【高校生と保護者の進路に関する意識調査2013追加分析】オープンキャンパスで情報収集したい保護者

月次特集「大学は重要な情報を保護者に伝えられていない」より続く

 前回に引き続き、第6回「高校生と保護者の進路に関する意識調査2013」から、大学・短大進学を希望している高校生の保護者が、高校2年の10月時点で、子どもの進学先選びのための情報収集をどのように行っているかを見てみる。

 子どもの進学先選びに保護者はどの程度かかわっているのだろうか。2013年の「経験意向・計」(「行ったことがある」「行ったことはないが、今後行いたい」の合計)が高かった順に並べたのが図表3だ。

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 まず、保護者が実際に「行ったことがある」項目から見ると、トップは「子どもに合う分野をアドバイスする」(58.4%)、「将来の職業をアドバイスする」(53.3%)、「就職か進学かを選ぶ際にアドバイスする」(50.3%)など、“アドバイス”が中心であることがわかる。一方「今後行いたい」ことを見ると、トップは「興味をもった学校の入試方法を調べる」(51.7%)で、前回の記事で保護者が進学先選びで最も重視していた「入試方法」を、自ら調べるという“行動”に出ている。次いで「興味をもった学校の資料請求をする」(50.7%)、「興味をもった学校の見学に行く(オープンキャンパス・学校見学会含む)」(43.7%)など、やはり行動する項目が高くなっている。今後の保護者のかかわり方は、アドバイスから行動に移行することが予想される。

 さらに、「経験意向・計」の傾向を見ると、前回(2011年)より高くなった項目は、「興味をもった学校の見学に行く(オープンキャンパス・学校見学会含む)」(8.2ポイント増)、「興味をもった学校の資料請求をする」(6.4ポイント増)、「興味をもった学校の入試方法を調べる」(4.9ポイント増)、「どんな学部・学科・コースがあるかを調べる」(3.8ポイント増)と、やはり行動が増えている。なかでも最も経験意向が増えたのが、「興味をもった学校の見学に行く(オープンキャンパス・学校見学会含む)」だった。では、こうしたオープンキャンパス等に、どんな情報を求めて行っているのかを、最後に見てみよう(図表4)。

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 各学校の説明会やオープンキャンパスで得たかった情報のトップは「校風・雰囲気」(70.1%)で、次いで「学部・学科の内容」(62.6%)、「施設・設備の充実」(44.0%)の順になった。2011年に比べ、「資格取得の状況(実績)」を除く全項目でポイントが増加しており、情報源としてオープンキャンパス等への期待が高まっているのがわかる。特に、「在校生の様子」(10.3ポイント増)、「現在の入試制度の仕組み」(9.9ポイント増)は10ポイント前後アップしている。前回で保護者が特に重視していた項目(1.現在の入試制度の仕組み、2.進学費用、3.学部・学科の内容)に比べると、校風や在校生の雰囲気、立地・設備などのキャンパスのスペックなど、入学後のリアルな情報を収集に来ているようだ。ただし、「学部・学科の内容」「現在の入試制度の仕組み」「将来の職業との関連」「就職の状況(実績)」などは変わらず高いニーズがある。
 前回の記事で重要な情報が「不足している」と認識している保護者が多かった点からも、今後はこれらの情報をきちんと整理し、わかりやすく伝えることで、オープンキャンパス等における保護者の満足度を上げる工夫が求められるだろう。

 カレッジマネジメント編集部 能地泰代 (2014/7/22)

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