【奨学金制度に関する学長調査2012追加分析】募集戦略に独自の給付型奨学金を活用――(4) 今後の独自の給付型奨学金
次に、今回の調査の自由回答から、各大学がどのような独自の給.....
※「奨学金制度に関する学長調査」報告
リクルート『カレッジマネジメント』と文部科学省科学研究費「教育費負担と学生に対する経済的支援のあり方に関する実証研究」の共同プロジェクトは、大学の学費(授業料等)や奨学金の動向を明らかにするために、「奨学金制度に関する学長調査」を行いました。→調査概要を読む
■今後の独自の給付型奨学金
次に、今回の調査の自由回答から、各大学がどのような独自の給付型奨学金を検討しているかをまとめたのが表2だ。様々なコメントが見られたが、大きく6つのパターンに分けている。
まず「給付型へのシフト」は、奨学金全体を、貸与型から給付型へシフトしようとする例だ。返済能力が低下している経済状況に対応したもので、財源確保が見込める体力のある大学に可能な対応策だ。
また事例にもあった「地方出身者支援」や「国立志望者支援」への回答も見られた。
「成長支援」では、入試の成績に加え、入学後の成績の顕彰や、入学後に勉強等で頑張るなど、学生の成長を支援しようという動きが複数見られた。
「グローバル対応」では、送り出しと受け入れの両方で、奨学金による支援を検討していることがわかる。
また、予約型奨学金がないと悩む声や、導入を検討している大学もあった。
これらに区分できなかった「その他」の回答を見ると、「奨学金の目的が重複し、特色が出ない、留学生の受給審査基準が甘い」などから、ターゲティングを明確にした独自の奨学金に見直そうとする意見があり興味深い。さらに、4年間一貫の支援、リーダー育成の支援など、戦略的に奨学金を位置づけようとする動きも広がっていきそうだ。
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カレッジマネジメント編集室 能地泰代 (2013/01/23)
【募集戦略に独自の給付型奨学金を活用】
(1) ミッションに合う学生をターゲティング
(4) 今後の独自の給付型奨学金
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