【全国版】18歳人口予測 大学・短期大学・専門学校進学率 地元残留率の動向2023
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文部科学省「学校基本調査」より受験マーケットに大きな影響を与える「18歳人口予測」「進学率推移」「地元残留率」について分析を行った
リポート概要
【将来予測 2023~2035年】
■18歳人口予測 P4~P9
・2023年109.7万人→2035年97.0万人(12.7万人減少)
・東北の減少率が高く、6県中4県で減少率20%以上
・2023年比減少率が高いのは東北(79.7%)、減少数が大きいのは近畿(23,357人減)
■進学率(現役・過年度含)の推移P10~P16
大学進学率(現役)
・2014年48.1%→2023年56.9%(8.8ポイント上昇)
・上昇が大きいのは、1位 北海道(135.5)、2位 四国(122.8)、3位 甲信越(121.4)※
・進学率が高いのは、南関東、近畿、東海の三大都市圏
都道府県別進学率(現役・2023年)
・大学進学率1位は東京、短期大学進学率1位は大分、専門学校進学率1位は新潟
注)※の( )内の数値は、2014年を100としたときの2023年の指数
■地元残留率の推移 P17~P25
・大学入学者の地元残留率は、2014年43.2%→2023年44.8%(1.6ポイント上昇)
・短期大学入学者の地元残留率は、2014年68.7%→2023年71.3%(2.6ポイント上昇)
・大学入学者の地元残留率1位は愛知(72.1%)
・短期大学入学者の地元残留率1位は福岡(93.3%)
■POINT1<今後の18歳人口>
2035年には18歳人口は100万人割れの97万人に。再び人口減少フェーズに入る前、今後5年間が大学(高等教育)の改革集中期間に
2023年の18歳人口は109.7万人でした。24年は106.3万人と22年の112.1万人から2年連続減少となりますが、今後は、24年を底に29年106.7万人とほぼ横ばいで推移します。しかし、2035年には、18歳人口が100万人を切り、再び人口減少フェーズに入ります。
大学、短大、専門学校にとってはこの5年程度が、学生募集に向けて改革を進める重要なポイントとなってくるでしょう。文部科学省の令和6年度予算編成においても「今後5年間が改革集中期間」と位置付けていることから、大学を含む高等教育機関の積極的な改革が求められます。
■POINT2<地元残留率>
地元残留率は、過去最高(前年度横ばい)だが、23年は3大都市圏(南関東、東海、近畿)と四国のみ上昇。コロナ禍の落ち着きにより、大都市圏への流出の可能性。
地元残留率(P17)は概ね2020年より全ての地域で上昇しています。これは新型コロナウイルス感染拡大の影響により、自宅から通える地元進学を選んだ高校生が多かったことが背景にあります。今回まとめた2023年の4月においては、まだ新型コロナウイルス感染症が第5類指定されておらず、大きな変化ではありませんが既に南関東・近畿・東海・四国が前年と比べ増加し、それ以外の地域では減少という結果に。
24年には、地方から都市への地域間移動がさらに増加する可能性があり、都市と地方の格差が拡大していくことも想定しなければいけません。格差の拡大は、大学を含む高等教育機関だけの問題ではありません。
既に自治体や産業界も含めてコンソーシアムを組む地域も出てきており、課題解決に向けて地域の魅力を高めていこうという動きも見られます。若者に地域の魅力・価値をどのように発信していくのか真剣に考える時期にきています。
(2024/2/26掲載)