新世紀のキャンパス 新11号館/成蹊大学
緑豊かなキャンパスの中心に位置する11号館
文理融合のワンキャンパスにより新たな価値を生み出す - 成蹊大学
個性あふれる街並みと豊かな自然が残る東京・吉祥寺にキャンパスを構える成蹊大学では、文系・理系の全5 学部全学年の学生が同じ敷地内で共に学んでいる。学部横断型の教育プログラムや課外活動を通じ、専門の異なる学生が交じり合い、幅広い人間関係を築ける環境がある。その根底にあるのは、創立者・中村春二が目指した、画一的ではなく一人ひとりの個性を尊重する教育理念である。多角的な観点で物事を捉え、多様な価値観を持つ他者への共感、協働の精神を持って社会を前へ進める人材を育てるために、大学は知的な成長と共に、人間的に大きく成長する場でありたいと考えている。
成蹊大学では、2024年9月より、新しい学び舎である新11号館(以下、「新棟」という)の利用を開始した。理工学部の最先端の研究環境を備えた研究室に加え、文系・理系の全ての学生にとっての学び合いの場となり、活発な交流が図れる開放的なラーニングコモンズが設置されている。本学が大事にしている、文理が融合した共創活動をより活発にするとともに、複眼的な思考を育んでほしい。そのような想いが新棟には込められている。
理工学部の全研究室が集結。他分野との交流スペースも
新棟の建設計画は、理工学部が2022年度から1学科5専攻に⽣まれ変わったことがきっかけである。学問分野を明確にした5つの専攻(データ数理専攻、コンピュータ科学専攻、機械システム専攻、電気電⼦専攻、応⽤化学専攻)を設置し、⾃分に合った専攻分野で深い専⾨知識を⾝につけるとともに、理⼯学科共通のICT活⽤⼒の向上と専攻の垣根を越えた融合分野の科⽬を履修し、学びの幅を広げられるようになった。その⼀⽅で、理⼯学部が主に研究室棟として使⽤していた⼤学11~13号館は築55年を超え⽼朽化も目立ったことから、この3棟を解体し、新棟を新築することとなった。新棟には、研究分野ごとに建物が分かれていた理工学部約40の研究室が集結。これまではほかの研究室の様子が分かりづらい状況であったが、異なる分野の研究をしている学生や教員と自然につながることができる「交流プラットフォーム」を設け、あちこち自由に回遊して知識や情報を共有できるようにすることで「この研究室のこの研究は面白そう」という予想外の刺激が生まれ、未来の研究につながるアイデアや可能性を生み出している。
交流・協働による新たな知の獲得と発信の拠点「ラーニングコモンズ」
本学が重視する、⽂理融合のコラボ教育、プロジェクト型授業の推進、ICT活⽤教育等によるアクティブラーニングの推進を⽀えるための拠点として、種々のアクティビティに適したラーニングコモンズを設けている。「プレゼンテーションエリア」や「グローバルスクエア」、専属のアカデミック・インストラクターに学修指導を受けたり、相談したりすることができる「アカデミックサポートエリア」など、目的に合わせた6つのエリアを設定している。「プロジェクトルーム」では、活動内容を認められたプロジェクトが一定期間優先的に利用することができるなど、企業、地域社会等外部のステークホルダーと連携して行う協働プロジェクトの活動も促進している。
留学生も含めた多様な学生の交流の場となり、他者との協働による新たな知の獲得と発信の拠点となるラーニングコモンズは、本学最大の特色である文理融合を象徴する空間として、新たな学びや価値を生み出していく。
(文/成蹊大学 撮影/増子智美)
開放感のあるエントランス。大型ビジョンも設置
全てのフロアにアクセスできる吹き抜け階段。上下のフロアを可視化し、交流を促す設計
ゼミ等での発表やイベントで使用できるエリアのあるラーニングコモンズ
休憩や気分転換したい時に利用できるエリア
専属のアカデミック・インストラクターに学習指導を受けたり相談したりできるエリア
天井には特徴的な木の造作が施されている
3階のテラスからキャンパスが一望できるように設計
研究室が異なる学生同士が交流できるスペース(理工学部専用エリア)
木を積極的に取り入れ、脱炭素社会を意識した居心地の良い空間
【印刷用記事】
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