【高校生価値意識調査2015追加分析】保護者と高校生のグローバル化への意識

■保護者と高校生のグローバル化への意識

将来、海外で働きたくない高校生46%と約半数、海外で働きたい高校生28%、を大きく上回る。
働きたいと思わない理由は①日本への愛着、②語学力不足、③治安への不安

 社会情勢の変化や国際教育施策の動きを受け、高校生とその保護者はグローバル化をどのように捉えているのだろうか。今回は「高校生と保護者の進路に関する意識調査2015」「高校生価値意識調査2015」から、保護者と高校生のグローバル化への意識について見ていきたい。

 

1. グローバル化の影響とグローバル人材意向

■保護者の4割が「グローバル人材になってほしい」と期待するが、親子ともに「語学力」「コミュニケーション力」が不足と認識。

・親子とも約4割が、子ども(自分)の将来にグローバル化は「影響がある」と考えている。一方、「影響がない」と考える高校生は保護者の4倍で、保護者ほどグローバル化の影響があるとは捉えていない。
  保護者 「影響がある」(42.5%) > 「影響がない」(3.9%)
  高校生 「影響がある」(40.3%)> 「影響がない」(15.6%)

 ・グローバル化はどのような影響を及ぼすかについては、親子ともに1位は「日本国内でも英語(外国語)を使う機会が増える」で、保護者65.7%、高校生48.5%で社会との接点が多い保護者のほうが高校生を15ポイント以上上回った。

 ・保護者の41%、高校生の50%が、グローバル社会で通用する人材になってほしい(なりたい)と考えており、高校生の志向が保護者を上回る。
  保護者 「なってほしい」(40.9%) > 「なってほしいと思わない」(5.5%)
  高校生 「なりたい」(49.6%) > 「なりたいと思わない」(16.1%)

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2. 将来、海外で働くことへの意識

■将来、海外で働きたい高校生28%、働きたくない高校生46%と約半数。
働きたいと思わない理由は「日本への愛着」と「語学力不足」。

 5割の高校生が「グローバル人材になりたい」と考えているものの、「将来海外で働きたい」と考える高校生は28%にとどまった。
 “グローバル人材”になることと“海外で働く”という考えは必ずしも接続感が高いものではないと思われる。
 グローバル化の影響1位が「日本国内でも英語を使う機会が増える」であることを考えると、
 グローバル人材への憧れはあるものの、語学力や治安への不安もあり、やはり日本で暮らしていたいというのが高校生の本音のようだ。

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リクルート進学総研研究員 池内摩耶(2016/03/11)

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