望した理由を考えさせ、話させようというわけである。(青森県・公立)

指導中、「雑談だよ」と言って本音を探るようにします。「何でここを受けようと思ったの?」と聞いて、些細なことでも聞き出すようにします。生徒は「こんなこと言ったら、落ちるのではないか?」と思って本音を言わないことがありますが、実はそのことの方が他の子にはない、自分だけの体験等を踏まえた意見で結構説得力がある場合が多いです。(宮城県・私立)

家族や世間の風評など、まわりの評価に左右されやすい生徒が、自分の考えに自信が持てず、迷っているケースが多いので、状況をよく聞いてから、視野を広げ、自分のやりたいことへの気づきをうながすようにアドバイスを行う。(神奈川県・私立)

ヒントとなるネタを提供する

大学の先輩の様子などをHPでいっぱい見せて、自分がいいなあと思う先輩を5人探させます。そこからどこが気に入ったか考えさせると、大学に行く意味に気づく場合が多いです。(京都府・私立)

なぜその大学、なぜその学部、などの理由が全くないということはないので、それらを一緒に確認していく。また、志望校のパンフレットやHPを一緒に見て、何に本人が魅力を感じたのかを確認していく。(埼玉県・公立)

インターネットなどにのっているポイントなどを教える。(愛知県・公立)

大学の募集案内に書かれている「アドミッション・ポリシー」をしっかりと読むよう指導する。ここには大学の欲しい学生像が書かれているから。(兵庫県・公立)

「学校案内」「企業案内」などを一緒に読んで、その中からキーワードを見つける。(神奈川県・私立)

普段から読書することや、新聞を読むことで、志望先の周辺知識を膨らませる。大学パンフレットや過去の報告書などでつくった志望理由書は底が浅く、少し突っ込まれるとだめなので、遠回りでも関連分野の知識を身につける方法が書くコツだと思う。(広島県・公立)

指向性がつかめない場合は、一週間の間に関心を持った広告や見たテレビ、訪問したホームページなど記録させて傾向を知る。読書歴なども質問する。(静岡県・公立)

志望する上級学校や企業のことを、教員がまず研究してアドバイスをする。その中で少しでも生徒が興味を持ったキーワードを中心に、掘り下げていく。(福岡県・公立)

体験させる

伝えたいというものがない場合はどんなに遅くても、何か体験をさせる。職場体験、オープンキャンパスなど、行動させるのが早い。(静岡県・公立)

大学が決まっていることが前提ですが、志望理由書が書けない生徒の対応として、オープンキャンパスを薦めます。オープンキャンパスがそのネタの宝庫であると考えていて、大学の講義、研究室見学、研究、教授の話、大学生の話し、施設、校風などの内容や感想をメモさせる。そのメモを参考に書く。最も重要なのが、大学の先生の講義と研究室の内容だと考えていて、基本形として、「○○研究室の○○教授の研究に携わりたい」という内容にする。その内容であれば、○○大学に行きたいという理由がはっきりする。(愛知県・私立)

書き方のフォーマットを示す

いろいろなやり方があり、どれが良いのかは一概には言えませんが、私がよく用いる手法のひとつは、「時間軸を用いた手法」です。これは自分の過去→現在→未来を一本の線で結びつけて説明するやり方です。「なぜこの勉強をしたいのか」または「なぜこの仕事をしたいのか」を裏付ける手法として説得力があると思います。 (例)私は小さい頃から物づくりに興味があり、ラジコン製作や模型製作に熱中した時期もありました。高校は工業高校を選び、現在「電子機械科」で、主に、工作機械を用いたものづくりに取り組んでいます。貴学に入学後は、高校で学んだ知識や技能をさらに発展させたいと思っています。そして大学卒業後は、工作機械メーカーに就職し、日本のものづくりに貢献したいと考えています。(千葉県・公立)

進学の場合ですが、志望する大学の専門分野(医師、薬剤師、教師…など)に必要な資質を10以上考えてくるように指導します。例えば、医師なら「好奇心、向上心、コミュニケーション能力、人間性、確かな技術、協調性、体力、気力、学力、話術…」というように。同じ内容でも、ちょっと違っていてもとりあえず気にしないことにします(あとで精査します)。
次に自分の体験を考えてみます。例えば、「高校生活で学んだこと」として「部活動」と答えた生徒であれば、部活動を通して「仲間とともに協力できた」「体力と気力には自信があって何事にもがんばれる」など。「得意科目」であれば、「○○をがんばって、こんなことに興味を持っている」など。ここから医師にとって必要な資質を持っていることをアピールできる材料を探すことができます。(北海道・公立)

見本、フォーマットを示して、とりあえず書かせてみる。仮に丸写しでも書いているうちに自分の気持ちが出てきて、書ける場合もあると思います。(大阪府・公立)

過去の志望理由書(冊子)を見せて、自分がどのタイプのものに近いかを選ばせる。それを写させ少しずつ自分のものに書き換えさせ添削していく。(沖縄県・公立)

何を主眼に書くかを伝える

最近は、「どうして○○になりたいか」、より「○○として何がしたいか」という方向で考えさせています。「どうして~」だと志望理由というより「きっかけ」になってしまいがちですが、「何がしたいか」だと明確にその職業や学校に対する志望理由を作ることができます。(北海道・公立)

志望理由書についてはいつも、自分の根っこについて話します。太い幹がしっかりしていない子が多いので、その幹が何なのか(自分の夢、やりたいこと、今までがんばってきたこと)をはっきり理解させたいですね。何よりも大切なことは、自分の夢を実現するだけの力を誰もが持っていると気づくことです。部活動でも、行事でも、何があってもあきらめない心を育てていることを特に強調しています。その力が本人の太い幹であり、そこを意識すると細かい枝葉のような事は簡単に書けると思っています。(東京都・公立)

書けないということは、確固たる理由が存在しないということ。アドバイスとか指導方法とかではなく、根本的な部分で「志」が欠落している可能性がある。とことん生徒と話し込み、心の叫びのようなものに迫る。(滋賀県・公立)

未来を想像させる

5年後にどうなっていたいのかをイメージさせる。興味関心・適性を聞いてそれを将来どのように生かしていくかを考えさせる。(静岡県・公立)

大学に入った時をイメージして、その時、何をやっているか想像してみる。(岐阜県・公立)