進学ブランド力調査2026

 高校生の進学動向を明らかにするため、リクルート進学総研で2008年から実施している「進学ブランド力調査」。
2024年に、高校生の大学選択の実態により近い調査とするため、調査内容をリニューアルしたが、今回は3年目となった新調査の最新結果について紹介する。


リクルート進学総研 研究員
飯島隆介


詳しいデータはPDFおよび 当サイト高校生の「志願したい大学」を7エリアで発表『進学ブランド力調査 2026』をご覧ください。


進学ブランド力調査の目的


リクルート進学ブランド力調査 調査概要

  調査目的  
高校3年生の大学に対する志願度、知名度、イメージを把握し、関係各位の参考にする。
  調査対象  
全国の高校に通っている2027年3月卒業予定者(調査時高校3年生)計20万3,360人
  • 令和7年度学校基本調査の「全日制・本科2年生生徒数(県別)」、「中等教育学校・後期課程2年生(県別)」を基に、リクルートが運営する『スタディサプリ』会員より調査対象とする数を抽出
  エリア区分  
  • 関東甲信越エリア(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、茨城県、栃木県、群馬県、新潟県、山梨県、長野県の1都9県)
  • 東海北陸エリア(静岡県、愛知県、岐阜県、三重県、富山県、石川県、福井県の7県)
  • 関西エリア(大阪府、京都府、奈良県、和歌山県、兵庫県、滋賀県の2府4県)
  • 北海道エリア(北海道の1道)
  • 東北エリア(青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県の6県)
  • 中四国エリア(鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県の9県)
  • 九州沖縄エリア(福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県の8県)
  有効回答数  
1万7,257人 回収率8.5%
  • 各エリアそれぞれにおいて令和7年度「学校基本調査」(文部科学省)の2年生(本調査の母集団;2027年3月卒業予定の高校3年生)から男女構成比を算出し、エリアごとの男女構成比を補正している。
  集計対象数  
1万5,263人
  • 分析対象は上記有効回答のうち大学進学希望者
  調査期間  
2026年4月1日(水)~5月6日(水)23:59
  調査方法  
インターネット調査
  • 2024年度からインターネット調査に変更、また選択肢を一部変更したため、時系列結果は掲載していない。

関東・関西では大規模私立大学が人気。
地方圏では国公立大学人気が根強い

 本調査は2027年3月卒業予定の高校3年生に対して、2026年4月1日~5月6日にかけて実施したものである。昨年と比較して調査項目に大きな変更点はないが、一部修正を加えている。

<変更点>

  • 志望校の通学距離を追加。
  • 高校生の進学志向性を5つのタイプ別に分類。

【1】国公私立大学志望の状況(P.43)

 国公私立大学の志望について、全国を7エリアに分けた表が図1である。各エリアを比較すると、関東甲信越では私立志向(51.7%)が国公立志向(34.2%)を上回っており、かつその差分も17.5ポイントと非常に大きい。また関西でも私立(46.1%)と国公立(38.9%)と私立志向が強い。都市圏では大規模私立大学の校数が多く、選択肢が豊富であることも後押ししている背景だろう。対照的にその他の5エリアでは国公立志向が私立志向を大幅に上回り、その差は11.6ポイント(東海北陸)から32.2ポイント(中四国)と非常に大きな差となっている。

国公立/私立志向の比率

【2】進学先検討時の重視項目(P.44)

 進学先検討時の重視項目を全17項目から選択したものが図2である。

 「学びたい/興味ある学部・学科がある(56.6%)」「就職に有利である(37.6%)」「学生生活が楽しめそう(36.7%)」「交通の便が良い(31.1%)」「自分が成長できそう(30.7%)」等のポイントが高いことが見てとれる。男女別では、「学びたい/興味ある学部・学科がある(62.9%)」を筆頭に「校風や雰囲気が自分に合っている」「資格取得に有利である」等、女子のポイントが男子よりも高い項目が目立つ。また、文系層からは学生生活が楽しめることや就職の有利さが求められており、理系層からは専門分野を深く学べることや最新の研究にチャレンジしていることが求められている。

