奥羽大学 学長 赤川 安正氏
(2016年1月12日更新)
超高齢社会のニーズを見すえた教育改革で、
地域医療の未来を牽引するリーダーを育成する
豊かな自然のなかで、《良い歯科医師・薬剤師》を目指す
『高度な専門知識と技術を備えた人間性豊かな人材を育成する』を建学の精神に、本学は1972年に東北・北海道地域における唯一の歯科大学「東北歯科大学」として創設されました。そして、1989年に文学部を開設し「奥羽大学」に名称を変更。平成17年(2005年)には高齢社会へ突入した地域にあって、老人保健医療福祉の向上の担い手となる薬剤師を育成するため、福島県で初めての薬学部を創設。今日まで、歯学部では4,057名、文学部では4,109名、薬学部では542名の卒業生を輩出しています。
本学には医療系の歯学部と薬学部をもつことから、その価値を生かした4つの大きな魅力・特色があります。
1つめは、自然あふれる美しいキャンパスです。敷地面積は東京ドーム約4個分の広さをもち、豊かな自然に囲まれています。四季折々に美しい花が咲き、鳥の囀りが聞こえる、心が癒やされるこの環境でこそ豊かな人間性が育まれるのです。
2つめは、専門職医療人の育成です。歯学部は歯科医師に、薬学部は薬剤師にという明確なゴールの下、歯学部附属病院を使った薬学の実務実習など、本学ならではの専門的な学びができます。
3つめは、歯薬合同教育プログラムの充実です。1年時から歯学生と薬学生が合同で学ぶInterprofessional education(専門職連携教育)を行い、多職種協働の意識をもって活躍できる人材を育成します。
4つめは、熱心な教育指導です。歯学部、薬学部ともに教授を含め全教職員が学生に寄り添い学修・生活の両方の面で強力にサポートしています。教職員が学生の名前をほぼ全員分把握している大学はそうそうないでしょう。教職員間の距離も近く、相互での交流も多いのが特徴であり、本学の伝統でもあります。
大学全入の時代にあり、受験生はもとより父兄の皆さまから「奥羽大学で学びたい」「奥羽大学で学ばせたい」と思っていただける大学にするため、以上の魅力・特色にさらに磨きをかけていきます。
教育イノベーションプログラムで、地域医療の拠点を形成
本学では超高齢社会の国民の健康長寿に貢献するため、カリキュラムを改革し、教育イノベーションを推進しています。
これからの時代の医療を考えるなかで、「在宅」というキーワードを外すことはできません。それは、歯科医師、薬剤師の分野でも例外ではなく、社会は時代のニーズに合わせた医療を求めています。本学ではその「在宅歯科医療」や「在宅医療薬学」の課題解決能力と十分なスキルをもつ歯科医師・薬剤師を育成しながら、本学に「在宅歯科医療学・医療薬学」の拠点を形成します。ここでは、「在宅歯科医療学」と「在宅医療薬学」の学問体系を全国に先駆けて確立し、段階的に臨床教育を実施、さらに附属病院・地域関係者・各団体とのネットーワークにより、全国モデルとなりうる地域包括ケアシステムを実践したいと考えています。
一方で、地域連携・社会貢献は地方大学の大きな使命であり、地方再生にインパクトを与えます。本学がもつ知的・物的資源を地域(福島県内や郡山市)にできる限り提供して地域歯科医療や地域保健活動を支援し、歯科医師、薬剤師の学術的、倫理的水準の向上に貢献していきます。また、大学の施設を開放して地域社会の活動を支援し、公開講座や出張講座などで『口と歯、咀嚼嚥下、薬』に関する最新のトピックスを市民に提供していきます。また、小中高校生の教育支援として、高大連携講座、科学実験講座などに加え、大学見学や歯科医師・薬剤師の職業見学を受け入れており、進路の選択、職業の選択の一助にしてもらっています。今年からは郡山市の小中学校へ学生ボランティアを派遣し、児童生徒の学修支援を通じて交流も図っています。このような地域活性化につながる活動は今後も積極的に取り組んでいきます。
本年から開始された歯学部の新カリキュラム「エレクティブスタディ」も、教育イノベーションプログラムにおける大きな柱のひとつです。学生が主体となり自ら関心のあるテーマをみつけ、文献を検索あるいは研究を行い、その結果を発表することで、課題をみつけ解決しようとする能力を身につけます。この主体性をもつ学びは、やがて高度な専門知識と技術を備えた人間性豊かな歯科医師となり、社会の貢献につながっていくことと期待します。また、建学の精神である豊かな人間性を育む教育では、「医療倫理学」「医療コミュニケーション学」「臨床心理学」などの講義で、優れた医療人になるための「倫理観」「コミュニケーション力」「医の心」「恕」などを学び、「アカデミックリテラシー」「情報リテラシー」では、大学で学ぶための「読む」「書く」「聴く」「議論してまとめる」という基本スキルを得ます。さらに、前述の在宅歯科医療学、在宅医療薬学に、口腔インプラント学、摂食嚥下リハビリテーション学など、時代が求める新しい学問分野も学修します。ほかにも、歯学部・薬学部の1年生が合同で学ぶことで将来の多職種連携の意識を育むカリキュラムなど、教育イノベーションプログラムは多岐にわたっています。
医療人となる選択を手厚くサポート。大胆な特待生制度も発表
「歯科医師になる」「薬剤師になる」、すばらしい職業選択です。本学は先進の教育環境を整え、入学しやすいよう授業料を下げると同時に、6年間の授業料を両学部30名ずつ全額免除とする新たな特待生制度を2015年度より創設しました。さらに、先に述べた教育イノベーションプログラムにより、教職一丸となって皆さんをサポートします。そして、皆さんには、以下のことを望みます。
1.「自らの夢(歯科医師になる、薬剤師になる)に向かって、ひたむきにできる限り努力して、「歯学」「薬学」の知識と技術を学ぶ」こと
2.「責任をもって社会を形成するのに必要な教養と行動規範を獲得する」こと
3.「社会で自立して活動するための健康と体力を自己管理する」こと
4.「主体性をもって、課題を発見し、その問題の解決能力を養う」こと
5.「礼儀正しさ、他者への思いやりをもつ」こと
これらを学び、日本有数の美しいキャンパスをもつ本学で、歯科医師・薬剤師になる夢を共にかなえましょう。
【Profile】
赤川 安正(あかがわ やすまさ)氏
広島県出身。広島大学教授として活躍後、平成25年(2013年)4月に奥羽大学学長に就任。専門は歯科補綴学。アメリカ補綴学会ゴールドメダル、国際歯科研究学会(IADR)「歯科補綴学・インプラント研究」最優秀科学者賞、日本歯科医学会会長賞などを受賞。著書に『よくわかる口腔インプラント学』(編集・分担執筆)、『コンプリートデンチャーテクニック』(編集・分担執筆)、『パーシャルデンチャーテクニック』(分担執筆)など