【高校生価値意識調査2015追加分析】高校生の日常の情報源と信頼できる情報源

■高校生の日常の情報源と信頼できる情報源

「親」が日常も信頼できるもの1位で影響度は大きい。
ネット経由で情報を得ている高校生は日常:76%、信頼:35%で、信頼度は半減。
結局、信頼しているのは、“身近でリアルの情報源”。

 高校生のスマートフォン保有率は91.5%に達している。インターネットを介して情報収集することがあたりまえとなっている高校生が、インターネットアクセス時に最も使用しているデバイスは、「スマートフォン」85.5%、その他「パソコン」、「ノート・デスクトップPC」、「携帯電話」、「タブレット端末」、「ゲーム機」など、アクセスデバイスは多様になっている(※1)。情報が溢れ、簡単にアクセス・入手できる現代社会において、高校生はニュースや世の中での出来事についてどこから日常の情報源を得て、何を信頼しているのだろうか。今回は「高校生価値意識調査2015」から、「日常の情報源」と「信頼できる情報源」について価値意識を見ていきたい。
※1 総務省「平成27年度 青少年のインターネット・リテラシー指標等」より引用

1. 日常どこから情報を得ているのか。

■日常の情報源は「親」が74%で最多。
 男女別にみると、女子は1位「高校の友達」が80%で「親」よりも高いスコアとなった。

【全体】
1位 「親」 74.3%
2位 「高校の友達」 73.9%
3位 「テレビ番組、ラジオ番組」 62.2%
4位 「学校の先生」 56.7%
5位 「インターネット内サイトニュース」 48.5%

 ・高校生の76%がインターネット経由(※2)で日常の情報を入手している。
   男女別では、「男子」86%「女子」66%。男子の方が20ポイントも高くネット経由で情報を得ている割合が高い。

 全体傾向は、平均回答個数は8つで情報入手経路は多様化しているものの、自分と近い関係にあるヒト(親・高校の友達・学校の先生)とテレビの影響が大きく半数を超えている。男女別では、女子の方が20ポイント以上高かった項目は、「芸能人やスポーツ選手などのブログや公式アカウント」「雑誌」の2項目。女子は男子よりも、直接関係はないが認識しているヒト(芸能人・モデルなど)から発せられる情報を日常の情報源としている傾向が強いようだ。

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※2 「ネット経由」とは「芸能人やスポーツ選手などのブログや公式アカウント」「特定の専門分野で権威がある著名人のブログや公式アカウント」「一般人のブログ、無料の質問サイト内の個人からの回答・コメント」「インターネットサイト内ニュース」 「口コミサイト・掲示板」「まとめサイト」いずれかに該当する割合。

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2. 日常の情報源の中で、何を信頼しているのか。

■信頼している情報源も「親」と回答した高校生が約半数で1位。

【全体】
1位 「親」 48.4%
2位 「テレビ番組、ラジオ番組」 31.2%
3位 「学校の先生」 28.9%
4位 「高校の友達」 28.4%
5位 「新聞」 20.0%

 ・高校生の35%がインターネット経由(※2)で入手した情報を信頼していると回答。
 日常情報源と比較すると、ネット経由で得た情報の信頼度は半減。

 日常情報源も信頼情報源も1位は「親」であり、一番近い存在である「親」は高校生が情報の正否を問うのに重要かつ影響が大きいことがわかった。一方、日常情報源としているものの信頼度が低い項目を明らかにするため、日常情報源と信頼情報源の項目順位を比較してみると、順位が低下した項目トップ3は「まとめサイト」「口コミサイト・掲示板」(8順位down)、「一般人のブログ、無料の質問サイト内の個人からの回答・コメント」(4順位down)という結果であった。自分が知らないヒト(バーチャル)発信のブログ・まとめサイトや口コミサイトは日常の情報源としているものの信頼度は低いようだ。

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リクルート進学総研研究員 池内摩耶(2016/02/24)

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