【Interview】公式アプリ制作で学生の体験価値向上に貢献

「その一歩が、学校を変える。」

日々の業務の中にある工夫や挑戦。同じフィールドで奮闘する職員達のリアルなストーリーから、あなたの“次の一手”が見えてくるかもしれません。
「Next Up」は、学校の未来を担う私達自身の知恵と経験をつなぎ、広げるための企画です。

氏名:岡野 圭一郎(おかの けいいちろう)

学校名:追手門学院大学

所属部署:システム企画推進課

大学卒業後、独立系SIerに就職。約2年間、SE職とセールスエンジニア職を経験する。教育機関の組織改革に興味を持ち2021年1月に追手門学院大学に入職し、現職。

【サクセスエピソード】「OIDAIアプリ」のダウンロード率99%、満足度96%を実現

2023年度よりリーダーとして推進している「2025学院DXプロジェクト」のデジタルフロントチームにおける取り組みです。追手門学院大学の公式アプリ「OIDAIアプリ」のリリースと、それに伴う組織文化の変容を実現しました。

「OIDAIアプリ」は、本学の学生のキャンパスライフをサポートするアプリです。時間割や教室の確認、補講や休講の情報等といった大学からのお知らせや、問い合わせ窓口機能を備えています。2026年4月からは、授業の履修や留学、就職等、個別に相談できるAIアドバイザー機能も搭載しています。

アプリリリースの目的は「学生のCX(体験価値)向上」です。少子化や学びの多様化といった教育環境の激変に加え、2025年に予定されていた理工学部の開設や新キャンパスの開設という、私達が「第二の開学」と位置づける大きな節目がありました。そこで、この変化を好機と捉え、学院全体のDXプロジェクトの一環としてアプリ開発を推進。2025年に向けて、改善や機能追加を行うことを考慮し、2023年4月にアプリ開発に着手しました。第一弾のリリース予定は同年の9月。学生や教職員へのヒアリングや機能、デザインの検討等を急ピッチで進めました。

実は機能設計や仕組みを考えるのはそれほど大変ではなかったのですが、各現場から少なからず不安や戸惑いの声が上がり、その調整には時間を割きました。それまでは、学部ごとに独自のシステムを導入していて、それぞれの方法で学生への連絡や案内を行っていました。今回、それらのコミュニケーションがアプリに統一されることで、運用が変わることへの不安、学生に情報が的確に届くかどうかの不安等が各部署から寄せられたのです。

そこで行ったのは、現場との地道な目線合わせです。アプリ導入の目的やビジョンを丁寧に共有し、「今回の取り組みで”学生”の利便性がどれだけ向上するか」を繰り返し、根気よく説明しました。そして、寄せられた意見や要望一つひとつに真摯に対応しつつ、アプリリリース後に困りごとがあったら技術担当である我々がすぐに対応することも伝えて不安を軽減。結果的に現場を巻き込み賛同を得ることができました。

アプリリリース後の学生の評判は上々で、アプリインストール率は99.9%に上っています。学生アンケートによるアプリ満足度は96%、そして在学中にアプリのリリースを経験した100%の学生が「学生生活が便利になった」と回答しており、とてもうれしく思っています。現場の混乱もなく、逆に「アプリでこんなことはできないか?」等活用についての相談が寄せられるようにもなりました。今では「OIDAIアプリ」が必要不可欠なインフラになっていると感じます。

現在はさらなるデジタルフロント化を目指し、窓口のオンライン化やそもそも窓口に来なくてもよくするには、という取り組みも行っています。また、DXが現場で推進できるようローコードツールや生成AIの勉強会等を開催し、実際に「落とし物アプリ」や「公用車予約アプリ」を開発し運用開始しました。これらの取り組みが評価され、「日本DX大賞2026サミット&アワード」の価値創造部門において「大賞」を受賞することができたことも非常にうれしく、やりがいにつながっています。

【私の仕事術】どのような要望にも一つひとつ真摯に対応する

普段から、寄せられた要望は可能な限り取りこぼさず、真摯に応えることを意識しています。

システム企画推進課には、アプリやシステムでこういうことを実現できないか?等と相談が寄せられることが少なくありません。また「学生の声も聴き、要望を反映する」との姿勢を広く発信しているので、学生の意見や要望も集まりやすい環境にあります。私は「仕事の本質は、誰かの思いや要望を叶えることにある」と捉えているため、自分にできることは最大限、実現するべく、日々努力しています。

これからも、学生・教職員の全員が最終的に幸せになれる未来を目指し、みんなの声に耳を傾け、全員にとっての「最適解」を模索し続けたいと考えています。

【今後の展望】デジタル技術を活用して強い組織づくりに貢献したい

現場から自然発生的に改善が生まれるような、「強い組織づくり」に取り組みたいです。生成AI等の台頭により、従来の外部委託・開発に頼らずとも、内製でDXを推進できる環境が整いつつあります。課題に直面した際にも自ら解決策を考えスピード感を持って対応し、CX(学生体験)を向上させ続けられる組織を目指したいと考えています。

大学は、10年後・20年後の激変する未来が明確に見えている業界です。「この大学だから入学する」という明確な意味や理由がないと、選んでもらえない時代がすぐにやってきます。一方で、「目の前の仕事で手一杯で、将来のための戦略を考える余裕がない」という職員の悩みもよく耳にします。そのためにも私は、DXという手段で業務効率化と「考える時間」の創出に尽力し、生き残りの術を共に考え実行したいと考えています。

これからの大学が生き残れるかどうかは、私達若手職員にかかっています。ぜひ強い問題意識と目的を持って、大学の未来を共に作っていきましょう!



(文/伊藤理子)