業務効率化・DX推進プロジェクトで皆が「やるべきこと」に集中できる環境を整備

「その一歩が、学校を変える。」

日々の業務の中にある工夫や挑戦。同じフィールドで奮闘する職員たちのリアルなストーリーから、あなたの“次の一手”が見えてくるかもしれません。
「Next Up」は、学校の未来を担う私たち自身の知恵と経験をつなぎ、広げるための企画です。

氏名:澤 虹之介(さわ こうのすけ)氏

学校名:芝浦工業大学

所属部署:学事本部大学企画課

芝浦工業大学デザイン工学部卒業後、2020年に新卒で母校に入職。豊洲キャンパスの学生課で工学部の教務等に携わる。2023年4月に大学企画課に異動し、工学部の組織改編に伴うDXプロジェクトのメンバーとして活動。現在は、工学部改組後の履行状況調査や業務効率化の推進等も担当。

【サクセスエピソード】新システム導入で事務作業対応の工数を削減

工学部で実施し、現在は全学に展開中の「業務効率化・DX推進プロジェクト」の推進を担当したことです。

工学部は2024年4月に組織改編が行われ、それまでの学科制から課程制に移行しました。それに伴い、基本的に2つの学科が1つの課程に改編され、その中で新たなコースが設置されました。学科制のときは、学科主任の教員が担当学科を取りまとめていましたが、改編に伴い1人の学科主任が実質2つの学科相当を任されることになり、業務量が倍増してしまうことが予めわかっていました。さらに、主任以外の教員も大幅に業務が増えると予想されることから、現場から業務効率化の要望があり、職員で有志を募りプロジェクトが立ち上がりました。

本プロジェクトの立ち上げに当たり、本学の教員に対して事前調査を行ったところ、教育・研究以外の管理運営業務に多くの時間が割かれていて、研究時間不足が深刻化していることが判明。例えば、教員に対しては、職員から様々な業務に関する依頼が集まりますが、依頼するツールがメールやポータルサイト、チャット等バラバラで統一されておらず、依頼内容の確認に時間がかかっていたり、見逃しが発生したりしていました。

そこで、情報共有・生産性向上ツールを活用して情報を一元化。「ここを見れば情報が集約されている」という状態を作ることで、教職員の事務作業対応の工数を削減・効率化し、教員の教育・研究時間の捻出を目指しました。

ただ、部署によって依頼の仕方に独自のやり方がある等、「新たなシステムのルール」と「部署が大切にしていること」が合致しないケースもあり、一部で混乱がありました。その場合は、新たなやり方を押し付けるのではなく、相談があった部署全てに出向いて対話することを徹底。プロジェクトの趣旨を伝えつつ、互いの思いをすり合わせることで、協力体制を築けるようになりました。

工学部で先行導入した結果、「職員からの依頼をメールの山から探し出す必要がなくなった」「見落としがなくなりストレスが軽減した」等多くの声をいただき、うれしく思っています。2024年10月からは全学に展開しており、最終的には事務作業依頼の半減を目指しています。

【私の仕事術】「ダブルループ学習」で状況を整理

ダブルループ学習(※)の考え方で、状況を整理することを意識しています。

例えば、前述の業務効率化・DX推進プロジェクトでは様々な立場の人が関わるため、皆の意見を聞いていると話がどんどん複雑になってしまい、論点を見失いがちになったことがあります。そんなときに、「そもそもこのプロジェクトは何のために行うのか?」「今対応する問題としてふさわしいのか?」等と考えることで現状が整理でき、解決方法を明確にすることができました。このように、ダブルループ学習で考えれば、複雑でわかりづらい状況に陥っても本筋を見失わずに目的に向かって歩めるようになるので、積極的に取り入れています。

また、スピード感も大切にしています。新システムについて教員から問い合わせを受けることが多いのですが、そういう質問が上がってくるということは、即ち「研究時間が削がれている」ということ。問題をすぐに解決して研究に戻ってもらうためにも、可能な限り即対応を心がけています。また、スピーディーに対応することで「また何かあったら相談できる」と思ってもらえるようになり、信頼関係にもつながると考えています。

(※)…既存の枠組みや前提そのものを疑い、それらを根本的に見直して新しい考え方や行動を取り入れる学習プロセス。

【今後の展望】皆が視座高く業務に取り組める環境の実現

現在全学で進めている業務効率化・DX推進プロジェクトのゴールとして、「皆がすべきことに集中できる環境」を実現したいと考えています。教員と学生は教育と研究、職員は本質的な業務にそれぞれ集中し、かつ視座を高く持って臨めるよう、仕組み作りや文化の醸成に注力したいと考えています。

今回の取り組みに当たっては、他大学の事例を数多く参考にさせていただきました。私もその一例になれるよう努力しますので、情報共有し合いながらより良い大学となるよう挑戦していきましょう。

(文/伊藤理子)