思わず涙がこぼれる本

高校の先生方に、おすすめの本を紹介していただく連載です。
今回のテーマは「思わず涙がこぼれる本」。2人の先生に、おすすめの本を教えていただきました。
センチメンタルな気持ちになる季節。心がじんわりと暖かくなるような本を楽しんでください。

オリーブ・オリーブ先生

都道府県:和歌山県 公立高校
担当教科:英語
自己紹介:英語担当、映画の話を映画ファンの娘とするのが趣味です。今、最もしたいのは、外国旅行。まずは、スリランカ。その自然の中で、ピュアーな心と体を手に入れたいです。

風神雷神 Juppiter,Aeolus 上・下   風神雷神 Juppiter,Aeolus 上・下
原田マハ(著)/PHP研究所(PHP文芸文庫)

セピア色の2次元の世界だった16世紀が、鼓動し色鮮やかに立ち上がってきて、苦闘の中で熱い思いと壮大なロマンを繰り広げていく。
読後、「素敵な夢をありがとう」と言いたくなる作品です。

本の詳細はこちら
クレーの絵本   クレーの絵本
パウル・クレー(絵)、谷川俊太郎(詩)/講談社

美しいけれど怪しくて、模様のような点や線の中に具体が潜んでいるパウル・クレーの絵。
その絵の謎を解くかのように登場する谷川俊太郎の詩。ページをめくるうちに、胸がキューンとなって、生きとし生けるものの命を考えさせられる本です。

本の詳細はこちら

カッタン先生

都道府県:大阪府 私立高校
担当教科:理科・生物
自己紹介:私立の女子高校2校(医学部医学科を目指す子もいる進学校)で、定年後に非常勤講師をしている67歳です。働ける限り、教師を続けたい、そして続ける以上は自分も学び続けて、少しでも生徒のためになりたいと思っています。マイブームは『ちいかわ』と『鬼滅の刃』で、推しは〈ちいかわ〉と〈禰津子〉です。

地下鉄に乗って 新装版   地下鉄に乗って 新装版
浅田次郎(著)/講談社(講談社文庫)

地下鉄の階段を上ると、過去の世界へ移動する設定だが、なんだか納得してしまう浅田次郎の文章の素晴らしさ。
そして、自らの人生、家族との関係などを振り返る主人公とともに、読んでいる人も地下鉄の階段を上ってみたくなる傑作だと思う。

本の詳細はこちら
駅の名は夜明 軌道春秋II   駅の名は夜明 軌道春秋II
髙田 郁 (著)/双葉社(双葉文庫)

鉄道やその駅を舞台に、様々な困難な状況にある人達の物語を描く短編集。
比較的短時間で読めるし、現在非常に順調な人生にある人も含め、誰もが心動かされる物語に出会えると思うので。

本の詳細はこちら
緋色の残響   緋色の残響
長岡弘樹(著)/双葉社(双葉文庫)

『教場』の著者による、女刑事と新聞部に所属する女子高校生の娘による事件解決の短編集です。
ミステリーとして面白い上に、親子関係、高校生の気持ちなど、心にぐっとくるものがあります。

本の詳細はこちら