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高校生の“18歳選挙権”への期待と不安

■高校生の“18歳選挙権”への期待と不安(高校生価値意識調査2015)

  「若者の意見反映や関心・責任感を持つようになること」への期待が大きい一方、
  「政治社会への関心のなさ、知識不足」の不安が大きいことが明らかに。

 リクルート進学総研では、2007年より「高校生価値意識調査」を実施し、高校生の社会観、ライフデザイン、キャリア観、進学観などを調査している。今回、「高校生価値意識調査2015」はスピード速く、激しく変化する社会情勢が高校生の価値観にどのような影響を与えているのかを最新で捉えるため、臨時版として2015年9月実施した。

 2015年は高校生を取り巻く社会環境の変化が大きかったのではないだろうか。6月に選挙権年齢を現在の20歳以上から18歳以上に引き下げる改正公職選挙法が成立、9月には安全保障関連法の改正案が成立し、大きな議論を呼んだ。

 その影響もあってか、調査結果発表後“18歳選挙権”に関して多数メディアで取り上げて頂いた。今月はフリーコメントを追加分析し「“18歳選挙権”で変わること・期待していること」「“18歳選挙権” に対して不安なこと・わからないこと」について高校生の声を見てみたい。

1. “18歳選挙権”で変わること・期待していること

■若者の意見反映や関心・責任感を持つようになることへの期待が大きい。(図表1)

  1位 「自分・若者の意見が反映される」 16.8%
  2位 「若者が政治・選挙・社会に関心を持つようになる、責任感を持つようになる」 9.3%
  3位 「全体の投票率が上がり、投票数が増える」 7.5%

  ・選挙に行かないと思う高校生の 1位は「政治社会を知らない18歳が投票できるか不安、考えない・ふざけた
   投票が増える」が7.3%と不安が大きい。
  ・「変わること・期待していることはない」と回答した高校生は25%と無関心の声も高い。

 全体傾向をみると、「自分・若者の意見が反映される」「若者が政治社会への関心を持つようになる」「投票率が上がる」が上位を占め、前向きな様子がうかがえる。新たに加わる18、19歳の有権者は約240万人で全有権者数の約2%にあたるが、残念なことに直近の2014年衆議院選挙における20代の投票率(32.6%)は、60代(68.3%)の半分以下であり、若者世代の投票率アップは大きな課題である。そこで、選挙に行かないと思う高校生の“18歳選挙権”への変化・期待を見てみると、1位は「政治社会を知らないので投票できるか不安、考えない・ふざけた投票が増える」が7.3%と期待よりも不安が大きいようだ。高校生の不安を解消し、政治に関心を持つことや投票に行くことの意義に気付いてもらう必要があるのではないだろうか。
→高校生が関心のある日本の政治課題はこちら

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2. “18歳選挙権”に対して不安なこと・わからないこと

■政治社会への関心のなさ、知識不足から投票することへの不安が大きい(図表2)

  1位 「ふざけた・よく考えない投票をする」 8.0%
  2位 「政治・社会について関心がない・知らない」 6.4%
  3位 「政党・立候補者の選び方、誰に投票するか正しい選択をできるかわからない」 6.1%

 全体傾向をみると、「ふざけた・よく考えない投票をする」「政治社会について関心がない」「政党・立候補者の選び方がわからない」「選挙の仕組み・投票方法を知らない」が上位を占め、主権者教育を受けていないこともあり選挙権を有することに対する知識不足に不安を感じているようだ。選挙に行くと思う・思わない別にみても、同じ不安を抱えていることがわかった。文部科学省や総務省は高校生など若い世代を対象に政治教育や社会教育を拡充させ、政治や選挙の副読本を作り、若者を対象に模擬投票などのイベントを開催するとしており、政治的な関心が高まり投票に行く高校生が増えることを期待したい。

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リクルート進学総研研究員 池内摩耶(2016/02/10)

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