キャリアガイダンス vol.436 2021.2 NEW

「まじめで素直でおとなしい」生徒の可能性をどう拓く?

【オンライン座談会】 まじめで素直でおとなしい生徒って?教師はそんな生徒の成長にどう関わるか/卒業生が語る「今の私をつくった高校時代のターニングポイント」/“生徒の可能性を拓く”高校実践事例/社会、大学、高校現場からのメッセージ/【高卒就職の実態、課題、展望】どうすれば高校生は「自分で選んで決めた」実感をもって働き始められるのか

編集長が語る 特集の見どころ

 

 生徒の姿を語るとき、先生方はどのように表現されるでしょうか。綴られる言葉には、生徒たちの実態を捉えるとともに、こうなってほしいという願いを込めて表現されていると思います。
 取材などで生徒の様子をうかがうと、「うちの生徒は、まじめで素直でおとなしいんです…」と返ってくることがあります。「まじめ」「素直」「おとなしい」どれも生徒の素敵な一面を表現する言葉ですが、1つのフレーズとして語られるとき、空気感が少し変わって伝わってきます。会話の語尾に続く「…」の余韻。そこにメッセージが隠されているとすれば、それはどんな思いなのでしょうか。
 この一年、先行きの見通せない不安な社会、身近な生活の変化に直面している生徒たち。従来の成功体験が通用しなくなってきていることを目の当たりにしています。しかしながら、「言われたことだけをやっていれば大丈夫」「空気を読んで過ごせば楽」といった思考停止や、周りからの同調圧力から脱却できない現実もあります。そんな生徒たちの姿が物語っているものとは?
「自分のよさや可能性を認識するとともに、あらゆる他者を価値のある存在として尊重し、多様な人々と協働しながら様々な社会的変化を乗り越え」(新学習指導要領「前文」)ていく先に、まだ知らない豊かな可能性が広がっていることを知ってほしい。壁にぶち当たりながらも自ら見つけ出して創り出していくワクワク感を、日々の学びを通して体感していくことが大切なのではないでしょうか。

 本特集では、「まじめで素直でおとなしい」という生徒像を切り口に、生徒たちの可能性を拓く学びについて考えていきます。語尾に続く「…」の余韻が意味するその先に、これからの学びのあり方を考えるヒントがあるのかもしれません。
                          山下 真司(本誌 編集長)

■特集■

「まじめで素直でおとなしい」
生徒の可能性をどう拓く?

【オンライン座談会】
まじめで素直でおとなしい生徒って?
教師はそんな生徒の成長にどう関わるか

吉岡拓也(兵庫・摩耶兵庫高校)
大城エリカ(沖縄・名護高校)
神谷一彦(埼玉・所沢高校)
田中光一(鳥取・鳥取城北高校)

卒業生が語る「今の私をつくった高校時代のターニングポイント」

“生徒の可能性を拓く”高校実践事例

①津山東高校(岡山・県立)

②京都すばる高校(京都・府立)

③春日井高校(愛知・県立)

④高松第一高校(香川・市立)

【社会、大学、高校現場からのメッセージ】
世界に変化をもたらすのは 物おじせず意見を述べ、行動に移す尖った若者

出口治明(立命館アジア太平洋大学 学長)

委縮する社会だからこそ発揮したい 「やっちゃいなよ」の精神

苫野一徳(熊本大学教育学部 准教授)

「こうあるべき」を手放し、生徒に委ね、生徒が主役の学校をつくっていこう

日野田直彦
(武蔵野大学中学校・高校/武蔵野大学附属千代田高等学院 校長)

【高卒就職の実態、課題、展望】
どうすれば高校生は「自分で選んで決めた」実感をもって働き始められるのか

辰巳哲子、古屋星斗(リクルートワークス研究所) 

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