【Interview】「専門実践教育訓練給付金」の講座指定の申請に一から携わり、志望者拡大を実現

「その一歩が、学校を変える。」
日々の業務の中にある工夫や挑戦。同じフィールドで奮闘する職員達のリアルなストーリーから、あなたの“次の一手”が見えてくるかもしれません。
「Next Up」は、学校の未来を担う私達自身の知恵と経験をつなぎ、広げるための企画です。

氏名:相磯成実(あいそ なるみ)氏
学校名:新渡戸文化短期大学
所属部署:短大事務課 入試広報係
大学卒業後、金融系企業に総合職として新卒入社。その後、短期大学に入職し、大学職員として約4年間教務系の業務に携わる。2022年6月に新渡戸文化短期大学に入職し、教務部門で学生の成績管理や窓口対応などを担当。2025年4月に入試広報係に異動。
【サクセスエピソード】学生確保のためリスキリング需要に注目、申請準備を担う

教務部門時代に、専門実践教育訓練給付金の講座指定の申請業務に携わったことです。社会人や再進学希望者のリスキリング需要の高まりを受け、経済的支援を通じてより多くの方に年齢を問わず、学びの場を提供することを目的に申請しました。
18歳人口の減少に伴い、近年はどの大学も学生確保に力を入れています。「教務担当として、私に何かできることはないか?」とリサーチを続け、専門実践教育訓練給付金に着目。栄養士であれば社会人のリスキリング需要があるのではないかと考え、上司とともに詳細を調べて検討し、食物栄養学科(現:フードデザイン学科)での申請準備に着手しました。
細かい要綱を熟読し、理解を深めながら本学に当てはまるかどうかを一つひとつ確認するのは難しい作業でした。特に大変だったのは、申請条件の一つだった「卒業生の中で栄養士に就いた人の割合」の確認。栄養士の資格を取得しても別のキャリアを歩んでいる卒業生も少なくないため、私が入職する前まで遡り、本学のキャリアセンターなど他部署の協力も得ながら必要なデータを収集しました。
また、この給付金は、支払った受講費用の一部がハローワークから支給されるものなので、申請に当たり入学金や授業料だけでなくあらゆる費用を算出する必要があります。2年間の在籍期間にどれだけの費用が掛かるのか、周囲を巻き込みながら白衣代をはじめ細かな備品まで一つひとつ調べ上げて算出しました。無事に申請が通り、2025年度のフードデザイン学科入学者から専門実践教育訓練給付金の対象校として認定されたときは、ほっとしましたね。
本学では前例がなく、難易度の高い取り組みではありましたが、部署を越えた連携と丁寧な情報収集を徹底すれば実現可能なのだと実感し、自信につながりました。結果として、2025年度は昨年比で約2.0倍のリカレント学生がフードデザイン学科を受験、これまでは20代が多かったのですが、40~50代の割合も増え、志願者の幅が広がりました。そして、オープンキャンパス時やメールでの給付金に関する問い合わせが増えたとも感じています。
【私の仕事術】タスク管理を徹底し抜け漏れをなくす
普段からタスク管理を徹底しています。給付金の申請準備においては、同時進行で進めなければならない業務が多かったため、タスクを洗い出したうえで「今やるべきこと」「後で確認すべきこと」を明確に整理し、優先順位をつけることで抜け漏れをなくしました。
また、ほかの人にも共有することを目的に、自分のタスクをできるだけカレンダーに細かく記録し、自分が今、何の業務をしているのかを意識的に周囲に共有することを心がけています。大学職員の仕事は年単位でやることが決まっているケースが多く、先週、先月、昨年の自分が同時期に何をしていたのか振り返ることが多々あるので、とても便利です。2025年4月に教務係から入試広報係に異動しましたが、このカレンダーを基に後任にスムーズに引き継ぎを行うことができました。
【今後の展望】若手職員だからこその柔軟な視点・発想を活かしたい
現在は広報担当として給付金をはじめ様々な情報発信に努めていますが、今後はオープンキャンパス担当の学生スタッフ育成に注力し、「在学生による広報力」の強化を目指したいと考えています。
受験生の多くは、職員の説明よりも、在学生のリアルな声に強く共感する傾向があります。そこで、学生スタッフが主体的に企画・運営に関わり、発信力やチームワークを磨けるような仕組みづくりを進める計画です。例えば、SNSで授業の様子を発信してもらったり、ブログで感想を伝えてもらったり、オープンキャンパスで司会や大学案内を学生に担当してもらったり。学生スタッフの成長が、そのまま大学の魅力発信につながるようなサイクルを構築し、学生募集力の向上にもつなげられたらと考えています。
大学改革においては、「これまでこうだったから」といった前例踏襲ではなく、「これからどうあるべきか」を考える柔軟さが求められます。従って、若手職員だからこそ気づける視点や発想が活かせる場面は多いはず。現場を知る強みを活かして、新しい仕組みづくりや学生との関わり方に積極的に挑戦したいと考えています。
在校生など「現場の声」に耳を傾けつつ、周囲を巻き込みながら前に進んでいきましょう。

(文/伊藤理子)