 高校生が大学選択検討時に求める項目は非常に多岐にわたり、毎年微妙な変化を続けているが、オープンキャンパスや様々なメディアを通じて自らの大学らしさがきちんと伝わるような入試・広報・PR戦略が求められる。

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進学先検討時の重視項目

【3】進学したい大学に求めるイメージ項目(P.44)

 図3では、進学したい大学のイメージを全10項目から選択。上位から順に「親しみやすい(42.8%)」「活気がある(41.5%)」「おもしろい(27.2%)」と続く。文理での違いを見ると、文系は「おしゃれな(19.3%)」、理系は「知的な(30.5%)」の支持が高い。男女の違いを見ると、男子は「かっこいい(17.7%)」「おもしろい(29.8%)」、女子は「親しみやすい(48.1%)」「丁寧な(19,2%)」の支持が高い。「上品な(10.5%)」イメージはそこまで強く求められてはいないことが見てとれる。

※クリックで画像拡大
進学先検討時の重視項目

【4】進学したい学問分野(P.46)

 図4の「進学したい学問分野」において人気が高いのは、経済・経営(25.8%)、教育・福祉・心理(20.1%)、リベラルアーツ・国際(13.4%)等。特に経済・経営は男子(31.9%)と文系(37.4%)からの圧倒的な支持を受けている。同様に教育・福祉・心理、リベラルアーツ・国際は、共に女子と文系から人気を得ている。さらに社会は全体の支持も比較的高く(12.4%)、かつ男女差が少ないことが特徴。また、理系のなかでは生命・農・環境は男女共にスコア(男子9.7%、女子8.8%)が高い。新増設や文理融合を掲げる学部も増えてきている情報だが、男子(11.7%)>女子(4.4%)、理系(14.0%)>文系(4.1%)とそれぞれに開きが見られ、男女・文理とも揃って人気が高いとまでは言えない。

希望分野23分類

【5】志願度ランキング(P.47~53)

 図5で7エリアを概観すると、北から順に、北海道、東北、関東甲信越、東海北陸、関西、九州沖縄エリアの6つで、文理幅広い学部学科を持つ大規模私立大学が1位、中四国エリアのみ国立大学が1位となった。いずれのエリアでも、昨年と引き続き高校生の学びたいことや価値観の多様化に応えられる点が重要なポイントとなっているようだ。

 進学先エリアで見ると、北海道では弘前大学(11位)以外は全て北海道内の大学がランクイン。地元内進学志向の高さが窺える。東北では関東甲信越の国公立大学が5校、私立大学が2校ランクインしていることが特徴。関東甲信越と関西では全て同エリア内の大学が上位20校を占めており、前段の「①国公私立大学志望の状況」でも触れたように自エリア内にブランドの確立した大学が十分揃っていることが分かる。東海北陸では立命館大学(17位)と同志社大学(20位)の関西の2校がランクインしており、関東甲信越は0校である。中四国では、関西の国公立大学が3校、私立大学が5校ランクインしていることが特徴。九州沖縄では、広島大学(13位)以外は全て九州沖縄内の大学がランクイン。地元内進学志向の高さが窺える。こうして見ると、特に地元外流出率が高いエリアである東北と中四国の2エリアにて、他エリアの大学のランクインが目立ち、とりわけ首都圏と関西の大規模私立大学の志願度が高いことが見てとれる。

 また、男女別と文理別の属性ごとで見ると、関東甲信越と関西では、ほぼ自エリアの大学がランクイン(関西理系の岡山大学のみ他エリア)しているのに対して、北海道の理系、東北と中四国の男女・文理全て、東海北陸の男子、九州沖縄の文系等で他エリアの大学が数校ランクインしている。全体傾向と同じことが言えるが、都市圏と地方圏において、進学したい大学の傾向に違いがあることが見てとれる。

図5、及び詳しいデータはPDFおよび 当サイト高校生の「志願したい大学」を7エリアで発表『進学ブランド力調査 2026』をご覧ください。

【印刷用記事】
進学ブランド力調査2026