小規模高校横断フォーラムに参加して

キャリアガイダンス編集部の山田です。

先日11月23日(木) 、認定NPO法人カタリバ主催の「小規模高校横断フォーラム」に参加させていただきました。2020年度から取り組まれている「学校横断型探究プロジェクト※」の一貫で開催されたイベントです。
オンライン開催だったのですが、使用されていたのはweb会議ツールではなく、Metalifeという新しいコミュニケーションツール。メタバース会場での開催という新鮮な仕立てに参加前からワクワクしていました。

今回参加させていただいたMetalifeのメタバース会場。

本フォーラムのテーマは、小規模高校を取り巻く課題の解決・価値創造を教員・有識者とともに、参加者全員で考えていくというもの。
当日のプログラムでは、小規模高校の現場でなにが起こっているのか、課題の調査結果と事例共有をいただきました。それだけでも大変参考になりましたが、他参加者とのディスカッションパートを経ることで、様々な視点から学びを深めることができました。

特に印象的だったのは、遠隔授業を用いてキャリア教育を行っているという高知県の事例共有における、「遠隔授業は小規模高校への支援」という登壇者濱田久美子さん(高知県香美市教育委員会推進官)のキーワードです。
事例共有という場では、遠隔授業という新しい取り組みに目線が集まってしまいがち。しかし、それはあくまで手段の一つであり、生徒に良質な出会いを提供したいという想いの具現化である。教育者としての熱い気持ちが垣間見ることができ、心を動かされました。

プログラムの最後では、2050年の小規模高校のめざす姿について、有識者と参加者によるディスカッションが行われました。遠隔授業とオンデマンドの違いは、リアルタイムで授業展開を工夫できるかである、などの具体的なお話もあり参考になりました。
議論の中で一番心に残ったのは、「小規模高校だからこその課題はあるが、小規模高校という状況は、なにかを諦める理由にはならない、特色になりうる。」というポジティブなメッセージです。地域に根づいた教育を、未来につながる教育に。小規模高校のビジョンの解像度がグッと上がった瞬間でした。

現場の最前線事例と背景にある想いを直接お伺いしたことで、個人的に今後追っていきたいテーマが、また一つ明確になりました。
貴重な機会をありがとうございました。


※学校横断型探究プロジェクトとは 複数の小規模高校の探究学習をオンラインでつなぎ、生徒の興味・関心に寄り添ったサポートを実現する取り組み。メタバース等を活用し、生徒同士のインタラクティブな学びの場を小規模高校に届けている。