高校生と保護者の進路に関する意識調査2021
高校2年生とその保護者に対し、進路に関する考え方やコミュ二ケーションの実態を探る調査を実施いたしました。
一般社団法人 全国高等学校PTA連合会 株式会社リクルート 合同調査
第10回 高校生と保護者の進路に関する意識調査2021
一般社団法人 全国高等学校PTA連合会(所在地:東京都千代田区 会長:泉 満)と株式会社リクルート(本社:東京都千代田区 代表取締役社長:北村 吉弘)は、高校2年生とその保護者に対し、進路に関する考え方やコミュ二ケーションの実態を探る調査を実施いたしました。ここに集計結果がまとまりましたので、ご報告いたします。
コロナ禍で親子の会話が増加傾向、話題も多様化する中
進路選択への保護者の関わりを
「ちょうどいい」と感じる高校生が7割を超え過去最大に
【コロナ禍における親子コミュニケーションの変化】
- 高校生が感じる進路選択に関する保護者の態度は、「干渉」と「無関心」が減少し、「ちょうどいい」が70%を超えて過去最大に。
- 新型コロナウイルス感染症の影響により、会話が「増えた(高校生29%/保護者29%)」という回答が「減った(同3%/2%)」を親子共に上回る。
増えた会話の内容は、「社会や政治に関する話」「将来や 進路に関する話」「心や健康に関する話」。
【保護者の進路選択への関わり方の変化】
- 進路についての話題は、「具体的な進路」や「現在の成績についてが減少し、「将来 どんな生き方をしたいか」や「保護者の大学・短大・専門学校時代の話」をはじめ、保護者の進路選択や高校時代、仕事の話など幅広い話題が増加。
- 「進路選択についてのアドバイスを難しい」と感じる保護者は継続的に70%程度存在するが、その要因としては「社会がどのようになっていくのか予測がつかないから(53%)」が前回調査から9pt増加してトップに。
- 進路の会話で保護者がよく使う言葉は、前回トップの「自分の好きなことをしなさい、やりたいことをやりなさい」がさらに伸びて59%に。「勉強しなさい」「お金がない、経済的に厳しい」「資格取得を目指しなさい」「いい大学に入りなさい」は減少。
【未来社会への認識】
- これからの社会を好ましいと思う高校生は前回から7pt増えて58%と、保護者の39%(前回差+2pt)を上回る。
中でも、進路について「話す」と答えた高校生/保護者は、「話さない」場合に比べてそれぞれ+8pt/+9pt、好ましいと答える比率が高くなっている。
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- キャリアガイダンス 2/10日号 【調査報告】
「高校生と保護者の進路に関する意識調査 2021」コロナ禍を経て親子コミュニケーションはどう変わったかはこちら
高校生・保護者共に
高校でのICT活用で「個別最適化学習」に
最も期待
【高校におけるICT活用への期待】
- ICTの活用により期待できる効果は、「一人ひとりが自分に合った方法やスピードで学習できる」が高校生(45%)保護者(34%)で共にトップ。
次いで高校生は 「学ぶことへの興味がわき、学習へのモチベーションが上がる(27%)」、保護者は「多様なリソース(情報や人)にアクセスできることで、学びが深まる(32%)」。 - 今後のICTの活用意向は「授業」「宿題」「コミュニケーション」などに幅広い期待。一方で「まだ活用のイメージがついていない」という層も高校生、保護者共に24%存在
【現在の活用状況】
- 高校生の75%・保護者の56%が、自校で「活用している」と実感。 (参考:高校教師の回答は97% ※2021年2月実施「高校教育改革に関する調査2021」より)
- 良かった点は、高校生・保護者ともにオンラインで授業や学校からの連絡、宿題などの自宅学習ができたこと。
- 困った点は、高校生はデジタルネイティブらしく「特にない(24%)」がトップ。次いで、「学校や教員によってICTの活用度に差がある(23%)」「紙の教材のほうが勉強がしやすい(22%)」と続く。保護者のトップは「勉強しているのか、遊んでいるのかがわからない(31%)」。
【教育改革への期待と不安】
- 高校・大学の教育改革に対しては、高校生・保護者共に全ての項目で期待が不安を上回り、入学者選抜に対しては、5項目中3項目で不安が期待を上回る。
- 自分の高校が教育改革への対応を行っていると感じているのは、高校生の25%、保護者の18%。
- 具体的に変化を感じている取り組みのトップには、高校生は日々の授業の変化を(「先生が知識を教え込む授業から、生徒が主体的に考え、学び合う授業に変わる」54%)、保護者は探究学習を(「生徒が自らテーマを設定し、調べたり解決に向けて取り組む探究学習が重視される」65%)挙げている。
- 前回調査からの比較では、高校生は「ICT技術を活用し、一人ひとりが最適な学習内容と進度で学べるようになる」の伸びがトップ(37%、同+26pt)となっており、関心の高さがうかがえる。
調査概要
- 調査目的
- 高校生を持つ保護者とその子どもにおけるコミュニケーションの実態と進路観の現状を把握する
- 調査時期
- 2021年9月14日~10月28日
- 調査方法
- 学校を通した質問紙による自記式調査/またはWEB画面からの回答
(1)高校生 ホームルーム時にアンケート実施
(2)保護者 高校生から保護者へアンケートを手渡し
(3)紙調査票に回答、または記載のURLなどからWEB調査画面にアクセスして回答
(4)紙調査票またはWEBへの回答完了証を学級担任が取りまとめ、学校責任者が返送
- 調査対象者
- 高校2年生とその保護者
-全国高等学校PTA連合会より依頼した9都道府県、各3校ずつ計27校の公立高校(2年生2クラス分の高校生と保護者)に発送し、計26校より協力を得た
Archives過去の調査結果
第9回 高校生と保護者の進路に関する意識調査2019
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