学校法人 堀井学園 横浜創英大学 学長 北村公一氏

「考えて行動のできる人」の育成を目指し、
さまざまなシステムづくりに取り組む


小規模大学だからこそ可能な教育を探る
 学校法人 堀井学園 横浜創英大学の前身は、1989 年 4 月に開学した横浜創英短期大学(情報処理学科)である。2007 年にはさらに看護学科を新設し2 学科体制に。その後、2012 年 4 月横浜創英大学(看護学部 看護学科、こども教育学部 幼児教育学科)として開学した。四年制大学としての歴史は来年で 10 周年を迎える比較的若い大学であり、また、小規模大学だからこそ可能な特長ある教育を実践できる大学でもある。
 私が横浜創英大学の学長に就任した 5 月は、世界中が新型コロナウイルス禍の真っ只中であった。その状況下で最も必要とされていたのは医師や看護師を中心とした医療従事者である。感染のリスクにさらされながらも、毎日、多くの患者を支え、その命を救うため、献身的に働いている。まさに、このマインドをもった看護師を育成するのが本学の看護学部のミッションであるといえる。
 また、子どもの教育の権利を奪う学校の休校も大きな社会問題である。未来を担う子どもたちを、心身ともに健康に支えていかなければ、国はなりたたない。小・中・高等学校とあるなかでも、教育の原点となるのは幼児教育である。「時間や約束を守る」「挨拶をする」など人間の基礎となる幼児教育を実践できる人材の育成も、また本学こども教育学部のミッションである。これらのミッションに応える教育を実践していく必要があると考える。

建学の精神を可視化する教育を実践
 「考えて行動のできる人」の育成。これが横浜創英大学の建学の精神である。現在、文部科学省の学習指導要領には、子どもの「思考力、判断力、表現力を育む」とある。では、その先には何が必要であろうか。
 それは、自分で考え(思考し)、判断し、表現するだけではなく、「行動すること」である。
 一人でも良い、仲間を作ってでも良い、その先には「行動力」が必要となるのである。まさに、今、横浜創英大学が実施しなければならない教育は、ここであると考える。
 そのためには授業においても単に知識を伝えるのではなく、実習を通し、学生自身が考え、その考えを基に、個人あるいはチームの中で、自分は今、何をしなければならないのであろうか、体験的に行動する力を身に付けなければならない。
 病院実習や教育実習においては個人のスキルアップはもちろんであるが、患者さんや子どもたちと「どう接するか」という視点だけではなく、看護学部であればチーム医療や病院という組織の中で、また、こども教育学部であれば、幼稚園や保育園という組織の中で、チームワークを活かし「どのように仕事をしていかなければならないか」までを体験を通して学ぶ。
 卒業すれば、社会の組織の中に入っていく。本学の 4 年間の教育で、社会における組織をまとめる力・支える力、組織のリーダーとなりうる力を身に付けていく。

学生も教員も、そして大学も共に成長する
 横浜創英大学の魅力の一つは、小規模大学であること。少人数のメリットは教員の目が学生に行き届き、コミュニケーションが取りやすく、チームワークを取り入れた教育活動の実践が比較的容易な点である。この環境を大いに活用し、教育のプロである教授陣が学生たちの好奇心や向上心を刺激し、学生と共に日々成長していく。この連鎖がひいては横浜創英大学全体の成長へとつながっていくのである。
 また、本学の特長は看護学部とこども教育学部という専門性に特化した大学であり、共通しているのは学ぶ内容が「人」を対象とした学問であること。
 この 2 学部による相乗効果の一つが、現在、大学ホームページに公開されている動画であろう。看護学部の学生は新型コロナウイルス禍の中で奮闘されている医療従事者へ、また、こども教育学部の学生は仲間へ、応援メッセージを送っている。これも「考えて行動のできる人へ」という、本学の建学の精神の現れの一つだと感動する。
 本学には、 1 年次に 2 学部の学生が合同で学ぶ「大学で学ぶとは」という必須科目が設置されており、その授業は私が担当している。この授業では、 「横浜創英大学で学ぶことの意義」を学生たちにしっかり伝えていきたいと考えている。



北村公一氏

【Profile】

北村公一(きたむら・こういち)氏

・東京農工大学農学部卒業
・神奈川県立高校 理科教員
・知事部局 県民部学事振興課 課長代理(教育指導総括)
・神奈川県教育委員会 高校教員指導課 課長
・神奈川県立西湘高校 校長
・神奈川県立希望ケ丘高校 校長
・神奈川県立総合教育センター 所長
・横浜国立大学教育学部教育学研究科(教職大学院)教授
・横浜創英大学二代目学長に就任

【横浜創英大学の情報(スタディサプリ進路)】

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