受験期が迫って、焦りや不安から浮き足立っている生徒/回答のご紹介

12月発行号(Vol.420)のテーマ:受験期が迫って、焦りや不安から浮き足立っている生徒
直前模試の成績が落ちて、授業中もぼんやりしていることが増えた生徒に声をかける。

<やりとり>
教師:最近、授業中もぼんやりしていることがあるみたいだけど、勉強が手につかない感じかな?
生徒:…はあ。なんか焦っちゃって…
教師:そうか、焦っているんだ。直前模試の結果も気になっているのかな。
生徒:はい。自分では結構がんばって勉強してきたつもりなのに、全然成績伸びていないし。
   それなのに、推薦で決まった人とかいるし。もしかしたら、自分はどこも受からないん
   じゃないかって、焦るばっかりで。


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「成功なんて約束されものじゃないから、失敗することもある。でも失敗を心の糧にできる人には、
必ず成長が約束されているんだよ。だから最後までしっかり頑張って自分自身を成長させようね。」
と話して、受験勉強は自分を成長させるものであってどこまで頑張ったかの過程が一番大事であることを
伝えるとともに、周りの仲間がAOで合格していたりした場合、君たちのほうが苦労が多いから
もっと大きく成長することが出来るという事を励ましの言葉にしています。
また、入試問題の構成は50%が基礎だから、あわてて発展問題を解くよりも
確実に点数が取れる問題の取りこぼしをしないように、何度も基礎問題から勉強していくことが、
最終的には勝利につながることを話し、落ち着いて取り組むように指導しています。

(東京都・匿名)


大学入学試験が目の前に迫ってきたこの時期、多くの生徒が不安に押しつぶされそうになっています。
勉強が計画どうりに進んでいない。やり残している分野がたくさんある。模擬試験の判定が芳しくない。
焦りから登校せずに、自宅や予備校の自習室に籠もって勉強をする生徒もいます。
実は私にも経験があるのです。センター試験(当時は共通一次と呼ばれ、5教科7科目でした。)が
迫ったある日の朝、「このままでは目標点数に届かない。」「通学の時間も惜しい」
などと考えた私は登校せずに自宅で勉強を始めました。
始業の時間になり、私は寂しさに勉強が手につかなくなりました。居ても立ってもいられなくなり、
家を飛び出しました。「遅れてすいません。」と教室に入り席につくと、
隣の席の女子生徒が笑顔で「寝坊?」と声をかけてくれました。
「うん。二度寝してしもてん。」と私。教室のみんなを見回してとても幸せな気持ちになりました。
仲間と過ごす残り少ない高校生活を大切にしようと思いました。
「最後まで私はみんなを応援し続けます。」毎時間のように生徒に話します。
「どうしても不安だったら、進路指導室においで。」受験勉強は決して無駄にはならないのです。

(大阪府・清水直樹先生)


とりあえず、生徒の不安をすべて吐き出させることを意識します。
また、これまでの頑張りで自分自身ができるようになったことをもう一度思い出させたり、
将来何になるために頑張っているのかを再確認したりするようにしています。
教師:今までにもそういう気持ちになったことあった?そのときはどうやって乗り越えたのかな?
教師:周りを気にすると切りがないよね。そして誰でも他人がうまくいっているように見えて不安
   になるし。でも、あなたの今までの頑張りは他人と比べて決して足りないってことはないと思
   うよ。
教師:どうしてこの大学に行こうと思ったんだっけ?何がしたいんだっけ?その夢をかなえるために
   頑張っているんだよね。今は不安に思うことがあるかもしれないけど、その夢を達成するため
   にはどうしても通らなきゃいけないところなんだよね。今は必ず夢につながるし、これまでの
   努力が今につながっているんだから、もう少し頑張ってみたらどうかな。

(沖縄県・匿名)



いかがでしたでしょうか。 この連載では読者の先生方のご回答と、実際のお悩み例をとりあげていきます。実際に先生がお困りになられた生徒さんのケースをお寄せいただければ幸いです。自由にお書きください。

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