60秒で分かる「クロスアポイントメント制度」とは?

キホンの用語をおさえて、レベルアップ

学校や教育に関する話を聞いていると、ちょっと難しい言葉がたくさん出てきます。
そんな教育業界の専門用語を、できるだけ分かりやすく解説します!今、おさえておきたい用語を中心に紹介しますので、きっと役に立つはず!これを読めば、教育の話題がもっと身近に感じられるかも!ぜひチェックしてみてください!

キホンの用語解説

研究者等が、複数の大学や公的研究機関、民間企業との間でそれぞれ雇用契約を結んで働くことができる制度のこと。産学連携のさらなる促進のため文部科学省と経済産業省がとりまとめた制度で、主に大学の研究者が企業でも働くことを想定している。従来も研究者個人が所属する大学の許可を得て兼業をしたり、企業と共同研究に取り組んだりすることは可能だったが、本制度では、複数の勤務先が事前に協議して協定を結び、研究者は双方と雇用契約を結ぶことがポイント。業務量の配分や知的財産の扱い等も協定で定められる。

まわりに差をつける深読みポイント

大学にとっての導入メリットは主に次の通り。
①所属する研究者が企業での研究開発を経験することで、大学での新たな研究テーマの発見につながる可能性がある。
②企業での経験を大学での教育にフィードバックできる。
③人的交流や新たな共同開発等企業との連携が強化される。
④組織の枠を超えた経験や人的交流が教員の人材育成につながる。
⑤大学の技術シーズの事業化が加速し、大学としてより社会への貢献度を高められる。また、研究者個人にとっても、キャリアパスの拡大や待遇の向上につながる制度だ。

【大学用語知ったかクイズ】

クロスアポイントメント制度に関する以下の記述のうち、正しいのはどれ?

①クロスアポイントメントの場合でも、従来の共同研究と同様、出向先における研究活動は設定されたテーマに限定される
②クロスアポイントメントの場合でも、協定の内容次第で、出向先で管理職やリーダーを務めることができる
③大学と大学、大学と公的研究機関の間でのクロスアポイントメントは不可能










正解②
①出向先機関とも雇用契約があるため、より柔軟で幅広い業務内容が想定されている。
③大学や公的研究機関の間での橋渡し役としての役割も期待されている。

(文/伊藤 敬太郎)