<解説>「高大接続の入学者選抜」とは?
2021年度の大学入学共通テストの実施方針と大学入学者選抜実施要項の見直しに係る予告が公表され、高大接続改革が大きく動き始めた。高大接続とは、単なる入試改革ではなく、高校教育、大学教育、入学者選抜通じて一体的に改革を進め、「学力の3要素」を確実に育成していこうという大きな教育改革である。
「学力の3要素」とは、以下のことを指す。
- 知識・技能
- 思考力・判断力・表現力
- 主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度
そのために、2020年には、センター試験が廃止され、大学入学共通テストが導入される。そして、各大学の個別選抜の改革も進められる。10年に一度見直される高校までの学習指導要領も、学力の3要素を育成するものに改訂される。
本企画では、こうした大きな教育の改革に合わせた個別大学の入試改革について、“高大接続型入学者選抜”として、新たな取り組み事例をレポートしていく。本企画では、“高大接続型入学者選抜”と呼んでいるのは、以下の3点を満たしてものである。
- 各大学のアドミッション・ポシリー(入学者受入方針)に合致している
- 「学力の3要素」を多面的・総合的に評価している
- 入学後の教育への接続が設計されている
高大接続の入学者選抜はまさに緒に就いたばかりである。3点全てを完璧に満たしているとは言い難いものもあるかもしれない。しかし、高大接続改革の理念を推進する大きなチャレンジの中の小さな1歩として、応援していきたい。
リクルート進学総研所長・カレッジマネジメント編集長 小林 浩