【学部学科トレンド2012】大都市圏の学科のライフ・サイクル分析【首都圏版・後編】

大都市圏の学科のライフ・サイクル分析【首都圏版・前編】 を読む

7 社会・マスコミ系統(図表1-7、1-7a)

 社会学(図表1-7)が2004年から成長期を継続。1996年から一貫して成長期が続いている観光学(図表1-7a)が2008年からさらに加速。情報学(図表1-7a)が、2000年から撤退期に転じ止まらない。コミュニケーション学(図表1-7a)は、2004年から再成長予兆期だったが、2008年から撤退期に転じた。マスコミ学(図表1-7a)は、2004年から撤退期だったが2008年から成長期に転じた。メディア学(図表1-7a)は、2004年から成長期に転じたが2008年から撤退期に転じた。

図表1-7
図表1-7a

8 人間・心理・教育・福祉系統(図表1-8)

 心理学が1996年から成長期を継続しているが、2008年から成長が加速。人間科学は、2004年から成長期が継続している。教育学が2004年から衰退期に転じたが2008年から再成長予兆期に転じた。保育・児童学は、1992年から一貫して成長期が継続。福祉学が2008年に衰退期から撤退期に転じた。

図表1-8

9 地球・環境・エネルギー系統(図表1-9、1-9a)

 環境科学(図表1-9)は、2000年から一貫して成長期が継続していたが2008年より撤退期に転じた。エネルギー・資源工学、原子力工学(図表1-9a)は2004年のデータがなく長期のトレンドが読めないが、エネルギー・資源工学は2008年から2012年に撤退期、原子力工学は成長期となった。

図表1-9
図表1-9a

10 国際・語学系統(図表1-10)

 国際関係学が、2004年から成長期に入ったが2008年から一転し撤退期に転じた。国際文化学が2000年から撤退だったが、2008年から再成長予兆期に転じた。語学(外国語)が2008年から再成長予兆期に転じた。

図表1-10

11 スポーツ・健康・医療系統(図表1-11、1-11a)

 スポーツ学(図表1-11)が2008年から成長期に転じている。医学(専門課程)(図表1-11)は、2008年から成長期。薬学(図表1-11)は、1996年から一貫して成長期・成熟期だったが、2008年より撤退期に転じた。看護学、医療技術学(図表1-11)は、20年間一貫して成長期を継続。リハビリテーション学(図表1-11a)も一貫して成長してきたが、2008年から成熟期を迎えている。健康科学(図表1-11a)は、2004年から一貫して成長期を継続。歯学(専門課程)(図表1-11a)は2004年から撤退期が継続。

図表1-11
図表1-11a

12 工学・建築・技術系統(図表1-12、1-12a、1-12b、1-12c)

 機械工学(図表1-12)は2004年から再成長予兆期に入り2008年から成長期に転じた。建築学(図表1-12)、土木工学(図表1-12a)、経営工学(図表1-12a)が1996年から長く撤退期であったが2008年から衰退期に転じた。情報工学(図表1-12a)は、2004年から撤退期だったが2008年から成長期に転じた。電気工学(図表1-12a)は、1992年から急激な撤退期を継続していたが、2008年から衰退期に転じた。電子工学(図表1-12a)は、1996年から一貫して撤退期を継続しており消滅寸前である。応用科学(図表1-12a)は、2004年から撤退期だったが2008年に成長期に転じた。システム・制御工学(図表1-12b)は、1996年から一貫して急激な撤退期が継続しており消滅寸前である。通信工学(図表1-12b)は2008年まで成熟期だったが再成長予兆期に転じた。画像・音響工学(図表1-12b)は、2004年から衰退期が継続。応用物理学(図表1-12b)は、2004年から再成長予兆期に入ったが2008年から撤退期に転じた。材料工学(図表1-12b)も2000年から撤退期が継続している。航空・船舶・自動車工学(図表1-12c)は、2004年から成長期だったが2008年に再成長予兆期に転じた。環境工学(図表1-12c)は、2004年から撤退期が継続している。

図表1-12
図表1-12a
図表1-12b
図表1-12c

  
    

  
    

 本稿では、首都圏での学科系統のライフ・サイクル分析を行った。本誌179号の全国の学科系統のライフ・サイクルと比較してみると、分野による多少の違いはあるものの、首都圏は全国のデータに占める比率が高いこともあり、大きな差はなかった。次回以降では、関西、東海地区の学科系統のライフ・サイクル分析を行う予定であり、全国や首都圏との違いが興味深い。

  
   

寺裏誠司  リクルート進学総研 客員研究員 (2013/06/19)

  
   

【大都市圏の学科のライフ・サイクル分析 首都圏版】

・文化・地理・歴史系統(1-1、1-1a、1-1b)
・芸術・文学・表現系統(1-2、1-2a、1-2b)
・数学・物理学・化学系統(1-3)
・法律・政治・経済系統(1-4、1-4a)
・家政・生活系統(1-5、1-5a)
・生物系統(1-6)

・社会・マスコミ系統(1-7、1-7a)
・人間・心理・教育・福祉系統(1-8)
・地球・環境・エネルギー系(1-9、1-9a)
・国際・語学系統(1-10)
・スポーツ・健康・医療系統(1-11、1-11a)
・工学・建築・技術系統(1-12、1-12a、1-12b、1-12c)

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